凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』ジェームズ・コバーンに拍手です!!

 

この映画、原題が「PAT GARRETT & BILLY THE KID」としており。パット・ギャレットとビリー・ザ・キッドの物語です。オープニングのスタッフ・ロールでは、パット・ギャレットを演じるジェームズ・コバーンが一番先に出てきます。

 

そう、この映画は邦題が『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』なのですが、どちらかと言えば「パット・ギャレット/58才の生涯」と言ってもいいくらいの比重で描かれています。

 

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もちろん俳優としてのキャリアも実力も遥かに優位なジェームズ・コバーンクリス・クリストファーソンより先にくるのは何の不思議もありませんが、物語の内容もパット・ギャレットの物語と言ってもまた不思議はありません。

 

「西部劇最後の巨匠」であるサム・ペキンパー監督が、西部に実在したアウトロービリー・ザ・キッドの生涯の最後を親友であり宿命のライバルであったパット・ギャレットとの関係で西部開拓時代の終焉を再現した傑作ウエスタンといえます。

 

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巨匠サム・ペキンパー監督作品というためか、名だたる名優が割拠しています。また、ミュージシャンもクリス・クリストファーソン繋がりかどうかわかりませんが、ボブ・ディランの音楽担当をはじめ役者として多数登場します。

 

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この映画での役名と俳優名と出演映画をあげてみました。バイプレイヤーが多いので出演作は数限りなく、目についた作品を列挙しましたが、この映画の出演者がアメリカ映画を支えてきたといっても過言ではないでしょうね。

 

パット・ギャレット⇒ジェームズ・コバーン⇒『荒野の七人』『電撃フリントGO!GO作戦』
ルー・ウォレス⇒ジェイソン・ロバーズ⇒『トラ・トラ・トラ! 』『大統領の陰謀
アラモサ・ビル⇒ジャック・イーラム⇒『真昼の決闘』『OK牧場の決斗
キップ・マッキニー⇒リチャード・ジャッケル⇒『特攻大作戦』『デルタフォース2』
コリン・ベイカー⇒スリム・ピケンズ⇒『ダンディー少佐』『トム・ホーン』
ブラック・ハリス⇒L・Q・ジョーンズ⇒『ダンディー少佐』『マスク・オブ・ゾロ 』
ルーク⇒ハリー・ディーン・スタントン⇒『暴力脱獄 』『グリーンマイル
ボブ・オリンジャー⇒R・G・アームストロング⇒『昼下りの決斗』『エル・ドラド 』
チャーリー⇒チャールズ・マーティン・スミス⇒『アメリカン・グラフィティ』『アンタッチャブル
レミュエル⇒チル・ウィルス⇒『ジャイアンツ 』『アラモ』
パコ⇒エミリオ・フェルナンデス⇒『続・荒野の七人』『ワイルドバンチ
チザム⇒バリー・サリバン⇒『西部の対決』『夕陽に向って走れ』

 

ビリー・ザ・キッドクリス・クリストファーソン⇒ロック、カントリー&ウエスタン
エイリアスボブ・ディラン⇒ロック、フォーク、ブルース、カントリー、ホワイト・ゴスペル
マリア⇒リタ・クーリッジ⇒ポップス、ロック、民族音楽、ジャズ
ビーヴァー⇒ドニー・フリッツ⇒スタジオ・ミュージシャン

 

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バイオレンス・アクションの天才サム・ペキンパーの作品の中では地味な仕上がりの部類に入ると思いますが、この時代に奔放に生きた一人の若者をあますところなく表現しています。

また、ビリーの心情をよく理解していながら、結局彼と対決せざるを得ない保安官パット・ギャレットをジェームズ・コバーンが持ち前のハードボイルドタッチで渋く演じて、「ロスト・ウエスト」の哀感をみごとに描いています。