凸凹玉手箱

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映画『荒野の決闘』これぞ間違いなく西部劇のレジェンドです!!

この映画『荒野の決闘(My Darling Clementine)』は1946年に公開された、ジョン・フォード監督によった西部劇映画の古典的な作品です。主演はヘンリー・フォンダで、ヴィクター・マチュアが共演しています。OK牧場の決闘を題材とした、詩情溢れる西部劇の傑作として名高い映画です。

目次

 

 

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1.ストーリー

1)プロローグ

1882年、ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)、モーガン(ウォード・ボンド)、ヴァージル(ティム・ホルト)、ジェームズ(ドン・ガーナー)のアープ兄弟は、メキシコから数千頭の牛をカリフォルニアへ運んでいました。

途中、アリゾナのトゥームストーン近郊の平原で、ニューマン・ヘインズ・クラントン(ウォルター・ブレナン)と息子アイク(グラントウィザース)に出会い、牛1頭を5ドルで全て買い取りたいと言われるが、ワイアットはそれを断りました。

 

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その夜、アープ兄弟は末弟のジェームズを残し、近くの町のトゥームストーンに出かけました。

そこでワイアットは、暴れていた先住民の男を叩きのめしたため、町長(ロイ・ロバーツ)から保安官に誘われました。

ダッジ・シティで、名のある保安官だったワイアットでしたが、彼はそれに興味を示しませんでした。


キャンプに戻ったアープ兄弟は、牛がいなくなっていることと、その見張りをしていたジェームズが、何者かに殺されているのに気づきました。

ワイアットはクラントン一家を疑い、トゥームストーンに向かい保安官の職を引き受けたのでした。


2)諍い

その直後、クラントンとその息子達と出くわしたワイアットは、当分この町に滞在し、保安官になったことを伝えました。

クラントンは、無法の町となりつつある、トゥームストーンの保安官になったワイアットを笑い飛ばしますが、彼の名前を聞いて驚いてしまいます。

 

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弟の二人、モーガンとヴァージルを助手にして職務に就いていたワイアットは、町の実力者ジョン・ヘンリー”ドク”ホリデイ(ヴィクター・マチュア)の情婦のチワワ(リンダ・ダーネル)が、イカサマに加担したのに気づき彼女を懲らしめました。

その直後、町に戻ったホリデイは、酒場でワイアットと一触即発になるが、2人は不思議と気が合い、親交を深めるようにななりました。

ホリデイは、東部で育ち医者の教育を受けたのですが、肺結核にかかり、堕落して西部の辺境の地に流れ着いていたのでした。

その頃、旅芸人一座のシェイクスピア役者、グランヴィル・ソーンダイク(アラン・モーブレイ)が町に到着しましたが、町民が期待するソーンダイクが舞台に姿を現さず、ワイアットとホリデイが、酒場でクラントンの息子達にからかわれて芸を披露していた彼を見つけました。

ソーンダイクの芸にケチをつけるアイクだったが、学のあるホリデイはそれを制止し、彼の”ハムレット”の台詞に聞き入ってしまいます。

しかし、ホリデイは咳き込んでその場を立ち去り、ワイアットがソーンダイクを連れて行こうとしました。

アイクらがそれを阻止しようとしたため、ワイアットは彼らを叩きのめし、その場に現れたクラントンは、息子達の行為を、その場では謝罪し、その後、クラントンは息子達を鞭打ち、銃を抜いたら必ず相手を殺すよう彼らを戒めるのでした。


3)いとしのクレメンタイン

ある日、東部からホリデイを訪ねて、彼の許婚クレメンタイン・カーター(キャシー・ダウンズ)が町に到着します。

ホリデイは、生活環境や自分の病気のことなどを考え、彼女に東部へ帰るよう説得し納得させました。

その後、ワイアットは、クレメンタインほどの女性がいないとホリデイに伝え、堅気になって酒も止めるよう忠告しました。

しかし、ホリデイはそれを聞き入れず、自虐的になり酒場で発砲したため、ワイアットが彼を殴り倒しました。

数日後の日曜の朝、クレメンタインの存在を気にするチワワは、彼女が町を出るため荷造りをしていることに気づきました。

一方、チワワはホリデイにメキシコ行きに誘われたことで、上機嫌になっていました。

午後の駅馬車で旅立つ予定だったクレメンタインは、床屋に行ったばかりのワイアットを、建築費を集める集会も開かれている教会に誘いました。

集会では、教会建設の発起人ジョン・シンプソン(ラッセル・シンプソン)の挨拶と共に、参加者のダンスが始まります。

そして、床板しか出来ていない教会で、昔の純真さを思い出すかのように、ワイアットはクレメンタインとダンスを踊るのでした。

ジェームズの墓参りから戻ってきたモーガンとヴァージルは、いつにない表情で踊るワイアットを見て驚いてしまいました。

 

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4)下手人は

その後、ホリデイはクレメンタインが町を離れていないことを知り、人前で彼女を非難してしまいますが、ワイアットは、クレメンタインが町にいるのは自由だとホリデイに言い寄り、二人は衝突しました。

ホリデイは町を出てしまい、憤慨したチワワはクレメンタインに八つ当たりします。それを制止したワイアットは、チワワがつけていたペンダントが、ジェームズのものだと気づきました。ワイアットがそれをチワワに問い詰めると、ホリデイからの贈物だということでした。

ホリデイが、金塊輸送の護衛で、ツーソンに向かったことを知ったワイアットは彼を追いかけます。

ワイアットはホリデイに追いつき、銃を抜いてきた彼の拳銃を弾き飛ばし町に連れ戻しました。

チワワの元に向かった二人は彼女を追及して、ペンダントがビリー・クラントン(ジョン・アイアランド)から贈られた物だということが分かったのですが、その様子を見ていたビリーはチワワを銃撃して逃走し、彼を追ったワイアットは、ヴァージルに追跡の指示を出しました。

ホリデイが重傷のチワワの治療を済ませ、ワイアットは彼の腕を称え酒を酌み交わしました。

 

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5)決着

ビリーはワイアットの銃弾を受けていたため、牧場に戻ったところで息絶え、それを確認して引き上げようとしたヴァージルは、クラントンに背後から射殺されてしまいました。

その直後、ワイアットは、ヴァージルの遺体を町に運んできたクラントンから、”OK牧場”で決着をつけることを告げられました。

治療の甲斐もなくチワワは亡くなり、それを伝えたホリデイは、ワイアットとモーガンに加勢しようとします。

翌朝、ワイアット、モーガン、ホリデイ、そして町長とシンプソンを加えた5人はOK牧場に向かって、クラントン一家の4人と対決することになりました。

ワイアットは、ジェームズとヴァージルの殺害、そして牛泥棒の罪で、逮捕状が出ていることをクラントンに通告します。

二人とも自分が殺したと言い放つクラントンに続き、アイクがワイアットに歩み寄って射殺されました。そして、激しい銃撃戦が始まり、ホリデイが銃弾を浴び、クラントンは息子達を失いました。

ワイアットは、自分の父親と同じ苦しみを味わわせるために、クラントンを生かして追放しようとしましたが、隙を見て反撃しようとしたクラントンを、モーガンが倒し、ワイアットはホリデイが死んだことを知らされるのでした。


6)エピローグ

その後、目的を果たしたワイアットとモーガンは、故郷に帰るためにトゥームストーンを離れることになりました。

ワイアットは、町に残り学校の教師になるクレメンタインに、再び再会できることを願い別れを告げるのでした。

馬に乗ったワイアットは、クレメンタインに「私は、クレメンタインという名前が大好きだ・・・」ともう一言加え、原野の彼方へと消えていきました。

 

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2.四方山話

1)フォードの西部劇

ジョン・フォード監督作品の西部劇映画の中でも『駅馬車』と並んで、最高傑作と評されています。『駅馬車』が動の西部劇なら、『荒野の決闘』は静の西部劇との声もあり、平和でのどかな“日曜日の朝”の描写は秀逸でした。


2)「OK牧場の決闘」

本作は、同一事件を扱った他の映画作品とは違い、アクション映画というよりも、ドラマとしての色彩が強く、無法の街が平和を取り戻す過程に、東部から恋人の跡を追ってきたクレメンタインの想いと、ドク・ホリディの心情、その情婦チワワのやりきれなさ、クレメンタインに対するワイアット・アープの淡い恋心等を絡めて、西部開拓時代の様子が風情豊かに描かれています。


3)撮影

この映画の舞台はアリゾナ州のメキシコ国境近くのトゥームストーンですが、撮影場所はそこから北へ約770kmのユタ・アリゾナ両州にまたがった、ジョン・フォード西部劇御約束のモニュメントバレーです。モニュメントバレーはナバホ族居留地内にあり、フォードは25万ドルかけてそこにトゥームストンの町をそっくりセットとして建設し、長期ロケによる撮影に及びました。


4)フォードの落胆

製作開始時に、いわゆる「フォード一家」のエキストラたちに招集がかけられましたが、その中に応じない者達が居てフォードの不興を買いましたた。ところが、実は彼らが戦死したり負傷して身動きできない者たちであることを知らされ、フォードはひどく落ち込んだ、というエピソードが残されています。


5)2本のレジェンド映画

本作のメインは決闘かロマンスかとの疑念がつきまといますが、原題の「My Darling Clementine」からするとロマンスになります。一方、やはり同じ題材で有名な、1957年の作品『OK牧場の決斗』は、原題も「Gunfight at the O.K. Corral」とまんま決闘となっていますが、こちらもローラというヒロインがいて、妙に本作のクレメンタインを引きずっているようにも思えます。

 

 

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3.まとめ

友情、ロマンス、決闘、酒場の雰囲気、駅馬車の疾走、極めつけは、見事なまでに美しいモニュメントバレーなど、西部劇の醍醐味を網羅していて、今更ながらに極めつけであることを感じます。