凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『めぐり逢えたら』ちよっと昔の大ヒットしたラブコメです!!

この映画『めぐり逢えたら(Sleepless in Seattle)』は、ノーラ・エフロン監督、トム・ハンクスメグ・ライアン主演による、1993年のアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画です。

本作は1957年の映画『めぐり逢い』にヒントを得ており、重要なシーンとそのテーマ曲が引用されています。

また後に、脚本・監督ノーラ・エフロン、主演のトム・ハンクスメグ・ライアンの同じ顔合わせで、『ユー・ガット・メール』が1998年に公開されこちらも大ヒットしました。

目次

 

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1.ストーリー

1)プロローグ

シアトルに住む建築家サム・ボールドウィントム・ハンクス)は最愛の妻を亡くし、落ち込むばかりの毎日を過ごしていました。

そんな父親の姿を見ていた息子のジョナ(ロス・マリンジャー)は、新しい妻を見つけてあげようとラジオの相談番組に電話をかけます。

 

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サムは内緒で番組に電話をしていたジョナを見つけ、受話器を取り上げますが、DJに今の心境を語ることになってしまいました。


2)大きな反響

それが全米に放送され、サムの誠実な人柄に感動した女性達から、交際希望の手紙がたくさん送られるようになります。ボルチモアに住む新聞記者アニー・リード( メグ・ライアン)もそのラジオを聞いて感動した一人でした。

 

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アニーには婚約者がいて、充実した日々を送っていましたが、会った事もないサムのことがどうしても気になり、同じく番組のリスナーであったアニーの友人ベッキー(ロージー・オドネル)の励みを受け、取材と称してシアトルへ会いに行くことになりました。

シアトルについたアニーは、海岸で遊ぶサムとジョナを見つけました。道路を横断して近づこうとしたとき、トラックのクラクションでサムがアニーの方を向き、アニーと目が合いましたが、挨拶だけで終わってします。

何気ない挨拶でしたが、サムは名前も知らないアニーに何かを感じるのでした 再びサムを訪ねようとしたアニーでしたが、そこへサムの友人のスージー(リタ・ウィルソン)が訪ねて来たのを目撃し、彼女をサムの恋人だと勘違いしてしまいます。

シアトルから戻ったアニーは、挨拶しかできなかった事に落ち込んでいました。


3)アニーへの手紙

一方、シアトルでは毎日届く女性達からの手紙の中に、アニーがサムへ宛てて書いた手紙が届けられ、それを読んだジョナは、会った事もないアニーの手紙が気に入ってしまいます

ジョナは、サムの反対を押し切り、バレンタインデーにエンパイア・ステイト・ビルで会おうという内容の返事をアニーに勝手に書いてしまいました。

ジョナはどうしても動かないサムに痺れを切らし、女友達のジェシカ(ギャビー・ホフマン)の助けをかりて、一人でニューヨークへと旅立ってしまうのでした。

ニューヨークについたジョナは、約束のエンパイア・ステイト・ビルに行き、展望台で女性達に声をかけ、アニーを探し回っていました。

そして、家にジョナがいないことを知ったサムは、ジョナがエンパイア・ステイト・ビルに向ったことを察知し、自分もニューヨークへと急行します。


4)エンパイア・ステート・ビル

その頃、エンパイア・ステート・ビルを望むレストランで、婚約者のウォルター( ビル・プルマン)と食事をしていたアニーでしたが、シアトルでの出来事を正直に話し、婚約の解消を求めました婚約者は、わだかまりがあるまま結婚することに問題があることを認め、婚約解消を受け入れました。

そんな2人の視線の先にある、エンパイア・ステイト・ビルの明かりがハート型に照らされると、「これはサインだわ」と運命を感じたアニーは、そのビルへと向ったのです。

アニーが急いでたどり着いたビルは、展望台への入場を終了した後でしたが、係員の好意で展望台へとエレベーターで上がって行きました。

シアトルから追いかけてきたサムは、ジョナを展望台で見つける事ができ、安堵して抱きしめます。運命の女性だと信じていたアニーを見つけられずに落ち込むジョナは、サムとともにエレベーターを下り、その時アニーと入れ違いになってしまうのです。

アニーが展望台へ行くと誰もいませんでいたが、誰かが忘れていった子供用のリュックを見つけ、そこに佇んでいると、忘れ物に気づいて戻ってきたサムとジョナが、アニーとめぐり逢うことができたのでした。

サムは以前に会った女性である事を思い出し、3人はあらためて挨拶を交わし、連れ立ってエレベーターを下りました。

 

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2.挿入歌

この映画では、至る所で『めぐり逢い』へのオマージュが感じられます。アニーが手紙を書くシーンでは、『めぐり逢い』のビデオが映っているし、アニーがエンパイアステートビルに向かって走るシーンでは「めぐり逢い」のテーマ曲「An Affair To Remenber」が流れます。

ストーリー的には『めぐり逢い』にははるかに及びませんが、挿入歌が素晴らしく、みごとにシチュエーションを盛り上げます。

オープニングの曲は「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(時の過ぎゆくまま)。エンディングは「メイク・サム・ハッピー」。オープニングとエンディングにジミー・デュランテの曲を持ってくるのが洒落ています。


そのほかにも名曲がずらり。クレジットされていたのは全部で22曲でした。

(クレジット順、原文のまま)

「When I Fall In Love」 Celine Dion and Clive Griffin
「Take Me Out To The Ball Game」
「In The Wee Small Hours Of The Morning」 Carly Simon
「As Time Goes By」 Jimmy Durante
「Back In The Saddle Again」 Gene Autry
Sleigh Ride/Jingle Bells」
Sleigh Ride
「Jingle Bells」 Roy Rogers
「An Affair To Remember"
「We Wish You A Merry Christmas」
「The Proposal」
Over The Rainbow」 Ray Charles
「Bye Bye Blackbird」 Joe Cocker
「Jeepers Creepers」
「A Wink And A Smile」 Marc Shaiman and Ramsey McLean
「Auld Lang Syne」 Guy Lombardo
Empire State Montage」
「Stardust」 Nat King Cole
「Stand By Your Man」 Tammy Wynette
「Makin' Whoopee」 Dr. John
「A Kiss To Build A Dream On」 Louis Armstrong
「Make Some Happy」 Jimmy Durante


3.よもやま話

1)邦題

『めぐり逢い』の場面は度々登場し、ドラマチックな内容が紹介されているため、そちらにも興味がそそられます。
また、原題の「Sleepless in Seattle」は如何にも味気なく、邦題は明らかに『めぐり逢い』をパクリ見事に成功しました。


2)ウォルター役

ビル・プルマンは、サンドラ・ブロックの「あなたが寝ている間に・・・」(1995年)など多くの映画に出演していますが、やはり印象的なのが「インデペンテンス・デイ」(1996年)のホイットモア大統領役です。あの最後の出撃前の名演説はすばらしいものでした。

 

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3)ラブシーン

恋愛映画にも拘らず、途中、道路を隔てた出会いはあるものの、主人公の二人が寄り添う場面はラストのわずか2分だけという、手法と展開が画期的で独創的です。
その、二人が結ばれていく過程を巧みに描き、脚本も兼ねたノーラ・エフロンの演出は秀逸と言わざるを得ません。


4)演技派へ

半年後に公開される「フィラデルフィア」(1993年)で、この年のアカデミー主演賞を獲得し、若手コメディアンの域を脱し、演技派へと飛躍する、トム・ハンクスの人気が、ブレイクした作品でもあります。

 

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4.まとめ

まさに運命的な純愛のストーリーではありますが、8歳のこどもに際どい下ネタを言わせたり、サムの女性遍歴を聞かせたり、そのアンバランスが絶妙です。ロマンチック・コメディーとは良く言ったものです。