映画『コン・エアー』究極のハード・アクション・ムービー?!
ラスベガスのメインストリートに大型輸送機が不時着?!
目次
はじめに
何をすれば面白いか?どのようにすれば面白いか?誰がどうすれば面白いか?を追求し、結果、第18回ゴールデンラズベリー賞(1998年)で「最低人命軽視と公共物破壊しまくり作品賞」(Worst Reckless Disregard for Human Life and Public Property)を受賞してしまったようです。
そういう意味では、コン・エアーすなわち囚人輸送機とくれば、乗っているのは悪者ばかり、映画では敵役や悪党が主人公より魅力的なことがよくあります。悪人を活躍させればより面白い映画ができるというものです。
主人公を善人とすればどうしてもキャラクターに制限がついてきます。悪人であれば、どのようなキャラでもよく極端に言えば人間でなくとも良いわけです。
あらすじ
さて物語は、元レンジャー隊員のキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)は、愛する妻トリシア(モニカ・ポッター)と一緒にいるところでチンピラ三人に囲まれ、妻を守るため戦ったところ、誤って一人を殺してしまいます。軍人であったことから正当防衛は認められず、刑務所行きになってしまいます。
それから7年、模範囚としてやっと仮釈放が認められ、7年ぶりに再開する妻、初めて会う娘のケイシー、ポーは期待に胸を膨らませ囚人輸送用の航空機「コン・エアー」に乗ります。しかし、その日そこに同乗していた他の犯罪者達は、名の知られた凶悪犯罪者達ばかりだったのでした。
そこから囚人達によってコン・エアーがハイジャックされ、地上のヴィンス・ラーキン連邦保安官(ジョン・キューザック)と機内のキャメロン・ポーがサリー・ビショップ女性護送官(レイチェル・ティコティン)と瀕死のベイビー・オー(ミケルティ・ウィリアムソン)を救い、囚人たちに立ち向かいます。
説明
この映画では、名だたる悪者や異常者が名を連ねています。どうもそれらしく設定していますが、実在の悪人はいないようで、さもなさそうでありそうな悪人を考えたことにある意味尊敬してしまいます。
ここではこの映画に登場する魅力的な悪人たちを紹介します。
1.知性派凶悪犯
サイラス・グリサム(ジョン・マルコヴィッチ)。この物語の主犯。天才凶悪犯で、殺人・強盗・誘拐など数多くの犯行を行い、人生のほとんどを刑務所で暮らしており、刑務所内の囚人を数人殺害し、脱獄を幾度となく図ったことがあります。服役中に通信教育で複数の学位を取得する優れた頭脳の持ち主です。
2.爆弾魔
ダイアモンド・ドッグ(ヴィング・レイムス)本名ネイサン・ジョーンズ。囚人グループのNo.2。サイラスの右腕となって活躍します。元ブラック・ゲリラで、全米ライフル協 会の本部を爆弾で襲撃しました。サイラスの計画が完全に成功するまでの間はサイラスに忠誠を誓っています。いつか自らの犯行で全米が恐れ慄く“ドッグの日”を夢見ています。
3.一家皆殺し殺人鬼
クレイジー・ビリー(ニック・チンランド)本名ウィリアム・ベッドフォード(劇中ではビリー・ベドラム)妻の浮気現場を目撃した際、妻の家に押し入り、彼女の両親、姉妹挙句には犬まで皆殺しにしました。その残虐性から裁判で5回もの終身刑判決を受けています。
4.変態殺人鬼
ガーランド・グリーン(スティーヴ・ブシェミ)アメリカ東部で37人の人間を惨殺しており、殺害した少女を助手席に乗せてドライブをした事があると言われ、その犯罪経歴は犯罪者や警察官の間でも有名です。ここでは連続殺人犯と呼ばれながらもその片鱗を見せる姿は、良心が芽生える前にキャメロンに話しかけた時だけで、時折皮肉な言葉をキャメロンに言うも常に中立的な立場を取っていました。
コン・エアー墜落後は姿を見せませんでしたが、エンドクレジット直前に、ただ一人逃げ延びてラスベガスのカジノで大勝している姿を見せます。彼の「今日はツキまくってる」という締めの台詞で、この映画は終わるのですが、BSジャパン放映版などでは残念ながら、このキャラクターの出番は大幅にカットされてしまっています。
5.強姦魔
ジョニー・23(ダニー・トレホ)連続強姦魔で、23人の女性を強姦した罪で逮捕される経歴を持っています。本人曰く強姦した女性の数は23人ではなく正確にはおよそ600人だそうな。サイラス達の乗っ取り計画後は足枷を外され、直後に機内で紅一点であったビショップを強姦しようとするもキャメロンに妨害されました。その後もサイラス達と警察部隊の銃撃戦のさなかに独りコン・エアーに戻り、檻に押し込められていたビショップを再び強姦しようとします。
6.ピンボール
サイラスとドッグと共にコン・エアー乗っ取り計画を実行した一人です。放火と強盗の罪で服役していた囚人です。途中コン・エアーに乗り遅れ、なんとか脚収納扉にたどり着いたものの車輪にはさまれて死亡。死体となってキャメロンからラーキン連邦保安官へのメッセージを胸に書かれ飛行機から突き落とされます。
結び
あちらこちらに気になる不具合のある映画ですが、それに固執する映画でもありません。しかしながらどうしても気になるのが、60キロ離れたラーナー飛行場にコルベットがコン・エアーより先に着いているということでした。