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映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』さよならポール、最高のラストドライブだった!!

この映画『ワイルド・スピード SKY MISSIO(Fast & Furious 7)』は、ワイルド・スピードシリーズ第7作、アメリカ合衆国のアクション映画です。主演はもちろんヴィン・ディーゼル、監督ジェームズ・ワンで、2015年に公開されました。
シリーズ中、最高の評価と興行収入を記録しています。

目次

 

 

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1.紹介

時系列では、前作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013年)から、第3作『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』(2006年)そして、本作の順となり、『X3 TOKYO DRIFT』の終盤と本作序盤が時期として重なっています


2.ストーリー

1)プロローグ

ロンドンのとある病院、前作『EURO MISSION』で「ドミニク・ファミリー」との死闘に敗れ、意識不明の重傷を負って入院している国際犯罪組織のボス、オーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンズ)を、実兄のデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)が見舞いに訪れていました。

 

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デッカードは「俺がカタをつけてやる」とオーウェンの復讐を誓いました。そしてデッカードアメリカ外交保安部(DSS)のルーク・ホブス捜査官(ドウェイン・ジョンソン)のオフィスを襲撃、パソコンから「ファミリー」の情報を奪って逃走しました。


2)団欒をぶち壊した爆弾

その頃、かつての恋人レティ・オルティスミシェル・ロドリゲス)をオーウェンの手元から取り戻した「ファミリー」のリーダーのドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)は、あの頃のようにまた彼女と元の関係を取り戻そうと試みていましたが、レティは未だに記憶が戻らないことに苦悩した末にドミニクの元を去っていきました。

一方、「ファミリー」のブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)は、妻でドミニクの妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)や息子ジャックと共に穏やかな日々を過ごしていました。ミアはこの時新たな命を身籠もっていましたが、いまだに激しい戦いの日々に未練があるブライアンに、どうしても打ち明けられないでいました。

ドミニクたちがロサンゼルスの自宅で団欒していると、そこに東京から郵便物が送られてきました。そして見知らぬ男から電話がかかったその時、郵便物に仕掛けられていた爆弾が爆発、ドミニクたちは何とか脱出しますが自宅は粉々に吹き飛んでしまいました。

デッカードはその頃、東京に移住していた元「ファミリー」のハン(サン・カン)を事故に見せかけて殺害していました。


3)最強の敵

デッカードとの銃撃戦で負傷したホブスはドミニクを呼び、デッカードに関する情報を伝えました。デッカードは元々英国の特殊部隊の一員であり、秘密諜報機関の一員でもありましたが政府から用済みとして消されそうになり、返り討ちにして行方をくらましていたのです。

 

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ドミニクは「ファミリー」を守るため、そしてハンの仇を討つためデッカードと戦うことを決意、ミアとジャックをドミニカ共和国に住むドミニクの友人マンド(ロメオ・サントス)の元に避難させたブライアンもミアから背中を押されてドミニクと共に戦う決意を固めました。

ドミニクはまず東京に飛び、ハンの弟子だった“ドリフトキング”ことショーン・ボズウェル(ルーカス・ブラック)とのレースに臨みました。(『X3 TOKYO DRIFT』参照)レースが終わった後、ドミニクはショーンからハンの遺品である十字架のペンダントなどを受け取り、アメリカに戻って葬儀を行いました。


4)ゴッド・アイ

しかしその時、デッカードの姿を目撃したドミニクは彼の後を追い、地下駐車場で激突しますが、そこにアメリカ政府の秘密組織の特殊部隊が現れ、デッカードはその隙に逃走しました。

秘密組織の長であるミスター・ノーバディカート・ラッセル)はドミニクに対し、世界中のあらゆる情報機器をハッキングしてデータを入手し、対象の人物を世界中のどこにいても短時間で発見する追跡・監視プログラム「ゴッド・アイ(神の目)」の話を持ちかけてきました。

「ゴッド・アイ」を開発した女ハッカーラムジー(ナタリー・エマニュエル)はモーゼ・ジャカンディ(ジャイモン・フンスー)という男が率いる民間軍事組織に捕えられており、ノーバディはラムジーを救出したら「ゴッド・アイ」を使わせ、デッカード打倒に協力すると約束しました。


5)ファミリー集合

ノーバディの依頼を引き受けたドミニクは早速ブライアンや世界中に散らばった「ファミリー」のローマン・ピアース(タイリース・ギブソン)、テズ・パーカー(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、レティを集めてアゼルバイジャンに乗り込み、飛行機から車ごとスカイダイビングしてジャカンディの車両部隊を急襲しました。

 

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そこにデッカードが現れて邪魔してきましたが、ドミニクたちは何とかラムジーを救い出しました。しかし、既にアブダビにいるラムジーの友人サファー(アリ・ファザール)の元に送られた後でした。

ドミニクたちはアブダビに向かいましたが、今度は「ゴッド・アイ」はヨルダンの王子に売られてしまっていました。「ゴッド・アイ」は王子所有のスーパーカー「Wモーターズ・ライカン・ハイパースポーツ」に装着された状態で高層ビルの最上階に置かれており、ドミニクたちは王子が主催するパーティに潜入、王子のボディガードやまたしても現れたデッカードの妨害を潜り抜けてハイパースポーツを奪いました。

ハイパースポーツは脱出する際に2棟の高層ビルを突き破った末に大破しましたが、ドミニクたちは何とか「ゴッド・アイ」を手に入れることに成功しました。


6)形勢逆転

ドミニクはブライアンやノーバディ率いる特殊部隊と共にデッカードの潜伏先を急襲しましたが、デッカードは実はジャカンディと手を組んでいたことから形勢は逆転、ノーバディは負傷して特殊部隊は壊滅させられ、「ゴッド・アイ」もジャカンディに奪われてしまいました。

「ゴッド・アイ」が敵の手に渡ったことで自分たちの動きが筒抜けも同然となったドミニクたちは、地元ロサンゼルスで決着をつけることにし、ラムジーに「ゴッド・アイ」をハッキングさせて無効化させる作戦を立てました。しかし、ハッキングするためには至近距離に近づく必要があり、ドミニク以外のメンバーには車から車へとラムジーを乗り移らせながら走らせ、ドミニクはデッカードと一騎討ちで決着をつける計画です。

決戦を前に、ブライアンはミアと電話した際に第二子の妊娠を告げられ、必ず生きて帰るとの思いを強くしました。そしてドミニクは愛車ダッジ・チャージャーで決戦に挑むことにしました。

 

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7)怒涛の決着

遂に決戦の火蓋が切って落とされます。ジャカンディは「ファミリー」を抹殺するためドローン「プレデター」を投入、「ファミリー」がハッキング用に使っていた電波塔が破壊されてしまいました。市街地での激戦は現地警察をも巻き込んだ大騒動へと発展していきました。

ブライアンはジャカンディの部下を倒してハッキング用の携帯電話の中継アンテナを確保すると、病院を抜け出したホブスが援護に現われて「プレデター」を破壊、「ファミリー」は「ゴッド・アイ」を無効化することに成功しました。

一方のドミニクはデッカードと立体駐車場で激しい戦いを繰り広げていましたが、そこにデッカードを見限ったジャカンディがヘリコプターで攻撃を仕掛けてきました。

立体駐車場の崩落に巻き込まれたデッカードは瓦礫の中に飲み込まれていき、ドミニクはチャージャーを駆って崩壊を避けつつヘリコプターに近づき、デッカードが持っていた手榴弾入りの鞄を引っ掛けました。ホブスは手榴弾目がけて発砲し、ヘリコプターはジャカンディを乗せたまま爆破炎上して墜落していきました。


8)甦った平穏

ドミニクはチャージャーごと瓦礫に激突、一時的に昏倒状態に陥ってしまいます。仲間たちが懸命に救命措置を行うなか、遂に全ての記憶を取り戻したレティがドミニクに語りかけました。ドミニクとレティは実はドミニカ共和国で結婚式を挙げており、結婚指輪代わりとして渡したものこそがハンの遺品だった十字架だったのです。

ようやく意識を取り戻したドミニクは、レティが自分以外の誰も愛さないことに賭け、あえて結婚していたことを伝えなかったと明かしました。

刑務所に収監されたデッカードはホブスに対して「簡単に逃げ出せる」と強気の姿勢でしたが、ホブスは逃げたら殴り殺してやると言い返しました。

それからしばらくして、平穏な日々に戻った「ファミリー」は砂浜でくつろいでいました。しかし、ミアやジャックと親子水入らずを時間を過ごすブライアンの姿を目の当たりにした「ファミリー」は、ブライアンの居場所は今や「ファミリー」ではなく「家庭」であることに気がつきました。


9)エピローグ

その後、チャージャーに乗って一人で帰ろうとするドミニクをブライアンが「さよならも言わずに行くのか」とトヨタスープラで追いかけてきました。そしてドミニクとブライアンはこれまでの思い出をかみしめるかのようにしばらく並走し、そして分岐路に差しかかった二人はそれぞれ別々の道へと走って行きました。

 

 


3.四方山話

1)ブライアンの逝去

ポール・ウォーカーが亡くなった後、キャストたちは今後どうするべきか話すために集まっていたそうです。それぞれが率直な意見を言い合い、出した結論は『ワイルド・スピード SKY MISSION』を完成させることでした。

ポール・ウォーカーと親交の深かったリュダクリスは、みんなが亡くなった彼のためにも最高の作品に仕上げようとしていたことを後のインタビューで明かしています。

また、ローマン・ピアーズ役のタイリース・ギブソンは「大きなプライドを持って作品に取り組む責任がありました。ファンがポール・ウォーカーにさよならを言う手伝いがしたかった。」と語りました。

 

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2)代役

そのブライアン・オコナー役には、一部の登場シーンはCGによる合成及びポールの弟(カレブ・ウォーカーとコディ・ウォーカー)が代役を務めたことで撮影を終えました。

また、これを受けて本編の最後の演出が書き直され、最後に「FOR PAUL(ポールに捧ぐ)」のメッセージが捧げられています。


3)共演者は?

ジェイソン・ステイサムの本シリーズ出演は、Facebookがきっかけでした。
主演のヴィン・ディーゼルが、本作誰と共演してほしいかアンケートをとったところ、圧倒的にジェイソン・ステイサムと答えた人が多かったのだとか。
そして前作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013年)へのサプライズ出演を経て、ステイサムが最強の敵デッカード・ショウのを演じることになりました。


4)撮影

ワイルド・スピード」シリーズは、ほとんどのシーンでCGではなくスタントを使っているというのは有名な話で、このスタントコーディネーターのラザトスは「観客を騙すことだけはしたくないんだ。それだけは僕らが絶対にやらないようにしていることなんだ」と語り、スタントに対する熱い思いを持っているためです。

予告編等見せつけられているで空からのカー・ダイブシーンは、このシーンの撮影風景を映し出したメイキング映像も解禁され、実際に車を落下させるという、前代未聞の撮影を行っていた事が明らかになりました。

 

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車は地上3700mから1500mまでパラシュートを開かずに落下させて、その様子を頭にカメラを装着したスタントマン3人が車と同じようにダイブして撮影。時速220kmというハイスピードの中、パラシュートによる速度の変化や車の回転を利用して、様々な角度からのショットを収める事に成功しました。

彼らスタントマンだけでなく、上空からの撮影、さらに地上からの撮影を同時進行で行っていたため、車を落下させるタイミングが極めて重要だったそうで、見事この撮影を成し遂げた第2班監督のスピロ・ラザトスは「今までの人生の中で最もエキサイティングな経験だったよ!」と語っています。

 

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4.まとめ

ジェイソン・ステイサムカート・ラッセルが加わって最強の作品となりましたが、皮肉にもポール・ウォーカーへの鎮魂歌となってしまいました。