映画『グーニーズ』永遠の大ヒット冒険映画です!!
この映画『グーニーズ(The Goonies)』は、1985年のアメリカ合衆国のアドベンチャー・ファンタジーです。監督はリチャード・ドナー、出演はショーン・アスティン、ジョシュ・ブローリンなどで、伝説の海賊が隠した財宝を探す少年たちの冒険を描いています。
目次
1.紹介
製作スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ、監督はリチャード・ドナー(製作兼)、脚本のクリス・コロンバス、編集マイケル・カーン、音楽はデイヴ・グルーシンという、今となっては、驚きの超豪華スタッフによる作品です。
単純な宝探しなのですが、家族のため、子供心に健気に冒険に挑む主人公の姿はホロリとさせる場面もあって、スティーヴン・スピルバーグらしい作品でもあります。
単なるキッズ・ムービーとは言えない内容は、インディジョーンズ譲りのトラップのアトラクションも相まって、当時としてはなかなか凝った仕上がりになっています。
ドラマの中でも登場する、シンディ・ローパーが歌う楽しい主題曲「The Goonies “R” Good Enough」もヒットしました。
2.ストーリー
1)プロローグ
アメリカ、オレゴン州の田舎町グーン・ドックで、留置所に捕らわれていた1人の男ジェイク・フラッテリー(ロバート・デヴィ)が逃げ出します。刑務所の前にはジェイクの家族”フラッテリー一家”が待ち構えており、ママ(アン・ラムジー)と弟フランシス(ジョー・パントリアーノ)と共に火を放って追手から逃げ出します。そして警察とのカーチェイスの末に、なんとか逃げ切りました。
2)グーニーズ
その町に、喘息持ちで気弱なマイケル・ウォルシュ”マイキー”(ショーン・アスティン)、大人のマネをして生意気な口のきき方をするクールなクラーク・デヴリュー”マウス”(コリー・フェルドマン)、大食いで大ウソつきのローレンス・コーエン”チャンク”(ジェフ・B・コーエン)、役に立たない発明をいつもしている中国人のリッキー・ワン”データ”(キー・ホイ・クァン)の4人は、自らを「グーニーズ」と命名し、その名前の由来が「まぬけな連中(goonie)」と「グーン・ドック」というの町の名前をひっかけて作ったいわゆる、おちこぼれ4人組が住んでいました。
3)大海賊の地図
マイキーの家は借金を抱えており、資産家に返済できなければ立ち退きをしなければいけないという状況です。
荷物整理のため屋根裏にある父親のガラクタをどうするのかと話していると、博物館に寄付するんだとマイキーは言います。何か宝物があるかもしれないとマウスが言い、みんなで屋根裏部屋へと上がりました。
屋根裏を物色していたら、偶然にも伝説の大海賊「片目のウィリー」が残したとされる宝物のありかを示した地図を発見。地図は、岬の灯台近くのレストランがある場所を指していました。
4)勇気を出して
宝物が見つかり借金が返済できれば、マイキー達の家族はこの家に住み続けることが出来ます。グーニーズの4人は、地図を頼りに岬のレストランまでやってきましが、レストランは凶悪犯フラッテリー一家のアジトになっていました。
マイキー達は、フラッテリー一家に見つかってしますが、マイキーは勇気を出してトイレに行くふりをして地下を探索しました。するとそこには監禁された怪物のような男がいました。
グーニーズの4人は、そこに駆け付けた、マイキーの兄ブランド(ジョシュ・ブローリン)と共に慌ててレストランから逃げ出しました。
5)地下室へ
ひとまず退散しましたが、やはり「片目のウィリー」の財宝が気になります。グーニーズに、ブランドとその恋人アンディ(ケリー・グリーン)そしてその親友ステファニーも加わり、フラッテリー一家が出かけたのを見計らって、レストランの地下室へと侵入します。するとそこで、そのまた地下へと続く洞窟を発見することとなりました。
地下へ降りたチャンク以外の6人は、財宝を探して奥へと進みます。しかし、そこには「ウィリー」が仕掛けた危ない罠がたくさんあって、何度もピンチに見舞われます。
6)地下室の男
その頃、なんとか地下を出たチャンク、は警察に通報するために通りかかった車に助けを求めますが、その車に乗っていたのはフラッテリー一家のジェイクとフランシスでした。チャンクはあえなく捕まり、フラッテリー一家に地下に宝物があることを話してしまいました。
チャンクは、地下にいる怪物のような男と共に監禁され、フラッテリー一家は地下の捜索をはじめました。
その、怪物のような男はロトニー・フラッテリー”スロース”(ジョン・マトゥザック)で、チョコレートをあげて仲良くなりました。
チャンクは拘束を解かれ、警察に通報するもののウソつきの癖がたたり、信じてもらえませんでした。
7)片目のウィリーの海賊船
その後もマイキーたちは、洞窟に仕掛けられたさまざまな罠や、フラッテリー一家からの攻撃をかわしながら、最後の試練も乗り越え、ついに宝物や白骨死体が満載の「片目のウィリー」の海賊船がある洞窟にたどり着きました。
船室で白骨化した片目のウィリーと対面してマイキーは「あんたもグーニーズだよ」と声を掛けて涙を流します。グーニーズの仲間たちが財宝をポケットいっぱいに詰め込んでいると、そこへ、追いかけてきたフラッテリー一家が現れ、財宝を奪われてしまいました。
そして全員が海へと突き落とされそうになるグーニーズでしたが、そこへフラッテリー一家の末っ子スロースと、彼と友達になったチャンクがグーニーズたちを助けにやってきました。スロースがフラッテリー一家を懲らしめている間に、グーニーズたちは海賊船から逃げ出しました。
8)地上へ脱出
フラッテリー一家の3人はしぶとく財宝を持ち出そうとしますが、そこにも罠が仕掛けられており、3人は、必死に泳いで逃げ出します。
スロースはグーニーズたちを岩の隙間から逃がすと、家族のためにその場に残りました。グーニーズたちは崩れ落ちてくる岩をよけながら、海岸へと続く穴から脱出しました。
通報を受けていた警察が駆けつけて、その後グーニーズの親たちも駆けつけてきました。フラッテリー一家もなんとか脱出してきましたが、すぐさま警察に連行されて行くのでした。チャンクは一人残されたスロースに「一緒に暮らそう」と声を掛けました。
マイキーの父は借金をしている資産家に言われるがままに、家の明け渡しのため、最後通告の書類にサインをしようとしますが、次の瞬間、マイキー宅のお手伝いさんが、袋に入っていた財宝を発見します。
片手に乗るほどの宝石が出てきたことで借金はなくなって家を明け渡さなくてもよくなりました。これによってマイキー達グーニーズは離れ離れにならなくて済みました。
9)エピローグ
そこに、遠くで、イカリが解放されて洞窟から出てきた「片目のウィリー」を乗せた海賊船が、堂々と大海原へと旅立っていくのが見えました。マイキーはウィリーにありがとうと言って見送りました。
3.四方山話
1)グーニーズの今
①マイキー役
いたずら好きの主人公マイキー(マイケル・ウォルシュ)を演じたショーン・アスティンは現在50歳です。
10代の頃から子役として活動を続け、『グーニーズ』出演後は、『ルディ/涙のウイニング・ラン』でアメフト選手を演じ、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作ではメインキャラクターの1人に抜擢されました。
近年では、『グーニーズ』へのオマージュが数多く見られるNetflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』に出演し、俳優のほかに、声優としても活躍しています。
②マウス役
お調子者のマウス(クラーク・デヴリュー)を演じたコリー・フェルドマンは、当時子役として大活躍します。『13日の金曜日・完結編』『グレムリン』『スタンド・バイ・ミー』『ロストボーイ』など80年代を代表するハリウッド映画に数多く出演し、ティーンアイドルとして圧倒的な人気を誇りました。
その後は薬物中毒に苦しんだ時期もありましたが、今も俳優業を続けています。自身のバンドを組んでいて、音楽活動にも熱心です。
③チャンク役
食いしん坊でいたずら好きのチャンク(ローレンス・コーエン)役はジェフ・コーエンです。80〜90年代に子役として活躍しましたが、その後は芸能界を引退し、弁護士へと転身しました。
Entertainment Weeklyによると、現在は映画などのエンターテインメントに関わる弁護士の仕事を担当しているといいます。
④データ役
発明が趣味で、科学に関する膨大な知識を持っていることから「データ」と呼ばれる中国系の少年リッキー・ワンを演じたのは、キー・ホイ・クァン。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』などにも出演していて、当時日本でも人気が高かったと言われています。
子役としての活躍後は映画の作り手側となって、アメリカやアジアの映画を中心に、武術指導やスタントコーディネーター、通訳などを担当しています。
⑤ブランド役
マイキーの面倒見のよい兄ブランド(ブランドン・ウォルシュ)を演じたのは、ジョシュ・ブローリンです。グーニーズの中でも最も「出世」した俳優と言えそうです。
コーエン兄弟やクエンティン・タランティーノなどの著名監督の作品にも出演し、中でも、大役に抜擢された2007年の『ノーカントリー』はアカデミー賞作品賞を受賞するなど高く評価されました。
近年では、世界中でメガヒットを記録するマーベルスタジオの『アベンジャーズ』シリーズで、「指パッチン」ひとつで生命の半分を破滅させる最強の悪役サノスを演じ、話題を呼びました。
⑥アンディ役
ブランドの恋人でチアリーダーのアンディ(アンドレア・カーマイケル)を演じたのはケリー・グリーン。
『グーニーズ』の翌年には、青春映画『ルーカスの初恋メモリー』に出演し、コリー・ハイムやウィノナ・ライダーなど、当時人気の若手俳優らと共演しました。
数は多くはありませんが、その後も継続的に映画やドラマなどに出演しています。
⑦ステフ役
眼鏡がトレードマークの少女で、マウスとよく口ゲンカになったステフ(ステファニー・スタインブレンナー)を演じたのはマーサ・プリンプトン。
『グーニーズ』出演後は、『モスキート・コースト』や『旅立ちの時』で当時絶大な人気を誇っていたリバー・フェニックスと共演し、プライベートでも交際していたと言われています。
エミー賞やトニー賞にノミネートされるなど俳優として高い評価を得ており、現在もコンスタントに映画やドラマ、舞台などで活躍しています。
2)フラッテリー一家のその後
①ママ・フラッテリー役
フラッテリー3兄弟の母親でボス的存在のママ・フラッテリーの、アン・ラムジーは、1954年に俳優のローガン・ラムジーと結婚し、70年代に入って、女優として活動をスタートしました。
強い個性を放つ性格俳優としてコメディを中心に活躍して、1988年の映画『鬼ママを殺せ』では、ゴールデン・グローブ賞とアカデミー助演女優賞両方にノミネートされました。
1988年8月、ガンのため58歳で亡くなりました。遺作となったのは1980年に公開された映画『Homaer and Eddie』でした。
②ジェイク役
フラッテリー3兄弟の長男ジェイクを演じた、ロバート・デヴィは、以後は、映画『ダイ・ハード』『007 消されたライセンス』『プレデター2』『ショーガール』など数々のピット作・話題作でイタリア系の血を生かした癖の強い役柄を演じる名バイプレーヤーとして活躍しています。
本作でも、達者な歌声を披露していましたが、2011年以降は、歌手としても活動しており、デビューアルバム『Davi Sings Sinta-On The Road To Romance』はビルボードのジャズチャートで6位を記録しました。
③フランシス役
次男フランシスを演じた、ジョー・パントリアーノは、ロバート・デヴィと同じく、イタリア系俳優として、さまざまな作品で名バイプレーヤーとして活躍しています。
出演作品には、映画『マトリックス』『ラ★バンバ』『太陽の帝国』『逃亡者』『バッドボーイズ』などがあります。2003年にはドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』でエミー賞を受賞した名優となりました。
2007年に鬱であることを公表、それに関する著作を発表したり、非営利団体「No Kidding, Me Too!」を設立したりという活動もしています。
④スロース役
おぞましい容姿から、地下室に監禁されている末っ子スロースを演じたのがジョン・マトゥザャックです。
学生時代からアメリカンフットボール選手として活躍し、プロとなってからもNFLのスター選手としてその名を残しています。
本作では、5時間の特殊メイクを要したスロース役で一躍注目を集め、その後はさまざまな映画やドラマにも出演するようになりました。
しかしながら、1989年6月、心不全により38歳の若さで死去。アメリカンフットボールの選手時代から続く薬物・アルコール依存を克服できず、それが原因ともいわれています。
4.まとめ
データ役のキー・ホイ・クァンが出てるわ、トラップだらけの暗い洞窟で、やたら髑髏が転がっているわ、まるで、インディー・ジョーンズの世界です。
今見ても面白いのですが、今となっては、続編を期待するのもいろんな意味で難しいでしょうね。