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映画『OK牧場の決斗』これぞ名作ウエスタン!西部劇のレジェンドです!!

この映画『OK牧場の決斗(Gunfight at the O.K. Corral)』は、1957年のアメリカ合衆国の西部劇映画で、監督はジョン・スタージェスバート・ランカスターが伝説的保安官のワイアット・アープを、カーク・ダグラスが賭博師ドク・ホリデイを演じ、音楽はディミトリ・ティオムキンで主題歌をフランキー・レーンが唄っています。

1881年に実際に起こった、アリゾナ準州トゥームストーンでの銃撃戦(いわゆる「OK牧場の決闘」)を題材とした数々の西部劇映画のうちで最も有名といえる作品です。

 

目次

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1.ストーリー

1)エピローグ

かつて歯医者であったギャンブラーのジョン”ドク”ホリデイ(カーク・ダグラス)は、情婦ケイト・フィッシャー(ジョー・ヴァン・フリート)から、殺し屋のエド・ベイリー(リー・ヴァン・クリーフ)が現れたことを知らされます。

ケイトはドクと共に逃げようとしますが、彼は聞く耳を持たず、ベイリーと対決しようとしました。

町を訪れた、ダッジ・シティの保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドクがベイリーをじらしているのを知り、彼の元に向かいます。


2)ドクのナイフ

ワイアットは、アイク・クラントン(ライル・ベトガー)やリンゴ・キッド(ジョン・アイアランド)が、町を通ったということを聞いていました。

ドクに探りを入れたワイアットだったが、彼は何も語らず、ベイリーが、デリンジャーをブーツに隠していることを知らせました。

ようやく酒場に現れたドクは、ベイリーを難なくナイフで倒し、その後、ホテルの部屋に監禁されました。

 

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厄介者扱いされているドクが、リンチにかけられそうになったため、ワイアットは彼とケイトを町から逃亡させました。

その後、ダッジ・シティに戻ったワイアットは、ドクが現れたことを知り、彼に騒ぎを起こさないようにと警告する。


3)ローラとケイト

保安官補チャーリー・バセット(アール・ホリマン)から、町に女賭博師ローラ・デンボー(ロンダ・フレミング)が現われたことをワイアットは知らされました。

酒場に向かったワイアットは、騒ぎが起きる前に、ローラを拘留してしまいます。

しかし、ドクに説得されたワイアットは、ローラを釈放し、やがてワイアットは、彼女に惹かれていくのでした。

3人の銀行強盗がやって来ることを知ったワイアットは、加勢したドクと共に郊外で強盗を撃退します。

ある日、遠乗りをしていたローラと出くわしたワイアットは、彼女に自分の気持ちを伝えました。

その頃、ケイトは、自分に素っ気無い態度を取るドクを見限り、リンゴと親密になってしまいます。ドクはケイトを取り戻しに行き、リンゴに挑発されますが、その場は挑発に乗らず引き下がりました。

ワイアットはローラを遠出に誘い、彼女との愛を確かめ合いました。


4)それぞれの別れ

町では、リンゴと、評判の悪党シャンハイ・ピアース(テッド・デ・コルシア)が暴れだし、保安官補チャーリーがリンゴに撃たれてしまいました。

それを知ったワイアットは酒場に駆けつけますが、一人では勝ち目がありません、
そこにドクが現れ、一味を追い出すことに成功し、二人の奇妙な友情は深まっていくのでした。

ワイアットは、保安官を辞職してローラとカリフォルニアへ行き、結婚することをドクに伝え、一方、ドクは、自分の元に戻りたいというケイトを突き放してしまいました。

ワイアットは、幸い軽傷で済んだチャーリーに後を任せる準備を始めていましたが、兄ヴァージル(ジョン・ ハドソン)から援軍を求める電報が届きました。

反対するローラを押し切り、ワイアットはトゥムストーンへと向かい、ドクも彼の後を追いました。

 

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5)アープ兄弟とクラントン一味

トゥムストーンに着いたワイアットは、保安官のヴァージル、弟モーガン(ディフォレスト・ケリー)やジェームズ(マーティン・ミルナー)らと久しぶりの再会を喜びました。

町では、アイク・クラントン一味が我が物顔でのさばり、保安官ヴァージルらはそれを警戒していました。

ワイアットは、アイク側から買収されそうになるが、逆に、彼は銃の所持禁止令を突きつけ、騒ぎを抑えようとします。

それを知ったアイクは、仲間になったリンゴや弟のビリー(デニス・ホッパー)を引き連れて町に姿を現しました。

銃を所持していたアイクに警告を発したワイアットは、兄弟らと共に一味を追い返しました。


6)一触即発

そんな時、再びリンゴに接近したケイトが、トゥムストーンに姿を現しました。

ドクは、リンゴに寄り添うケイトを見て挑発に乗るものの、ヴァージルに説得されて町を出ることを決意し、それをワイアットに伝えるのでした。

翌日、酔いつぶれて町にいたビリーを連れて、ワイアットはクラント牧場に向かい、牧場に着いたワイアットは、ビリーを母親(オリーヴ・ケリー)に引き渡し、根は悪党でない彼を立ち直らせようとするのでした。

 

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町に戻ろうとしたワイアットは、戻ってきたアイクと出くわし、彼に銃を向けられます。管轄外を主張するアイクに対して、ワイアットは、自分が連邦保安官になったことを告げて彼を威圧しました。

仕方なくアイクは、ワイアットの兄弟との私的な戦いと見せかけるために、彼の弟ジェームズを暗殺してしまいました。


7)決闘前夜

弟の死を知り激怒したワイアットは、クラントンと決着をつけようとします。

ドクは、それがクラントンの罠だとワイアットに忠告しますが、冷静さを失った彼をドクは制止することができません。

ドクはケイトの元に向かい、ジェームズを殺したのがアイクらだということを白状させました。

ケイトを許せずに痛めつけようとしたドクでしたが、彼は、持病の肺病の発作が起きて咳き込んでしまい、意識を失いかけました。

その後ワイアットは、翌朝、兄弟達が待ち受けていることを、ビリーから知らされました。

ドクに助けを求めようとしたワイアットは、ベッドに横たわる彼を見て愕然とするのでした。


8)Gunfight at the O.K. Corral

意識を取り戻したドクはベッドから起き上がり、ただ一人の友人の元に向かいます。

その頃、アイクやリンゴ一味は”OK牧場”に到着し、敵を迎え撃つ準備を始めていた。

ドクはワイアットの部屋に現れ、ヴァージルとモーガンの待つ大通りへと向かいました。

4人は、アイクやリンゴ、トム・マクラウリー(ジャック・イーラム)兄弟ら6人が待つ”OK牧場”に到着しました。

そして銃撃戦は始まり、モーガンが撃たれ、アイクらも3人を失いました。さらに、ヴァージルが足を撃たれ、ドクも右腕に銃弾を受けました。

ついには、ワイアットがアイクを倒し、ドクはリンゴを追い射殺しました。

 

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9)エピローグ

生き残ったビリーは町に逃げますが、ワイアットは彼を見つけて、何とか命は助けようとする。しますが、説得を聞き入れずワイアットに銃をむけました。

そこに現れたドクがビリーを射殺し、無駄な死を目の当たりにしたワイアットは、拳銃とバッジを捨てるのでした。

その後、ワイアットはドクに感謝し、入院して節制するように忠告しました。

そしてワイアットは、ローラとカリフォルニアへ旅立つためドクに別れを告げるのでした。


2.みどころ

1)絶妙のポジション

決斗に向かう4人が、通りを横一線で進で行く格好良さ、そしてカメラの横に近づいた時には斜め横の腰よりも低い位置から見上げる構図となります。この時、ワイアット・アープがわずかに前に出ています。その迫力と緊迫感はガンファイト以上です。
素晴らしい演出で、このシーンは数え切れないくらい多くの作品にオマージュされています。


2)西部劇とは

本作は、西部劇の男の世界を描いています。西部劇が日本で言うところの時代劇や任侠もののお約束の世界であることが良くわかり、本作を観るとアメリカ人流の任侠とはこういうものかと感じることができます。ジョン・スタージェス監督がそこに力を入れて撮っている作品です。


3)ドク・ホリデー

カーク・ダグラスのドクのキャラクターが立ち過ぎて、主人公であるはずのバート・ランカスターが霞んでしまっています。内面はともかく、スマートな知的で凛としたいで立ちは、以後のドクを描くには、本作でのドクの衣装でないと、今では誰もドクとは認められなくなってしまったようです。


4)音楽

音楽は、ディミトリ・ティオムキンで、西部劇とは真逆の人で大丈夫か?と思いきや、いきなり小気味良いフランキー・レーンの主題歌で鼻をあかされてしまいます。後年のマカロニウエスタンのエンリオ・モリコーネに影響を与えているというかこれが出発点でしょう。劇伴も本作に重厚感を与え、何より品をもたらしています。


5)お手本

さすがアクション映画を撮らせたら当時第一人者のスタージェス監督です。素晴らしい名シーン、名構図のオンパレードは、後年の西部劇、アクション映画の元ネタの宝庫と言えるでしょう。
特にマカロニウエスタンは本作が無ければ生まれていなかったかも知れないぐらい計り知れない程の影響を与えています。
その事を知らなければ観たことあるシーンばかりの新鮮味のない映画と逆の感想になってしまいます。

 

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3.まとめ

本作での、カーク・ダグラスは、精悍で整った険しい面構えも、他を圧倒する迫力で、ワイアットと微妙に距離を置いた友情や、その一瞬に命を懸ける男を見事に演じ、ロマンを感じさせてくれるました。

アナーキーな魅力と味のあるドクの役はどうしても語りたくなってしまい、ワイアットを食ってしまうのは、致し方ないのかもしれません。