凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『続・夕陽のガンマン』マカロニ・ウェスタンのドル箱三部作第3弾です!!

この映画、原題がイタリア語で「 Il buono, il brutto, il cattivo」、英語で「The Good, the Bad and the Ugly」で、意味は「善玉、悪玉、無頼漢、となります。

1966年のマカロニ・ウェスタンで、監督はセルジオ・レオーネクリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフイーライ・ウォラックがそれぞれ原題の善玉、悪玉、無頼漢を演じています。この映画は『荒野の用心棒』(1964年)と『夕陽のガンマン』(1965年)に続く「ドル箱三部作」の第3作目であるとされています。

 

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クリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフはこのシリーズではお馴染みですがキャラクター的にリー・ヴァン・クリーフは更に凄みの増した悪役となり、名脇役イーライ・ウォラックがまさに無頼漢でどうしようもない卑怯な小悪人を演じています。


名作といわれる西部劇に必ず出てくるイーライ・ウォラックですが、このマカロニ・ウェスタンでも実に存在感のあるバイプレイヤーとなっています。ここで少し彼について調べますと。

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ニューヨーク市ブルックリンの東欧ユダヤ系の家庭に生まれ、両親はキャンディ・ストアを経営していました。テキサス大学オースティン校を卒業し、ニューヨーク市立大学シティカレッジで修士号を取得しています。このように修士号を取得するほどの高学歴にも関わらず、俳優を目指してネイバーフッド・プレイハウスで演技を学び、ブロードウェイなどの舞台に立ち、1951年にはトニー賞を受賞するなど舞台俳優として活躍しました。

1956年にエリア・カザンの『ベビイドール』で映画デビューし、ジョン・スタージェスの『荒野の七人』(1960年)やセルジオ・レオーネの本作などの西部劇で悪役を演じました。1967年に『Poppies Are Also Flowers』でエミー賞助演男優賞を受賞した後も、性格俳優、名脇役として『荒野の三悪党』(1969年)や『ゴッドファーザー PART III』(1990年)、『ウォール・ストリート』(2010年)などに、晩年に至るまで出演しています。2014年6月24日に98歳で死去しました。

この作品においてもイーライ・ウォラックなしではあり得ない映画となりました。

 

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物語は、南北戦争の時代の荒野が舞台となっています。エンジェル・アイ(悪玉)(リー・ヴァン・クリーフ)は、ある男の家を訪ね、ビル・カーソンという男が隠された金貨について知っているという情報を聞き出したあとで、男とその息子を射殺し、自らを雇った男も殺してしまいます。

お尋ね者のトゥーコ(卑劣漢)(イーライ・ウォラック)が賞金稼ぎに襲われている際、ブロンディ(善玉)(クリント・イーストウッド )が現れ、トゥーコを奪い、保安官に突き出して賞金を受け取ります。トゥーコが絞首刑にされる直前、ブロンディは首を絞めるための縄を撃ち抜き、トゥーコを助け出し、これがこのコンビの賞金詐欺のパターンとなりましたが、トゥーコの賞金が3000ドルになると、トゥーコを見限ったブロンディは、トゥーコを砂漠に置き去りにして立ち去ってしまいます。

なんとか生き延びたトゥーコは盗んだ拳銃で逆にブロンディを脅し、砂漠を歩かせ死なせようとします。そこに南軍の兵士の死体を乗せた馬車が通りかかり、馬車には金貨を隠した墓地を知っている眼帯の男・ビル・カーソンが乗っており、トゥーコは瀕死のカーソンから墓地の場所を聞き、ブロンディはトゥーコの隙をつき墓碑の名を聞き出します。

墓地の場所のみを知っているトゥーコと、墓碑の名のみを知っているブロンディは再びコンビを組むことになりました。トゥーコは、カーソンの着ていた南軍の軍服と眼帯をまとって、瀕死のブロンディにも南軍の軍服を着せ、聖職者である兄の病院に担ぎ込みました。回復したブロンディとトゥーコは南軍の馬車で出発しますが、北軍に捕まり捕虜収容所に送られました。

 

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北軍下士官となり収容所に潜り込んでいたエンジェル・アイはカーソンの軍服を着ていたトゥーコを拷問にかけますが、ブロンディが情報を持っていると知り、ブロンディと手下を連れて金貨探しに出発します。収容所から移送される列車から脱走したトゥーコはブロンディと合流し、二人はエンジェル・アイの手下を撃ち倒しますが、エンジェル・アイは逃れていました。

トゥーコとブロンディは南北両軍が橋を巡って争っている戦場にたどり着き、捕まりそうになったトゥーコは咄嗟に北軍の志願兵を名乗ります。延々と繰り返される殺戮に厭きた北軍大尉の願いもあり、二人は橋にダイナマイトを仕掛けて爆破します。その間際、お互いに、トゥーコは墓地の場所(サッド・ヒルの墓地)、ブロンディは墓碑の名(アーチ・スタントン)を告げました。

両軍が去ったあとで二人は川を渡りますが、南軍側の陣地は死屍累々たる有様でした。トゥーコは隙をついて先駆けしようとしますが、それを見越したブロンディの砲撃を受けて、ほうほうの体で墓地にたどり着きます。トゥーコは墓を見つけ素手で掘り返しますが、ブロンディが銃口を向け、そこにエンジェル・アイが現れ、ブロンディにも銃口を向けました。

 

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あばかれたアーチ・スタントンの墓に金貨はありませんでした。本当の隠し場所を知っているブロンディは決闘を提案し、墓碑の名を書いた石を地面に置きます。そして金貨を巡る三つ巴の決闘がおこなわれますが、舞台はなんと、前作『夕陽のガンマン』と同じ円形の広場でした。

 

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ブロンディはエンジェル・アイを倒しました。トゥーコの所持する銃は、あらかじめ弾を抜かれていました。ブロンディは、無名の墓にあった金貨を山分けし、トゥーコの首を縄で吊らせ、遠方から、これまでのように、その縄を狙い撃って切り落とします。命拾いしたトゥーコは、馬で走り去るブロンディをこれまで以上に罵り叫ぶのでした。