凸凹玉手箱

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映画『イコライザー2』デンゼル・ワシントンの殺人マシーンぶりが爽快です!

 

この映画、主演はデンゼル・ワシントンで、監督はアントワーン・フークアと、『イコライザー』(2014年)の続編となります。

 

 

 

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実のところ、デンゼル・ワシントンがシリーズものに出演するのは今回が初めてで、それは本人の弁によると「単に続編に出演する機会がなかっただけだよ」「だって『マルコムX』や『フェンス』の続編は作れないだろ?」ということなのだそう。

たしかに『トレーニング・デイ』や『ザ・ウォーカー』でも、主人公は死んでしまっています。

監督のアントワーン・フークアとは『トレーニング・デイ』(2001年)『マグニフィセント・セブン』(2016年)でもタッグを組んでいます。

デンゼル・ワシントンのクール&ダークサイドの請負人みたいですが、アカデミー賞主演男優賞までとってしまうのですから、大したコンビです。

 

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ストーリーは、ベルギーでCIAの協力者の夫婦が無理心中を偽装して暗殺されるのですが、そこに疑義がありと、前作でほぼ隠居していたはずのスーザン・プラマー(メリッサ・レオ)が出張して捜査することになりましたが、その途中で強盗に殺されたという連絡が今回、タクシードライバーとなったロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)に届きます。

 

しかし、その背景には不審な点が。捜査を担当していたのが、かつてマッコールとチームを組んでいたデイブ・ヨーク(ペドロ・パスカル)で、彼を通じて、一見無縁に見えた二つの事件は結びついてゆき、このあたりでサスペンス風味も醸し出しています。

 

さらに、マッコールにも暗殺者の影が忍び込んできます。そこで、マッコールがスーザンの復讐に立ち上がるということになり、以降のストーリーは割と平凡で、また、黒幕に辿り着くのも呆気なくて、その黒幕がかつての自分の仲間のCIAだったという展開ではあります。

 

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黒幕がマッコールのかつての仲間だということなので、相当なツワモノ揃いばかりで苦戦を強いられそうですが、強さの次元というかレベルが違い過ぎて、たったの一度もピンチに陥ることもなく、こ奴らをやっつけてしまうのでした。

 

表情ひとつ変えずに数人を数秒でやっつける最強ぶりは相変わらず気持ち良く、逆に強すぎて襲われても絶対大丈夫だろうという安心感からかハラハラ感が少ないぐらいです。

 

殺しの秒数を計る演出が微妙に変わった他は、わりに設定をきっちり守ってスーパーヒーローを再登場させた感じに仕上がっています。しかしながら、前作では、ホームセンターで手じかにあるものでゲームでも楽しんでるように遣っつけていましたが、今回は割と簡単にナイフや銃を使っています。

 

一工夫あったのは、亡くなったマッコールの妻がやっていた、ベーカリーショップで小麦粉を袋を割いて扇風機で舞い上がらせ暗殺者の投げ込んだ閃光弾で粉塵爆発を誘発させるところでした。

しかしながら、何年も使われていないベーカリーショップで袋詰めの小麦粉が湿っけもせずここで役立つとも思えませんし、だいたい電気も止めていなかったのが不思議です。

あまり、細かいところにチャチャを入れても面白くなくなるばかりなのでサラッと見過ごして、前作を踏襲したあくまでクールに悪を成敗していく爽快感を享受した方が良いでしょう。

 

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前作では「必殺仕事人」のように依頼人の恨みをはらす為に殺すことになりましたが、本作ではマッコール自身の怨念での殺しとなります。

 

昔の仲間をここまで憎めるものか、殺しプロとはお互いに憎み合うとここまでいってしまうものなのか、マッコールは吐き捨てるように言います。

「私の友人に手をかけたのはまずかった、だからお前たち全員始末する、一度しか殺せないことだけが心残りだ。」


そして、マッコールの想像を絶する強さに、前作でロシアンマフィアの頭目が最後に言った言葉を、危険などん底から救いあげた若者ウィテカーに、同じように言わせています。

「あんた、何者?」

 

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この辺が、この映画のねらい目なのでしょう。