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ドラマ『ドラマスペシャルBORDER 「贖罪」』異色の連ドラの衝撃のラストの続きです?!

このドラマは、『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』として、2014年4月10日から6月5日まで毎週木曜日21:00 - 21:54に、テレビ朝日系「木曜ドラマ」枠で放送された連続ドラマの続編です。

そして、ドラマスペシャル『BORDER 贖罪』が、2017年10月29日21:00 - 22:54に放送されました。

目次

 

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1.ドラマのステージ

『BORDER』(ボーダー)は、日本の小説家・金城一紀原案により2013年から開始された漫画、小説、テレビドラマのメディアミックスプロジェクトから現出した作品群です。作品はテーマと主要人物の基礎設定を共有し、メディアごとに別の作家による異なったストーリーを展開しています。

このドラマは、金城一紀によるオリジナル脚本で、連続ドラマでは珍しく当初から結末までプロットを制作して撮影されていました。衝撃的で挑戦的な結末などが評価され、ザテレビジョンドラマアカデミー賞最優秀作品賞などを受賞しています。

 

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2.ドラマの概要

主人公はある事件によって頭に銃撃を受け、脳に弾丸を残したままで、奇跡的に一命を取り留めると共に、死者と交信する能力を手にした刑事石川安吾(いしかわ あんご)になっています。テレビドラマ版は金城自身が脚本を手掛けています。

タイトルの「BORDER」とは、この能力により主人公が直面し葛藤する、生と死、正義と法、死者からもたらされる真実と事実とのギャップなどなど、様々な「境界線」を表しています。
主人公・石川のキャラクターは、構想当初からドラマ版に主演する小栗旬のイメージで作られました。

連ドラの最終話では、史上最悪の敵・安藤周夫(大森南朋)と石川が対決し、「こちら側の世界へようこそ」という安藤の言葉でドラマは終了し、謎多きラストシーンとして反響がありました。さて、石川はあの後どうなったのでしょう。

このスペシャルドラマは、あのラストから始まります。


3.あらすじ

「死者と対話できる」という特別な能力を得た刑事・石川安吾(小栗旬)は、完全犯罪を成す“絶対的な悪”である安藤周夫(大森南朋)と対峙し、正義と悪の境界線で究極の選択を迫られました。 新たな運命を背負わされた石川は安藤の亡霊に付きまわれることになってしまいました。

 

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原口知幸(満島真之介)に殺害された須藤真実(中村ゆりか)は、石巻出身で天涯孤独でした。デパートの販売員で、原口が客でした。最初は優しかった原口でした、天涯孤独の女性だと知り、結婚をちらつかせて金を借りまくります。あげく、殺されてしまいました。
原口は、遺体さえ見つからなければ捕まらないと高をくくっていました。なかなか遺体を見つけられなかたのですが、原口の部屋にペットの毛があったことを石川は不審に思いました。そこから、原口は旅行に行く近所の住民のペットの世のために鍵を預かっていたことにきがつきました。遺体はその部屋に隠してあったのですが、他にも女がいた原口は、女に遺体を運ばせました。その遺体を入れたキャリーバッグに石川はGPSを仕込みました。

遺体を見て楽しそうな原口のところへ、警察官がやってきました。原口の遺体遺棄未遂の一部始終は、リアルタイムでネット中継されていて、何万といたウォッチャーの何人かが警察に通報したのでした。

原口知幸の事件解決後、警視庁監察管理官の久高喬(國村隼)との対決が迫ります。事件を片付けて、帰ってきたら自首するつもりだったはずの石川でしたが、「チーム闇」の赤井(古田新太)、ガーファンクル(野間口徹)、サイモン(浜野謙太)、スズキ(滝藤賢一)が石川の事件の偽装工作をしていました。

目撃者をでっちあげ、は安藤周夫の事件の目撃証言まででっち上げてしまいます。
自白するかどうかは石川次第と赤井から連絡が入ります。

そして石川は殺しを否認、もちろん目撃者は安藤が自ら落ちていったと証言していました。そして安藤が容疑者であった少年誘拐殺人事件も、安藤が少年を連れているのを見たという目撃者情報があがってきました。

 

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久高は、間違いなく石川がを殺害したと確信しますが、取調べを進めることはできません。そして、取り調べの様子を見ていた亡霊の安藤は、改めて「こちらの世界へようこそ。」と声をかけるのでした。

チーム闇社会のメンバーは、「僕達の白馬に乗った騎士」「僕達の信用した警察官」といい、「あなたがただの人殺しだとしたら、私達が抹殺する。あなた(石川)は、闇の世界に住む私達の希望であり続けなくちゃならない。」と言いました。

そして石川は、また現れた亡霊の安藤に「感謝している。正義に押しつぶされそうになっていた。光の世界にいながら闇の仕事をしていた。お前という通過儀礼で、完全に闇の世界の人間になった。俺はそのことに不思議と開放感を感じているんだ。」と言いますが、安藤は「あんたは本当に背負ったものに気づいていない。
その能力は、また私のような人間を呼び寄せる。その時のあなたを見守れないのは本当に残念です。楽しかったです。さようなら。」


4.キャストインタビュー

ORICON NEWS 2017-10-28 15:00 より

小栗旬

連ドラが終わった際に、続きをやりたいという話は聞いていたんです。でもその後、なかなか実現できない状況が続いたので、もうないだろうなと思っていました。続編が決まった時は、あのラストシーンからのお話だと聞いて、やだな~と思いました(笑)。というのも、石川は結構追い込まれていく役で、最終回を撮っていた頃は本当にしんどかったんです。その状態に戻らなければいけないと考えると、なかなか“よし、やるぞ!”という感じにはなれませんでした。

ある種のタブーを乗り越えてきた作品だとは思うので、それを好きだと言ってくれる視聴者の方には、納得のいくお話になっていると思いますし、石川という男を通して、いろんな感情が湧いてくると思います。久しぶりの『BORDER』の世界を楽しんでいただけたらと思います。

 


遠藤憲一

連ドラもそうでしたが、手を出しちゃいけないところに手を出しまくっているのがこの作品。犯人が最初からわかっているとか、死んだ人と会話ができるとか、刑事ドラマのセオリーを越えていた。しかも3年も経って、それも連ドラのラストからの話ということで、単純に「みんな、顔とか髪型はつながるのかな?」と心配になっちゃいました。

旬くんがまだ19歳のときに初めて共演して、一緒に地方ロケに行ったんですけど、そこで僕がベロベロに酔っ払っちゃって……。旬くんに担がれながら、『しっかりしてくれよー!』って怒られたんですよ(笑い)」とかつてのエピソードを明かし、「その次に共演したのが映画『クローズZERO』。『すげ~、旬くん! アクション俳優になった!!』と思っていたら、今度『BORDER』では死んだ目ができる名優になっていました!

 

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5.まとめ

面白いテレビドラマは小説や漫画を原作にしたものが多く、それが制作サイドでは強い安全パイとなっていて、観る方もハズレがないというものです。だからオリジナルの脚本で成功したドラマには敬服してしまいます。

ウソみたいな、完全にフィクションなのに、心打たれてしまうのは、現実にある、生と死、正義と法、死者からもたらされる真実と事実とのギャップなどの「境界線」(BORDER)の上に虚構を築いているからなのでしょう。