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映画『ジャンヌダルク』伝説の英雄をリアルに描いています?!

この映画『ジャンヌ・ダルク』は、1999年に公開されたフランス・アメリカ合作の歴史映画です。リュック・ベッソン監督、ミラ・ジョボヴィッチ主演で、ジャンヌ・ダルクの誕生から処刑までを描いた伝記映画です。

目次

 

 

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1.プロローグ

フランスを救い、シャルル7世の戴冠に貢献したことから、ジャンヌは西洋史上でも有名な人物の一人となっています。ナポレオン1世以降、フランスでは派閥を問わず、多くの政治家たちがジャンヌを崇敬しているといわれ、世界的に著名な作家、映画監督、作曲家たちがジャンヌを主題とした作品を制作しています。

このフランスの英雄として扱われてきたジャンヌ・ダルクを一人の少女という視点から描いた映画で、全体を通して宗教と神の存在を絡めながら進行ますが、同時にジャンヌは神の使いではないと否定的に描いています。

また、作中にたびたび登場する攻城シーンは大規模であり迫力もあって、娯楽大作としても高く評価されました。一貫して当時の風俗や状況をリアルに描いており、今風の残酷シーンなども随所にでてきます。


2.あらすじ

15世紀、英仏百年戦争下のフランスの小さな農村に生まれた信仰深い少女ジャンヌ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は17歳を迎えて神の声を聞きました。

シノンの城で王太子シャルル(ジョン・マルコヴィッチ)に謁見し、自分は神の使者だと語るジャンヌに国母ヨランド・ダラゴン(フェイ・ダナウェイ)と重臣らは不安を抱きつつも、彼女に軍を率いることを許しました。

 

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白い甲冑に身を固めたジャンヌはデュノア伯ジャン(チェッキー・カリョ)らが待つ前線に向かい兵士を鼓舞し、みごとに勝利しました。英国軍との激戦のさなか、ジャンヌは矢に胸を貫かれながらも命をとりとめ、英国軍を退却させました。

この勝利で王太子はシャルル7世として即位します。その間もジャンヌは進撃を続けたましが、ヨランドらはジャンヌの人気を危惧し、彼女を裏切って敵に売ろうとしていました。

徐々に孤立していったジャンヌは、やがてシャルルや王家の人々によって「魔女である」として捕縛されます。困惑しながら、幻想の中で神に救いを求めていると、目の前に謎の男(ダスティン・ホフマン)が表れます。

過去に自ら神のように振る舞ったこと、全知全能の神がジャンヌを求める必要がどこにあるのだと問いかけますが、それでもジャンヌは自分が神の使者であること、神が救ってくれることを信じていました。

異端審問でもその姿勢は変わらず、牢獄の中で神に祈りを唱えていると、再び謎の男が表れて「神が本当にお前を必要としたのか?」と問いかけます。そして、ジャンヌは狼狽しながらもドンレミ村で神の姿を見た後現れた剣こそ神の徴だと訴えます。

しかし謎の男は物事の原因は無限にあり、剣が突然現れたのもただの偶然でしかなく、事実を見たのではなく見たかったことを見ただけだと答えます。

ジャンヌがお告げだと信じていたことは凡てジャンヌの願望であり、幻想だったのでした。

そしてジャンヌは広場に設けられていた処刑場にいました。異端審問の結果。ジャンヌは数多くの重罪を犯した異端者としての火あぶりの刑を命じられます。

最後まで神が救ってくれることを信じましたが、多くの観衆が見守る中、ジャンヌは魔女として火あぶりにされるのでした。

 

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3.エピローグ

ジャンヌはブルゴーニュ公国軍の捕虜となり、身代金と引き換えにイングランドへ引き渡されたのですが、イングランドと通じていたボーヴェ司教ピエール・コーション(ティモシー・ウェスト)によって「不服従と異端」の疑いで異端審問にかけられました。

最終的に異端の判決を受けたジャンヌは、1431年、19歳で火刑に処せられてその生涯を終えました。

1451年、ルーアンを開放したシャルル7世は、ジャンヌの裁判やり直しを命じ、 復権裁判が開始されました。そして、でたらめな裁判の実態が次々と明らかにされ、1456年7月、彼女の無罪が宣告されました。フランス全土は喜びに沸き、中でもオルレアンの熱狂ぶりは頂点に達しました。

その後ジャンヌのことはオルレアン以外の町では忘れ去られましたが、時代が過ぎてフランス革命後の国家存亡の危機に、フランス国民は救国の少女を思い出しました。

そして1920年に、ローマ教皇ベネディクトゥス15世は、オルレアンの少女を、聖ジャンヌダルクとして聖人の列に加えました。ジャンヌの死後、489年が過ぎていました。

 

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4.まとめ

女性を描いて定評のあるリュック・ベッソンが『レオン』や『ニキータ』のように
ひとりの少女を描いた作品という感じもします。

気の狂ったねぇちゃんにも見えないこともないし、神に従順だった女の子にも見えるし、なにか、宗教へ盲信することの危険性を解いてるような気もします。

迫力の戦闘シーン、ジャンヌの心情の描き方、宗教裁判の流れ、映像表現など「史劇」の雰囲気が器用にとられてるのはさすがベッソンって感じでした。