凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ライフ』レジェンド『エイリアン』の衣鉢を継ぐ宇宙サスペンス・ホラーです!!

この映画『ライフ(Life)』は、2017年にアメリカ合衆国で公開されたSFホラー映画です。監督はダニエル・エスピノーサ、主演はジェイク・ジレンホールが務めました。

目次

 

 

 

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1.ストーリー

1)プロローグ

国際宇宙ステーションISS)火星ピルグリム7計画の初日に、6人のクルーは、損傷した火星探査機・ピルグリムを回収しようとしています。陽気な航宙エンジニアのローリー(ライアン・レイノルズ)が船外に出て、ISSの軌道修正を行いました。ISSピルグリムとの衝突をすれすれのところで回避し、サンプル(火星の土)の回収に成功しました。


2)カルビン登場

宇宙生物学者のヒュー(アリヨン・バカレ)が、回収したサンプルを研究していると、土の中に単細胞が発見される。細胞は動いていいませんでしたが、ヒューが温度を変えるなど試行錯誤し、原生代の地球の環境に近づけてみると、それは動き始めました。

 

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司令官のキャット(オルガ・ディホヴィチナヤ)は、地球と繋がれた中継で、アメリカの子供たちの質問に答えている。そこで、とある小学校の少女が、初めて発見された地球外生命体を「カルビン」と名付けると発表しました。

医師のデビッド(ジェイク・ジレンホール)は、軍医だったころのトラウマを抱え、地球より宇宙が好きだといいます。彼は473日間ISSに滞在しており、検疫官として派遣された新人クルーの女医ミランダ(レベッカ・ファーガソン)は、彼の体調を気遣っています。


3)カルビンの攻撃

計画開始12日目に、単細胞が集団となり動き始める。カルビンは、全身が筋肉、脳、目であることが分かりました。

クルーが団らんをしている中、ベテランのシステム・エンジニアであるショウ(真田広之)は、出産間近の妻とテレビ電話をしており、娘のメイが生まれました。

 

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計画開始25日目、ヒューがラボの扉の点検ミスを犯し、ラボの気圧が変化します。それからカルビンは動かなくなってしまいました。カルビンを目覚めさせるため、ヒューが電流で刺激を与えると、カルビンは突然動き出し、電流の装置を壊しました。ヒトデのような形に成長していたカルビンは、ヒューの手に乗っかってしまい、ラボの外にいるクルーは、助けたくても安易に中に入れません。

 

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カルビンはヒューの手を強く締め付け、ヒューは気を失いました。箱の外に逃げたカルビンがラットを絞め殺している隙に、クルーはヒューを救出しましが、一番最後に部屋を出ようとしたローリーの脚にカルビンが巻き付いてしまい、一人だけラボの中に取り残されてしまいました。

 

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ローリーが火炎放射器でカルビンを焼却駆除しようとしましたが、カルビンの動きは速く、駆除する前に燃料が切れてしまいました。カルビンはローリーの口の中に入り、彼を殺してしまいました。


4)キャットの犠牲

ローリーを殺して大きくなったカルビンは、スプリンクラーの隙間からラボの外に逃げました。

管制塔との通信が途切れ、修理のためにキャットが船外へ出ると、冷却材が空になっていました。キャットが船内へ戻ろうとすると、彼女の宇宙服にカルビンが飛びついてきて、冷却システムが壊れ、キャットのヘルメットの中に水分が出てきました。
デビッドがキャットを助けに向かいましたが、彼女は自分の命よりもカルビンを船内に入れないことを優先し、扉のバルブを閉めたのでした。

意識を取り戻したヒューが、空気がなければカルビンは冬眠するはずだと言い、カルビンがスラスタから船内に入るのを許して、クルーは一つの部屋に集まって船内の空気を抜き始めました。

空気を抜き終わるのを待っていると、突然ヒューが心停止します。カルビンがヒューの足に喰らいつき身を隠して生存していたのです。デビッド、ミランダ、ショウは部屋から逃げ、カルビンに狙われたショウは、睡眠用の個室に入りました。個室の扉を開けられなかったカルビンは、諦めてどこかへ行ってしましました。


5)ショウの最後

デビッドとミランダは、ヒューのセンサーを飲み込んだカルビンの居場所がモニターに映ることに気づきました。彼らは、カルビンをザーリャという部屋に隔離しました。

ISSに向かって救命艇がやって来ましたが、それが結合したのはザーリャでした。さらにミランダによると、救命艇はカルビンを地球に持ち込まないよう、ISSを宇宙の彼方に葬るために来たのだと説明しました。

そんなことも知らないショウは、娘に会うためザーリャへ向かいましたが、ショウは結合部でカルビンに捕まり、救命艇はISSから離れていきました。
デビッドとミランダがショウの腕を掴んで助けようとしましたが、ショウは外に落ちて行き、カルビンは船内へ残ってしまいました。


6)絶望の最後

デビッドは、酸素を欲しているカルビンを酸素の棒で救命艇Aに誘い出し、デビッドの合図を受け、ミランダは救命艇Bに乗り込み、地球に向かって出発しました。

 

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ミランダを乗せた救命艇は、宇宙ゴミに当たって宇宙の彼方へ飛ばされてしまいました。念のために「カルビンに4人が殺された。地球を守るために生命を捧げます。火星の生物は危険、地球に着いたら駆除してください」と録音を残しました。

一方、カルビンが大人しくしている間に、デビッドは救命艇を手動で操縦し、できるだけ地球から離れようとしていました。しかし、カルビンはデビッドを襲い始めるのでした。

 

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地球に一つの救命艇が漂着しました。近くにいた漁師たちが救命艇に近づいてみると、中にはデビッドとカルビンがいました。デビッドは必死に扉を開けないよう訴えましたが、彼らは救命艇の扉を開けてしまったのでした。


2.みどころ

1)キャスティング

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出演陣の顔ぶれを見れば、本作が特別な1本だと伝わるはずで、なにしろ「ナイトクローラー」の“映画ファン信頼の男”ジェイク・ギレンホールと、「デッドプール」の“俺ちゃん”ライアン・レイノルズの共演に、レベッカ・ファーガソン真田広之も顔をそろえているのです。


2)物語の構築

傑作SFホラー『エイリアン』を彷彿させる恐怖を生み出したのは、レット・リース&ポール・ワーニックの脚本家コンビです。「デッドプール」の制作チームと聞くだけで、「絶対に面白い(怖い)はず」と確信できるでしょう。「チャイルド44 森に消えた子供たち」を手掛けたダニエル・エスピノーサ監督が、恐るべき緊張感と衝撃を描き出しました。


3)SF

サイエンス・フィクションではなくて、サイエンス・ファクト」。これは製作スタッフの言葉ですが、主人公たちが見舞われる惨劇に「実際に起こってもおかしくない」という説得力を持たせるために構築された、極限のリアリティが出色です。ISS内部の完全再現はもちろん、現実的な生物学的原理に基づいた謎の生命体のデザインも、恐怖を際立たせています。

 

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3.評価

本作は批評家から好意的に評価され、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには174件のレビューがあり、批評家支持率は66%、平均点は10点満点で5.9点となっています。
サイト側批評家の見解の要約は「どこかの空間に閉じ込められるというシチュエーションを題材にした映画に新味を吹き込むには至っていない。しかし、『ライフ』はスリリングで、演技の質も高く、それは欠点を補うに足るものだ。」となっています。


4.まとめ

『エイリアン』の再来と言っていいのが本作でしょう。豪華キャストと気鋭のスタッフ陣が集結した本作は、現実に通じるリアルなSF設定のなかで、謎の生命体に襲われた宇宙飛行士たちの恐怖が、圧倒的な緊張感で描かれます。「このポイントがたまらない!」という、目の肥えた映画好きの好みに満ちた、ひと味違う1本となっています。