凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』シリーズ第五弾ますます面白い!!

 

 サインも写真も断らず、60メートルのレッドカーペットを1時間以上かけて歩くトム・クルーズですが、それは彼の人並み外れたサービス精神・プロ意識によるものでしょう。

          f:id:mattyanp2016:20180723225153j:plain

 

冒頭の離陸した飛行機にしがみつくスタントシーンはCFでやたら流れていましたが、ストーリーからいっても無くてもよさそうにもかかわらず、掴みとしては抜群の効果がありました。トム・クルーズのサービス精神がもっとも反映されていて、さすが自身の製作会社で作り続けているからこその『ミッション:インポッシブル』シリーズなのです。

 

このシーン、最大の見せ場の一つですが、そんな必殺技を最初の一手で捨て駒にしてしまっても、まだまだ他にも有り余る魅力がこの映画にはありますよという自信の表れでしょうか。実際、本人が運転する大型バイクのバトルチェイス、水中アクションは、出来映えアイデアともに申し分がなくこの映画ならではのものとなっています。

 

f:id:mattyanp2016:20180723225037j:plain
f:id:mattyanp2016:20180723225133j:plain

 

また、スパイ映画のもう一つの魅力である国際謀略の裏表、スケールの大きな諜報戦といったミステリ風味と、ここぞいうときの変装マスクのネタ晴らしは、賛否両論ながら『ミッション:インポッシブル』を冠する限り水戸黄門の印籠にたいについてまわります。

 

ただ、ありそうでありそうもない装置や器具を駆使し、ハラハラ・ドキドキ、ギリギリのタイミングで間に合うという鉄板ネタは今回はマイルドなのが少しく寂しくはあります。その分アクションに重きが置かれているのですが...

 

          f:id:mattyanp2016:20180723225115j:plain

 

ストーリーは、ローグネイション(ならず者国家)と名指される多国籍スパイ集団「シンジケート」が全編を一貫して牽引します。秘密情報部MI6、IMFそれぞれに属するエージェントたちが機密情報をめぐって陰謀智略戦を繰り広げます。三つ巴の駆け引きを基軸に、各組織内の力学も加わって複雑にからみ合い、先の読めない展開から目が離せません。

 

          f:id:mattyanp2016:20180723225219j:plain

 

イギリスが舞台とあってかヒッチコックへのオマージュが満載で、『裏窓』『汚名』『北北西に進路を取れ』を彷彿させるシーンがあったり、『知りすぎていた男』を踏まえたオペラ座での要人暗殺計画のシークエンスが象徴的で、誰が敵なのか、誰を撃つべきかとイーサンが葛藤するところは、サスペンスとアクションが有機的に結びついて、これしかないというこのシーンの決着にいたっては、見事に印象的な名場面になりました。

 

冒頭イーサンが捕らえられるシーンのリフレインとなるラストもみごとにリベンジしていて大逆転の気持ちよさがありました。