映画『ロビン・フッド(1991年)』よくできたイギリスの娯楽時代劇です?!
映画『ロビン・フッド(Robin Hood: Prince of Thieves)』は、中世イングランドの伝説の義賊ロビン・フッドがシャーウッドの森に潜んだ仲間と共にノッティンガムの悪代官を懲らしめる有名な冒険活劇です。
目次
1.紹介
ケビン・コスナーのチャーミングな魅力を楽しめる作品で、数あるロビン・フッド作品の中でも最も娯楽性が高い作品です。
また、アラン・リックマンが悪代官をエキセントリックに演じて、『ダイ・ハード』続いて魅力的な悪役像を作り上げています。
モーガン・フリーマン扮するアジームのイスラム教への信仰がしっかり敬意を持って描かれていのも注目です。
2.ストーリー
1)プロローグ
リチャード王率いる十字軍の遠征に参加したロクスリーのロビン(ケビン・コスナー)はイスラム教徒に捕らわれてしまいます。ロビンは腕を切り落とされそうになりますが、隙を突いて看守を殺し、同じく捕囚となっていたアジーム(モーガン・フリーマン)を道案内人にして、牢獄から脱走しました。
アジームは命を救われた恩を返すまでロビンに付き添うと言い張り、2人は共にイングランドまで戻って来きました。
2)帰郷
ロビンは道中で代官の手下に追われていた少年を助けます。
領土に辿り着いたロビンは領土に辿り着きますが、城は焼き払われており、父親はノッティンガムの代官(アラン・リックマン)の手で無残に殺されていました。
代官は魔女モーティアナ(ジェラルディン・マクイーワン)からロビンとアジームを殺さなければならないと告げられます。
ロビンは王家の血を引く幼馴染みのマリアン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)に会いに行き、一緒に捕らわれていたマリアンの兄の形見を渡しました。
そこに代官の追っ手がやって来たために、ロビンとアジームはマリアンの馬を借りて逃げます。そして、シャーウッドの森の中に逃げ込むことにしました。
そこは幽霊が出ると人々から恐れられていた場所でした。代官の追っ手は仕方なく追跡を諦めるのでした。
3)シャーウッドの森
幽霊の正体は森に潜む農民の盗賊団が仕掛けた罠でした。
ロビンとアジームは森の中で盗賊団に遭遇します。ロビンは盗賊団を率いるリトル・ジョン(ニック・ブリンブル)と棍棒で対戦し、相手を降伏させました。
実はロビンが以前に助けた少年はリトル・ジョンの息子でした。ロビンは盗賊団の仲間に迎え入れられますが、盗賊団のメンバーのウィル・スカーレット(クリスチャン・スレーター)だけはロビンの名を聞くと不快な表情を浮かべました。
ロビンはこっそり日曜礼拝に顔を出し、マリアンと言葉を交わします。その後、代官と遭遇してしまいますが、ロビンは代官の顔を切りつけ、代官の馬を奪って逃げ去りました。
ロビンを見つけ出すために、代官は農民の村を焼き払います。大勢が森に逃れて来て、ウィルはロビンを代官に突き出すことを提案しますが、ロビンは代官と戦うことを農民に呼び掛け、皆に訓練を施しました。
そしてロビンと仲間達は森の中を通る代官の手下が運ぶ金貨や財宝を奪い、貧しい人々に分け与えます。そしてある日、ビールを愛するタック修道士(マイケル・マクシェーン)と代官の手下の一行を襲撃し、修道士を仲間に加えました。
4)裏切り
マリアンがロビンに会いに森までやって来ます。ロビンはマリアンに隠れ家を見せ、代官がリチャード王への謀反を目論んでいることを説明しました。
その夜、アジームは逆子を無事に取り上げ、修道士の尊敬を買います。隠れ家は祝賀ムードに包まれ、ロビンはマリアンと踊りを楽しみました。翌朝、マリアンは去り際にロビンとキスを交わしました。
マリアンはリチャード王に警告の手紙を送りますが、それを代官に奪われてしまいます。更に魔女が、世継ぎを王族にするためにマリアンと結婚するようにと代官を唆しました。
代官はマリアンを拉致した上、ケルト人を雇って、ロビンの隠れ家への総攻撃を仕掛けます。
ロビンは仲間達とケルト人部隊を撃退しますが、代官の手下が森に火を放ったために隠れ家は全焼します。そしてウィルやリトル・ジョンの息子ら仲間達が捕らわれてしまいました。
代官は人質となった子供達の命を救う代わりに結婚するようにマリアンに迫ります。代官はロビンの仲間を拷問に掛け、ロビンの隠れ場所を聞きだそうとします。ウィルはロビンを仕留めるために裏切ることを申し出ました。
5)大逆転
ロビン達が死んだ仲間達を埋葬していたところにウィルが現れます。裏切り者として疑いの目を向けられたウィルは自分がロビンの父親の私生児であることを明かしました。
実はロビンの異母兄弟だったのです。ロビンはウィルを抱擁し、皆で最後まで戦う決意を固めるのでした。
一方、代官は魔女が実の母親であったことを知ります。捕らわれた仲間達の処刑が行われることになり、ロビンはアジームやリトル・ジョンを引き連れ、救出に向かいました。
仲間達が処刑台に連れ出されてきます。その中にはリトル・ジョンの息子もいました。
ロビンが処刑台の縄を射貫き、息子を助けます。更にアジームが火薬を爆発させて、処刑場内をかく乱し、リトル・ジョンが処刑台を押し倒して皆を救いました。
そしてロビンとアジームは城内に逃げた代官とマリアンを追います。代官はマリアンとの強引に婚姻しようとしますが、そこにロビンが駆け付け、剣闘の末に代官を殺しますた。
魔女がロビンの命を狙いましたが、アジームが魔女を仕留めました。
6)エピローグ
ロビンとマリアンは森の中で結婚式を挙げることになりました。そこに、リチャード国王(ショーン・コネリー)も姿を見せ、2人を祝福しました。
3.四方山話
1)評価
数あるロビン・フッド作品の中でも最も娯楽性が高く、製作費の4千8百万ドルに対し、興行収入3億9千万ドルをたたき出す大ヒットとなりました。
しかしながら、第64回アカデミー賞主題歌賞にノミネートされたものの、第12回ゴールデンラズベリー賞では最悪主演男優賞受賞を貰っています。
2)放映権
本作は国内での放映権を持つ配給会社が不明で、長らくテレビ放送されない期間がありました。2021年に配給会社が見つかり、放映権を獲得した複数のBS、CS放送での再放送が行われました
4.まとめ
中世のヒロイックものとしてライトでバランスに優れ、観ていて快活な作品です。ケビン・コスナーの演技も最も脂が乗って素晴らしく、衣装などの時代考証もしっかりしています。
ただ、アラン・リックマンの悪役代官ぶりは『ダイハード』に勝るとも劣らない演技で、盗賊の仲間を処刑されるときの狂気に満ちた顔が最高でしたが、その後の無理矢理の結婚式がコメディになってしまいました。