『ククサ』この魅力的な北欧のグッズについて?!
贈られた人は幸せになれるという素敵な言い伝えがある手作り木製のカップです。使い込んで、インテリアとして、お守りとして、さまざまに使われています。
目次
1.ククサとは
ククサ(KUKSA)とは、フィンランド北部ラップランドに住んでいたサーメ人に古くから伝わる、白樺のコブをくり抜いて作られる手作りのマグカップです。この「ククサ」という言葉はサーメ語で、「飲み物の源」や「カップ」という意味合いがあって、北欧では贈られた人に幸せをもたらす物として、大切な人へプレゼントする習慣があるそうです。
材料となるバハカと呼ばれる白樺のコブは、十分な大きさに育つまでは30年、小さなコブでも10〜15年ほどかかるため、取れる量に限りがあります。そして、白樺のコブからくりぬいて作られる為、模様も世界にたったひとつの物となります
2.ククサの作り方
まず白樺のコブを切り落とし、-2〜3度の倉庫に3〜5ヶ月寝かせておきます。寝かせた白樺のコブをブロックに切り出してククサの形に成形しやすくした状態で、今度は−20度で24時間凍らせます。ククサの元となるブロックを一晩しっかり凍らせ、海水と同じ濃度の塩水で24時間じっくり煮ます。そうすることで木材の中に塩水が浸透して、割れにくくバランスの取れた性質の木材となります。
この木材を1週間かけて乾燥させた後に、ようやく削りの作業に入ります。荒削りからはじめて、マグの内側を磨き、外側を磨きあげ、蜜ろうを刷り込んでようやく完成となります。
3.お手入れ方法
簡単な手入れをすることで、長持ちするだけでなく使い込むほどに風合いが増していき、自分だけのククサに仕上がっていきます。この手入れの時間こそがククサを楽しむ大切なひと時であり醍醐味です。
ククサを洗う場合は、スポンジや布などの柔らかいものでさっと洗い、ぬるま湯ですすぎます。ヨゴレが目立つ場合のみ洗剤を使用します。
洗っていくうちにククサ表面の油分が落ち、白樺の真っ白い木肌が目立つようになったら、手入れ時期のサインとなります。木は中の水分が抜けると痩せて割れがおきてきます。塩ゆでするのも、この割れを防ぐための方法のひとつですが、さらに乾性油という乾くとサラサラになる植物油を塗って保護・乾燥からの割れを防ぎます。
本家ククサで使われるのはくるみ油。スーパーなどでも簡単に手にはいりやすい、えごま油やべに花油も使えます。オリーブオイルは植物油なのですが乾性油ではないので使えません。頻度についてはツヤがなくなってきたらおこないます。
伝統的な手入れ方法は、柔らかいガーゼなどに胡桃の実を包んで、上から軽くたたいて実をつぶします。胡桃はつぶすと天然の油分が出るので、胡桃の油を含んだ布でククサを磨いてください。胡桃の油の膜により、艶が出るとともに保護の役目をしてくれます。これが昔から伝えられている手入れ方法です。
4.賛否両論
非常に心引かれるオシャレな外観とは違って、何を飲んでも不味くなるという話もあちこちで出ていて、塩味となんだか分からない木の味にノックアウトされるそうです。
いくら何でもこれはないとその後はいろいろと試行錯誤することになるのですが、塩味を抜くのにククサを煮るといいというので煮てみたり、手入れのためにいろいろな食用オイルを塗ってみたり、なことになってきます。どちらにせよかなりの辛抱と根気が要るようでもあります。
もちろん、一方で、使い込んで宝物の様にしていたり、何個も使っていたりする人もいます。
部屋のインテリアなどならお勧めできますが、これで何かをお洒落に味わうなどということは、ちょっと考え直した方がよく、アウトドア派の一部の人たちから絶賛されているククサではありますが、購入は慎重に行った方が良いみたいです。