この映画のタイトルの意味するところが良くわからずに調べていると、Wikipediaにこの映画の核心をついた表記がありましたので転用します。
ロジャー・イーバートは、エミー賞にもノミネートされたアメリカ合衆国の映画評論家で、アメリカで最も有名で、信頼される映画評論家であって、また、新作映画評での手厳しさから映画関係者には非常に恐れられていましたが、そのイーバートは、好意的な評価を与え、「ブルックスは大規模な西部劇映画の実績があり、『弾丸を噛め』は西部の神話を再構築して再確認する映画です。私たちの歴史に、それは影響を与えます。結局のところ、『弾丸を噛め』は西部の伝統的なパワーと完全性を見出しました」と批評しています。
一方で、ニューヨーク・タイムズのヴィンセント・キャンディーは「この映画は、費用のかかった西部劇です。多くの資金と労力を投入したにも関わらず、映画はまるで他の人々のインスピレーションで組み立てられたプレハブのような出来だ」と酷評しています。
つまり、良くも悪くも、西部劇の典型のようなお話が集められたようなストーリーでロジャー・イーバートやヴィンセント・キャンディーは全く同じことを違った立場で評しているにすぎないので、同じく観客も同様の感想をもったことでしょう。ここは、西部劇が大好きな人とそうでもない人との分かれ道なのでしょう。
しかしながら、ジェームス・コバーン、ジーン・ハックマンのファンにとってはこたえられない映画であることに間違いはありません。
ちなみにタイトルの『弾丸を噛め』(原題: Bite the bullet)は、熟語で『困難に立ち向かえ』と、なるそうです。
物語の舞台は1908年のアメリカ西部です。デンバー・ポスト主催で行われるレースの賞金が2000ドルという大金が掛けられた人と馬によるレースが始まりました。その内容は総距離700マイルの砂漠や谷のある過酷な土地を6日半で踏破しなければならないという非情なものでした。
このレースには8組の人間と馬のペアが参加します。カウボーイのサム・クレイトン(ジーン・ハックマン)や、賞金稼ぎルーク・マシューズ(ジェームス・コバーン)をはじめとする個性的な男性7人と紅一点、ケイト・ジョーンズ( キャンディス・バーゲン)でした。
ケイトが盗賊に襲われ、メキシコ人(マリオ・アルティーガ)が歯痛、ミスター(ベン・ジョンソン)の急流な川の横断後の死、8時間もかかる砂漠でカーボ(ジャン=マイケル・ヴィンセント)が馬を乗りつぶす、などとにかく過酷な状況が彼らをまちうけます。事故や馬の故障等があった場合は生きてもどることができないため、参加者たちは慎重に進みますが、事故や問題発生で一人、また一人と脱楽者がではじめてきます。
そんな時、最後のチェックポイントでは残り5人となり、そこを通過したところで囚人が作業をしていて、ケイトはとつぜん監視員に銃をつきつけました。実は彼女の愛人は服役しており、この場所で作業する彼を手助けするためレースに参加していたのでした。
彼女の行動によりメキシコ人が撃たれ、残りの3人も馬をとられてしまいます。サムとルークはオートバイで後を追い、銃撃戦を繰り広げながらなんとか馬を取り返し、彼らは再びレースに戻りました。
急峻な雪山が目の前にそびえていますが、そこでのシーンはありませんがかなり過酷だったのでしょう、サムとその馬は息も絶え絶えにゴールに近づきます。そこへルークがこれもまたよれよれの姿で追いついてきます。
二人は馬を降り、二人と二頭の馬は並んで歩いて、微笑みながらゴールするのでした。
それにしても、ジェームス・コバーンはいつも、どんな役でも、どうしてあんなに姿勢がいいのでしょう。