凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『メカニック・ワールドミッション』T.L.ジョーンズ曰く「価値ある続編」です!!

 

この映画、2011年のデヴィッド・ウィンクラー製作、ジェイソン・ステイサム主演の『メカニック』の続編です。

そして、その『メカニック』は、1972年のチャールズ・ブロンソン主演のアクション映画『メカニック』のリメイク作品となっています。

 

  f:id:mattyanp2016:20190314094607j:plain

 

しかしながら、このオリジナルと2011年版の二つの作品は、似て非なる作品に仕上がっています。この作品に関わらずリメイク版でありがちなオリジナルとの差を云々するのはナンセンスで、要は面白ければいい訳です。ただ、キャストの好みや、観た順番で感想は大きく異なってくるでしょうが。

 

このジェイソン・ステイサム版『メカニック』シリーズは、主人公ビショップを観客が「共感」できる親しみやすいキャラクターへと変えて、オリジナル版『メカニック』から離れましたが、オリジナルのチャールズ・ブロンソンに勝るとも劣らないジェイソン・ステイサム・ワールドにしています。

 

    f:id:mattyanp2016:20190314094849j:plain

 

さらに、続編の本作に至っては、ほとんどジェームズ・ボンド映画のような荒唐無稽ぶりで、もうそれはそれで良いのですけれども、ここまでくると敢えて『メカニック』を名乗る必要もなかったのではないかとも思えてきます。まあ、カンバンの重みもあるだろうし、それもある意味、ヒット映画の宿命みたいなものかも知れません。

 

ここで、おさらいをしておきますと、普通にメカニックといえば機械工や修理工、もしくは技師を意味しますが、裏社会においては「プロの殺し屋」を指しているみたいです。主人公ビショップは、組織から送られてきた資料をもとにターゲットの詳細な個人情報を把握し、その身辺や状況をくまなく調べることで入念な暗殺計画及び逃走計画を練って、偶発的な事故に見せかけて相手を確実に仕留め、足のつくような証拠は決して残しません。

 

ただ、この作品では36時間や24時間といった時間制限を強いられますが、そこはそれ、アクション映画のよくあるご都合で、道具やおぜん立てまでも見事に間に合わせてしまいます。細かいところでとやかく言うと面白みが半減するのでそこは気にしないことにします。

 

物語は、爆死を装い、暗殺の仕事から離れてブラジルのリオデジャネイロで平穏な日々を送るビショップ(ジェイソン・ステイサム)に、かつてビショップと因縁分かれの末、姿を消したままでいた兄弟子クレイン(サム・ヘイゼルダイン)から強引に暗殺の依頼が入ります。

 

        f:id:mattyanp2016:20190314093728j:plain

 

その依頼を荒っぽく断り、ねぐらにしていたヨットを爆破せざるを得なくなり、旧知のメイ(ミシェール・ヨー)の経営するタイのリゾートに隠れます。しかしながら、クレインの策謀でジーナ(ジェシカ・アルバ)を人質を取られて引き受けざるを得ない事態になってしまいます。

 

フィクサーとして裏で世界を牛耳る3人の武器商人がターゲットで、事故死に見せかけて暗殺しなければならないという条件がついています。

マレーシアの周りはサメだらけの孤島にある刑務所で王様のように君臨しているクリル将軍(フェミ・エルフォウォジュ・Jr)。オーストラリア、シドニーダウンタウンで58階の高層ビルの空中プール付きの最上階で警備員に囲まれゴージャスに暮らしているエイドリアン・クック(トビー・エディントン)。ブルガリアで潜水艦基地まであるほとんど要塞のようにリニューアルした記念館の建物にいるマックス・アダムス(トミー・リー・ジョーンズ)の3人です。

 

いずれも侵入することさえ困難なところですが、刑務所へは囚人を装い、高層ビルへはスパーダーマンがごとく這い上がり、記念館へは救急へりに紛れ込んで侵入します。アイデアたっぷりで侵入した後は真骨頂の切れっきれのアクションでこなしてゆきます。

 

  f:id:mattyanp2016:20190314093951j:plain

 

ただ、3人目からはビショップの本格的な反撃が始まるわけですが、ここでトミー・リー・ジョーンズの登場です。前作でもドナルド・サザーランドを登場させたりで、なにも彼らでなくともよさそうなキャスティングですが、往年の名優?に対するオマージュですか、まあ、ファンにとっては嬉しいことですが。この時、トミー・リー・ジョーンズは70歳、レギュレーターをつけた潜水なんぞ大丈夫?と心配になってしまいます。

 

かくて、ジェイソン・ステイサムのまだまだ歳を感じさせないアクションとほとんどジェームズ・ボンド映画のようなステージの数々がある種の魅力あるアクション映画にしてくれています。