凸凹玉手箱

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映画『イコライザー』は「必殺仕置人」か?!

 

製作・主演はデンゼル・ワシントン、2014年にアメリカ合衆国で製作されたアクションスリラー映画です。監督は『トレーニング・デイ』(2002年)以来のアントワーン・フークアで、1984年から1989年にかけてアメリカ合衆国で放送されたテレビドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の劇場版リメイク作品となります。

 

ザ・シークレット・ハンター』は元CIA諜報員のロバート・マッコール(オリジナルは、エドワード・ウッドワード)が新聞の広告を見て助けを求めてきた相談者の為に、元CIA工作員の能力を使って事件を解決する物語でした。

 

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この『イコライザー』も「見過ごせない、何故なら力になってやれるからだ。」がモチベーションとなって、元CIAの腕利き工作員が、死んだことにして引退し、世を捨てて静かに暮らしているにもかかわらず、命を落とすかもしれない危険な問題に首を突っ込んでいきます。

 

主人公マッコール(デンゼル・ワシントン)は、この手のハードボイルド的アクション映画にありがちな教訓的名言を吐いていますが、この映画ではポジティブなものばかりで個人的には好感を持ちました。

 

警備員資格試験を目指す職場の同僚ブライアン・プラマー(ビル・プルマン)に

「完璧より前進だ」
「自分を疑えば失敗する」

 

歌手を目指すロシア出身の若い娼婦テリー(アリーナ)(クロエ・グレース・モレッツ)に、

「なれるよ、そうなりたいと思うなら、望むならなんにでもなれる」
「世界を変えろ」
「なりたいものになれる、体と、知力と、心。」

 

そのマッコールもテリーには見透かされています

「奥さんに死なれた人をいっぱい見た。悲しみじゃなく途方に暮れてる。」

 

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とは申せ、この映画の売りは、えげつなく通快なアクションでしょう。

 

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ロシアンマフィアの下部組織の5人を相手に28秒で素手から相手の武器を奪い取って片づけてしまい、銃を向けられた悪徳警官コンビにも一瞬で形勢逆転、屈服させてしまいます。

 

さらに、ロシアンマフィアの現金集積場をたった一人で十数人を縛り上げ、壊滅させてしまい、組織の黒幕ウラジミール・プーシキン(ウラジミール・クリッチ)の怒りを買って、テディ・レンセン(=ニコライ・イチェンコ)(マートン・ソーカス)に抹殺を厳命します。

 

この、テディは元ロシアKBGの特殊部隊スッペナズあがりで頭脳明晰・冷徹無情の難敵で、プーシキンの命を受け、マッコールの勤務先のホームセンターで従業員数人を人質に手下数名を率いて待ち受けます。

 

ここでもマッコールは素手から戦いを始めますが、戦場がホームグランドのホームセンターなので武器になるようなものはそこいら中にあり、音響・照明・防災設備も自由に操れます。

 

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悪人をバッタバッタなぎ倒していくのは通快ですが、鉄条網でつるし上げ、死に至るまでを眺めていたり、最後にテディをエアタッカー(釘打ち機)とおぼしきもので手足から撃っていくなど、プレデターも顔負けの惨殺は行き過ぎ感もありましたが...


元CIA情報員で友人のスーザン・プラマー(メリッサ・レオ)がマッコールに妻が死んだあとの生き方について、赤の他人のテリーを救うことの意義を、「見過ごせない、何故なら力になってやれるからだ。」と言うマッコールを肯定し、

「人っていうのは、正しい道を選ぶまでに過ちを犯す、進みなさい。」

と啓示しました。

 

この騒動を片づけたあと、オリジナルの『ザ・シークレット・ハンター』ように、ラストに新聞広告で助けを求める相談者を募ることになりました。

 

そして、2018年7月に続編が公開(日本は10月予定)されました。