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『四国八十八ヶ所』、車でお遍路、古希まじかCOPDオジサンの旅!徳島編

ふと思い立ち、四国八十八ヶ所のお遍路をはじめました。あと数年で古希(70歳)、ましてCOPD慢性閉塞性肺疾患)持ちとしては無謀な試みと周囲はなじりました。しかしながら多少息切れはするものの7・8千歩ぐらいのバード・ウォッチングなどもこなしているので、いまのうち、動けなくならないうちにという気持ちでしょうか。

 集団行動が苦手な上、トイレも近くなって、自由行動ができる自動車でのお遍路しかないのですが、年金受給者としては、タクシー遍路は贅沢至極、13万キロ走行の愛車に鞭打って、自分も車も、今のうち、イマノウチ、と自分と周囲を言い聞かせて企てました。

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始めたばかりで、結願(けちがん)までたどり着ければ幸いですが、今回はお遍路の概要と徳島県にある一番から二十三番の札所についてご案内します。

 

 

目次

 

 

1.四国八十八ヶ所とは

四国八十八ヶ所』「四国八十八箇所」とも表記)は、四国にある弘法大師空海)ゆかりの88か所の寺院の総称で、四国霊場で最も代表的な札所となっています。
いにしえの昔から、都から遠く離れた四国は辺地(へじ・へぢ)と呼ばれていて、平安時代頃には修験者の修行の道でした。讃岐国に生まれた若き日の空海もその一人であったといわれています。空海の入定後、修行僧らが大師の足跡に辿って遍歴の旅を始めました。これが四国遍路の原型とされています。

 

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2.お遍路とは

四国八十八ヶ所を巡拝することを四国遍路といい、また四国八十八ヶ所霊場会では「四国巡礼」といっています。時代が経つにつれ、空海ゆかりの地に加え、修験道の修行地や足摺岬のような補陀洛渡海の出発点となった地などが加わり、四国全体を修行の場とみなすような修行を、修行僧や修験者が実行しました。

では、四国お遍路はなぜ88ヶ所なのかというと、いろんな説があるようです。厄年の合計で、男42+女33+子供13とか、お釈迦様が説かれた法から説とか、煩悩の数、お米の漢字を分割した八十八説などがあります。

 

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3.目的は

修行僧や信仰目的の巡礼者以外にも、疾病などの理由により、故郷を追われた、もしくは捨てざるを得なかった者たちや、犯罪やそれに類する行為で故郷を追われ、施しを受けながら四国遍路を終生行う「職業遍路」が存在しました。これらの者たちも、信仰によって病気が治るのではないかという期待や、信仰による贖罪であったので、信仰が目的であったともいえるのかもしれません。

また、信仰によって病気や身体の機能不全が治るのではないかと一縷の望みをかけ、現代でいう視聴覚障害者や身体障害者が巡礼することも始まりました。その後、地区によっては一種の通過儀礼として村内の若衆が遍路に出るといったこともあったとされています。

四国遍路は信仰者の義務ではなく、修行者や僧侶、後には庶民や窮民が祖霊供養や宗教心を深めるために自ら決意して実行してきたもので、他の巡礼地と比べて現世利益のためというよりも病回復、懺悔や死などのイメージが強いものです。


4.霊場、札所とは

阿波(発心の道場)徳島県 一番から二十三番まで
土佐(修行の道場)高知県 二十四番から三十九番まで
伊予(菩提の道場)愛媛県 四十番から六十五番まで
讃岐(涅槃の道場)香川県 六十六番から八十八番まで


5.準備には

人それぞれ、どのようなスタイルで参拝しても構わないそうですがGパンは避けたほうが良さそうで、白衣・輪袈裟の姿は普通に見られます。

イ)お賽銭

心付けです。1札所に本堂と大師堂の2ヶ所は必須です。

 

ロ)お線香とローソク

ローソクは1本、お線香は3本、1札所に本堂と大師堂の2ヶ所は必須です。

 

ハ)念数(数珠) 

真言宗の念珠は108珠とされますが、普段使っているものでも構いません。

 

 

ニ)納経帳

お経とお札を収めた後、その証として御朱印を押して貰います。

 

ホ)納札 

日付、氏名、住所、願い事、などを記入し、本堂・太子堂に納めます。

 

 


ヘ)勤行本

お経(般若心経)を覚えていても、手にして読むのが礼儀とされています。

 


ト)山谷袋(さんやぶくろ)

上記の道具を何回も出し入れします。

 

チ)白衣(びゃくえ)、笈慴(おいずる)

袖なしと長袖があり、御朱印を貰うと2着必要になります。

 

 

リ)菅笠(すけがさ)

お堂内では被らないとされています。

 

 
ヌ)輪袈裟(わけさ)

これをもって正装とされ、食事・トイレの際は外すものとされています。

 

 
ル)金剛杖

 

  

 

ちなみに、イ)ロ)ハ)を除いたフルセットで約2万4千円くらいです。

 

 

 

簡易版で約1万2千円くらいです。

 

 

 

6.参拝お作法

1)山門(さんもん)

まずは、山門(仁王門)前で一礼して境内に入ります。同様に、一礼して退去します。

2)手水場(ちょうすば)

 柄杓を右手で持ち、右手で水をすくいます.まずは左手を清め、柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める.そのまま、左手に水を受け、その水で口を漱ぐ.最後に柄杓を縦にし、残った水で柄を洗い流すように清める。

3)鐘楼(しょうろう)

 鐘を2回(優しく)撞きます。民家に近いお寺は一般寺の鐘撞き禁止になっているところもあります。
 お寺を出るときに鐘を撞くのは『出鐘』と言って縁起が悪いといわれ、忘れた場合はスルーが賢明でしょう。

4)本堂

 灯明、ローソクを1本立てる
 お線香を3本立てる(奥から1本づつ)
 鰐口(わにぐち)1回ならす (円盤投げみたいなやつです)
 納札納札箱にお札を納める
 般若心境 1回
 御本尊真言 3回 各札所の本尊の真言

5)大師堂

 灯明、ローソクを1本立てる  
 お線香を3本立てる(奥から1本づつ)  
 鰐口(わにぐち)1回ならす  
 納札納札箱にお札を納める  
 般若心境 1回
 お大師さま「ご宝号」3回。

「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)

6)納経所(のうけいしょ)

 ご朱印を押してもらいます。
  納経帳:300円
  納経軸:500円
  白衣 :200円

 最後に御影(おみえ・おすがた)を頂きます


7.阿波(発心の道場)の国お遍路

徳島県にある1 番から23番までの寺院一覧

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8.阿波の国お遍路ご本尊と真言

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9.阿波の国車お遍路順路

 要領
・各寺の納経所は基本的に7時から17時までとなっています。

・移動時間はGoogle Mapに依っています。寄り道せずに次の札所までのおよその時間です。

・自動車移動に際して、カーナビには電話番号登録で問題なく登録できました。尚、21番太龍寺太龍寺ロープウェイを目的地にしております。

・順路は札所順ではなく、難所の12番を迂回する形に変更しています。

・1番霊仙寺に7時に入り1泊2日の17時までに終了できました。なお、初日は下記スケジュール13番大日寺まで頑張って徳島市内に宿泊しました。

・ちなみに各寺における所要時間は10番切幡寺のように333段の階段があったりすればCOPD持ちには1時間かかったりしましたが概ね30分の計画で実際には数分で済む札所もあり全体では余裕で参拝できました。

  

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寄り道

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12番→18番で 道の駅「温泉の里神山」徳島県名西郡神山町神領字西上角151-1

                     088-636-7077


21番で    道の駅「鷲の里」      徳島県那賀郡那賀町和食郷字田野89  

                   0884-62-3109


21番→22番で 道の駅「わじき」      徳島県那賀郡那賀町中山字関ヶ原34-56

                   0884-62-3553


23番→で   道の駅「日和佐 」      徳島県海部郡美波町奥河内字寺前493-6

                   0884-77-2121

 


10.阿波の国車お遍路の難所

イ)10番 切幡寺

この辺は、四国お遍路の難所としては序の口ですが、「ここ入って行っていいの?」と不安になるほど狭い難所です。まずは一直線の門前町が待ち構えています。ここは、ある程度、先の見通しはいいので、行く先に車がいないか必ず確認して下さい。狭い道路に入った瞬間「手打ちうどん」の白い看板を発見していれば進む道としては間違っていません。高速道路の高架を過ぎれば、お寺まではもう少しなので、思い切って最後まで奥まで進みましょう.山門の近くに駐車場があるのですが、ここから階段が333段あります。さらにその先の納経所横にも駐車場があります。足腰に自信がない方は勇気をだして行き止まりまで突っ込みますと、納経所近くの駐車場に到着します.

ロ)12番 焼山寺

11番から12番の順路をとると昔から「お遍路ころがし」と言われる行程で、通常は迂回ルートでお参りする参拝者が多いようです。無理して順番通り行くことをせず、安全を優先することをお勧めします。迂回ルートをとっても崖っぷち、車幅ギリギリ、ヘアピンカーブ等が満載で眠気なんぞに襲われる暇もありません。
また、肝心なことは、そこいら中にカーブミラーが立っており必ず対向車をチェックしておかないと後で苦労することになります。効率も考えながら、安全に迂回できるお勧めルートは、11番→17番→16番→15番→14番→13番→12番→18番、です。
この順番で行くと、比較的安全なルートで周れます。11番から17番への移動は無駄なような気がしますが、地図を見ると、17番から12番までは理想的で効率的なルートで周っていることがわかります。

ハ)14番 常楽寺

お寺に近づくにつれ、信じ難いほどの狭い道になります。無理をせず、ヤバいと思ったら、カッコ悪いとか思わず、車から降りて目視しするのが賢人でしょう。擦って寂しい思いになったり、脱輪するよりはマシです。

ニ)21番 太龍寺

鶴林寺(20番)から太龍寺(21番)までの道のり.鶴林寺までの直前もけっこう大変な道ですが、崖道にも慣れ、絶景に目を奪われよそ見しがちというのも難所の理由になってきます。しかしながら、急に狭くなったり、民家ある周辺では道幅がほぼ車の幅という細い道が意外と長く続きます。道が細くなったら、対向車の状況に注意しながら走りましょう。
ロープーウェイの発車時間は上下同時刻で始発7時20分から17時までの毎時00分、20分、40分で、乗車時間は約10分です。

ホ)車お遍路がおすすめできないケース

・運転技術に自信がない人
・車の運転の経験年数が少ない人
・山道の運転経験が少ない人
・道を譲る際の後進が苦手な人
縦列駐車ができない人
・大型車の人(3ナンバーOK、キャンピングカー無理)


11.阿波の国車お遍路難所動画

イ)車で巡る 四国遍路 1番札所・霊山寺から10番札所・切幡寺まで

www.youtube.com

ロ)四国八十八ヶ所 19番・立江寺→20番・鶴林寺

www.youtube.com

ハ)四国八十八ヶ所 20番・鶴林寺→21番・太龍寺(ロープウェイ前)

www.youtube.com


12.まとめ

階段、坂道、運転技術と不安を抱えた車お遍路となりましたが、ネットでの仕込み、ゴールデンウイーク前のウイークデイ、相方の協力、とかとかで徳島県、阿波(発心の道場)でのお遍路は無事に終えることができました。道中は、自分を含め高齢者が多く、その姿が励みとなり、また外人の若い女性が1人2人と見受けられるのにおどろきました。

最後に、四国お遍路の美徳である「お接待」は車では無縁かとも思っていましたが13番大日寺さんで、季節の八朔が「ご自由に」とされていて、ありがたくいただきました。