麻薬取締局特別捜査官のボビー・トレンチ(デンゼル・ワシントン)と、海軍犯罪捜査局の捜査官マイケル・"スティグ"・スティグマン(マーク・ウォールバーグ)は互いの身分を知らずに、メキシコの麻薬王パピ・グレコ(エドワード・ジェームズ・オルモス)の組織で潜入捜査をしていました。
そこから、組織の裏金を巡って、マフィア、麻薬取締局、海軍犯罪捜査局そしてCIAまでもが入り乱れて右往左往します。この予想外に巨額の裏金の出どころや、二転三転する登場人物の素性と思惑、そして誰が敵で味方なのかという人物相関部分が、この映画の醍醐味となっています。
ではありますが、デンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグとなれば、『イコライザー』や『ザ・シューター/極大射程』等で見せているマニアックなアクション活劇を期待しますが、ラストの銃撃戦でもロッケト・ランチャーまで用意しているにも拘わらず二人は拳銃しか使いません。
さらには、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で目の覚めるようなアクションりを演じたポーラ・パットンがそのアクションを披露することも無く、必要性に疑問大のお色気要員として起用されています。しかも主要キャストではあるがゆえに期待させるだけ期待させ、大した活躍も見せないまま終わってしまいました。こんな役に武闘派筋肉女優の彼女を起用したのかもったいない限りです。もっともそれはそれで十分に鑑賞に堪えられましたが...
とは言うものの、役どころや真相は複雑なパズルのようなもでは無く、頭空っぽでも楽しめるようなこなれた脚本のおかげで、観客は単純に小気味の良いバディ二人の行動を追っていきさえすればよく、余計な予備知識は仕入れないほうが数倍楽しめる映画となっています。