凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ヒート』大物アカデミー賞スターの競演です!!

この映画『ヒート』(Heat)は、1995年のアメリカ合衆国の映画で、監督はマイケル・マンアル・パチーノロバート・デ・ニーロが共演しています。

目次

 

 

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1.プロローグ

本作品はマイケル・マン監督が過去に自身で監督したTV映画『メイド・イン・LA』(1989年)の壮大なリメイク作品です。『ゴッドファーザー PART II』以来で初のアル・パチーノロバート・デ・ニーロの共演作品です。

もちろん、トップはこの2人ですが、さらに、『トップ・ガン』で「アイス」のヴァル・キルマー、『帰郷』で「ルーク」のジョン・ヴォイト、『プライベート・ライアン』で「ホーヴァス軍曹」のトム・サイズモア、『ジェロニモ』のウェス・ステュディ、『レオン』のナタリー・ポートマン、ほかに、『24』でデイビッド・パーマー大統領役のデニス・ヘイスバート、『コレクター』で「ケイト」のアシュレイ・ジャッド等々の名だたる名優が列挙しています。


2.ストーリー概要

敏腕ながら仕事に疲れて一般的な家庭生活が送れない刑事ヴィンセント(アル・パチーノ)。冷徹無比なるが故に孤独な犯罪組織のボス、ニール(ロバート・デ・ニーロ)。追う者と追われる者の虚々実々の駆け引きとせめぎ合い。やがて二人はそれぞれの抱える孤独のうちに、奇妙な共感を覚えます。だが彼らには避けては通れない運命の直接対決が待ち受けていました。

 

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3.共演

アル・パチーノロバート・デ・ニーロとは様々な焦点から比較対象にされています。具体的な理由と経緯は不明ではありまあすが、世代が近いこと、ニューシネマで名をはせたこと、『ゴッドファーザー PART II』で父子役を務めたこと、さらに共にイタリア系アメリカ人である事が推測されますね。

アル・パチーノとデ・ニーロとは第67回アカデミー賞授賞式において作品賞のプレゼンターを務めましたが、その際二人は『ゴッドファーザー』の「メインテーマ」に乗って壇上に登場しました。

一時は共演作がなく、『ゴッドファーザー PART II』では直接の共演はなかったことや、メディア及びファンが2人を最大のライバルであると捉えた影響から不仲と噂されたましたが、この作品における初共演は大きな話題を呼び、大ヒットを記録しました。

その後も公の場でツーショット写真が撮影されるなど仲は良く、その後、2008年公開の『ボーダー』や2019年にNetflixで配信された『アイリッシュマン』で再共演しています。


4.デニーロ・アプローチ

1972年に公開された『ゴッドファーザー』でソニーやマイケル役のオーディションを受けたが落選ましたが、監督のフランシス・フォード・コッポラはデ・ニーロの演技力を高く評価し、続編の『PART II』では若きドン・ヴィト・コルレオーネの役を割り当てました。

デ・ニーロは、この役を演じるためにわざわざシチリアまで赴いてシチリアなまりのイタリア語をマスターした後、マーロン・ブランドのしゃがれた声を真似るために必死の練習をしたといいます。その演技は評判となってアカデミー助演男優賞を受賞しました。

アカデミー主演男優賞を受賞した『レイジング・ブル』では体を鍛え上げボクサー役を演じた後、老いた主人公を演じるために体重を20キロ増やしました。このようなデ・ニーロ流の徹底した役作りはデニーロ・アプローチと呼ばれるようになり、彼の代名詞となりました。


5.銃撃シーン

数ある映画の銃撃戦シーンですが、その中でNo.1銃撃戦は?と聞かれたら、まず『ヒート』が浮かんできます。迫力も臨場感も一線を画しています。

役者陣は当然ながら撮影前に射撃練習を体験させ、銃撃音は実際の音を収録で、作中に銃撃戦は1回しかないのですが、それだけにこそ質であったり臨場感だったりが際立ってくるのでしょう。

 

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6.アナザー・キャスト 

アル・パチーノロバート・デ・ニーロの時点でもすごいですが、大物ジョン・ヴォイトも出ています。言わずもがなのアンジェリーナ・ジョリーの親父です。

 

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急遽運転手として仲間に加わった黒人が『ミスター・ベースボール』「ハマー」役のデニス・ヘイスバートと結びついたときは衝撃でした。

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最初の強盗のターゲットになったヴァン・ザント:『プリズン・ブレイク』でFBI捜査官アレクサンダー・マホーン役のウィリアム・フィクトナーは『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』で将軍から大統領に出世しました。

 

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ナタリー・ポートマンは『レオン』の衝撃デビュー後の2作目映画が本作で、そこまで露出は多くないものの、やはり上手いものです。『スターウォーズ エピソード1・2』でアミダラ女王となって異次元の人になりました。

 

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のちに有名になるアシュレイ・ジャッドは、今作で注目度が上がり評価されることになりました。夫役のヴァル・キルマーに対して、“右手をスッ”と動かして警察の存在を暗示するシーンは実に印象深いものでした。

 

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7.まとめ

 当時はアル・パチーノロバート・デ・ニーロの共演作品ということで大きく宣伝していましたが、今になっての鑑賞では、役者ありきで映画を作ったように思えてしまいます。

しかしながら、幾多の俳優が出ているのを観るだけで少しく心が騒いだ映画ではありました。