凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『クリフハンガー』地上4000m、断崖絶壁でのノンストップアクションです!!

この映画『クリフハンガー(Cliffhanger)』は、レニー・ハーリン監督、シルヴェスター・スタローン主演による1993年のアメリカ・フランス・日本の合作映画で、ロッキー山脈に不時着した武装強盗団と山岳救助隊員の戦いを描いたアクション・サスペンス映画です。

目次

 

 

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1.紹介

手に汗握るアクションの連続と、スピーディーでテンポの良いレニー・ハーリンの演出は、ストーリーも単純明快で、雄大大自然をイメージさせるトレヴァー・ジョーンズの素晴しい主題曲と、ロッキー山脈の美しい山々が、気分を爽快にさせてくれます。

 

2.ストーリー

1)プロローグ

ロッキー山脈で、クライマー兼レスキュー隊員ゲイブ・ウォーカー(シルヴェスター・スタローン)は、同僚で親友のハル・タッカー(マイケル・ルーカー)が山で負傷して救出に向かった際に、彼の恋人サラ(ミシェル・ジョイナー)の救出に失敗し、彼女を死なせてしまいました。

 

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8ヶ月後、ゲイブは、事故以来そのことで自分を責め、レスキュー隊を辞めて山を降りていました。

再び山を訪れたゲイブは、元恋人で同僚だったジェシー・ディーガン(ジャニン・ターナー)に、最善を尽くした自分を責めるなと慰められます。

しかし、ゲイブは自分を許すことが出来ないまま、ジェシーを迎えに来たのでした。


2)輸送機墜落

コロラド州デンバー財務省造幣局では、還流紙幣の1億ドルを輸送する捜査官リチャード・トラヴァース(レックス・リン)は、上司ウォルター・ライト捜査官(ポール・ウィンフィールド)に、FBI捜査官のセスマン(ヴィト・ルギニス)が転勤のため、輸送機に同乗させるよう命ぜられました。

その1億ドルの紙幣を積んだ輸送機に、身元不明のジェット機が接近します。

内密に捜査をしていたFBIのセスマンが、トラヴァースのハイジャックを察知して彼に銃を向けました。

しかし、財務省捜査官(ブルース・マッギル)らが、セスマンの銃を奪います。

さらにトラヴァースは、その局員らとセスマンも銃撃し、追いついたジェット機にワイヤーを張り乗り移りました。

輸送機には爆弾が仕掛けられ、残っていたパイロットが、紙幣のケースをジェット機に送ろうとしますが、瀕死のセスマンが、パイロットを射殺してジェット機を銃撃しました。

直後に輸送機は爆発し、紙幣のケースは山中に落下して、制御不能になったジェット機は不時着します。

紙幣を狙う集団のリーダー、エリック・クエイルン(ジョン・リスゴー)は、ケースに付けられた発信機でそれを捜そうとしますが、トラヴァースは、それを使うコードを教えようとしません。

クエイルンは吹雪で遭難した登山隊を装い、レスキュー隊に連絡を入れ、紙幣の入った3個のケースを捜そうとしました。

 

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3)捜索開始

ジェシーは、単独で現場に向かったハルのことを、ゲイブに伝えて協力を要請しますが、彼はそれを断り立ち去ってしまいました。

その頃、ライト捜査官は、輸送機が墜落したとの連絡を受けていました。

しかし、事前に輸送機が狙われているという情報があり、ハイジャックされた可能性をFBIから知らされます。

紙幣は一般では使用できないものでしたが、要注意人物として手配中の、クエイルンにとっては魅力的な代物であることを、FBIはライト捜査官に説明します。

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ジェシーには断ったものの、ハルの先回りをして山に登っていたゲイブは彼と合流し、事件のわだかまりを抱えながら、クエイルン達の元に到着しました。

2人は一味に捕らえられ、探知機を使ってケースを捜すよう強要されました。


4)紙幣を探して

1個目のケースの場所を見つけたゲイブは、上着を脱がされ、軽装備で現場に向かわされます。

岸壁をよじ登ったゲイブはケースを発見しますが、彼はそれを崖下に落として逃亡しました。

ハルに無線連絡したジェシーは、彼が山小屋に向かったと考え、ヘリコプター操縦士のフランク(ラルフ・ウェイト)に頼み彼女も山に向かいます。

山小屋に着いていた、ジェシーの元に現れたゲイブは、クエイルンらの先回りをして、他のケースを捜し当てて発信機を手に入れました。

 

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クエイルンらもそこに到着して、紙幣がゲイブに持ち去られたことを確認し、付近にいると思われる彼を捜すします。

ゲイブは追っ手を一人倒し、クエイルンは、一先ず退散して山小屋に向かいます。

そして、紙幣を焚き火にして、ゲイブとジェシーも洞窟で休息を取りました。

翌日、無線でジェシーも山に来ていることを知ったハルらは、3個目のケースの場所を目指します。

そこに、スカイダイビングを楽しむ2人組みの若者エヴァン(マックス・パーリック)とブレット(テリー・ブロウネル)が現れ、クエイルンは2人を殺そうとします。

ブレットは射殺され、エヴァンは崖からダイブして、木の枝にかかり宙吊りになります。

救難信号に気づいたフランクが、ヘリコプターで現場に向かい、ブレットを救助して病院に運びました。

ライト捜査官らも、輸送機が消息を絶った現場にヘリで向かい、機体の残骸などが発見されたという報告を受けました。


5)極限の追跡

ゲイブとジェシーは、岩の隙間からクエイルンらの先回りをしますが、一味のカイネット(レオン)に見つかってしまいます。

カイネットを倒したゲイブは、ハルからの無線で、頭上に爆弾が仕掛けられたことを知らされました。

雪崩を避けるために、ゲイブとジェシーは崖に避難して難を逃れます。

その頃、フランクが遭難者に扮したクリステル(キャロリン・グダール)を発見しますが、クエイルンらは容赦なく彼を殺しヘリを奪いました。

吊橋に着いたゲイブとジェシーでしたが、仕掛けられた爆弾が爆発し2人は引き返します。

 

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その後、クエイルンとトラヴァースは対立し、ヘリを操縦できるクエイルンは、クリステルを射殺して主導権を握り、トラヴァースにケースを捜すよう命じるのでした。

ゲイブはジェシーに下山させて救援を呼ぶように指示し、ハルを単独で助けようとして、トラヴァースより先に紙幣を発見します。


6)決着への死闘

発信機の信号をキャッチしたトラヴァースは、仲間のデルマー(クレイグ・フェアブラス)に、ハルを始末するよう命じます。

しかし、ハルはデルマーを倒し、フランクの仇を討ちました。

トラヴァースは、ウサギに付けられた発信機を見つけ、それをクエイルンに連絡します。

ライト捜査官はその無線を傍受し、内部の犯人がトラヴァースだということを知ることになりました。

トラヴァースはゲイブを追い、ジェシーは、フランクだと思い近づいたヘリのクエイルンに捕らえられてしまいました。

ゲイブはトラヴァースを倒してハルと合流し、ジェシーを人質に取ったクエイルンと取引することになりました。

クエイルンにジェシーを降ろすよう指示したゲイブは、紙幣をヘリのローターに投げつけてしまいます。

制御不能となったヘリのワイヤーを、崖の梯子に引っ掛けたゲイブは、宙吊りのヘリ上でクエイルンと格闘になりました。

ゲイブはクエイルンを叩きのめし、彼は、ヘリごと崖下に落下して爆死しました。

 

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7)エピローグ

ハルとジェシーの元に戻ったゲイブは、ライト捜査官のヘリに確認され救助を待ちました。

そしてゲイブは、ジェシーと抱き合い、ハルとの友情も取り戻すのでした。

 

 

3.四方山話

1)「クリフハンガー」とは

題名の「クリフハンガー」とは、「崖に宙づりになるもの」のことですが、本来の語義である手に汗握る連続活劇クリフハンガー(プロット)の意味と掛けています。

つまり、「クリフハンガー」とは、物語の節目において、読者および視聴者が物語の続きが「気になる」状態で区切られる事を意味します。

例えば「物語の終盤、無事主人公が敵を倒したが、謎の銃弾によって主人公が撃たれてしまい、主人公が倒れた場面で物語が一旦終わる」や、「物語におけるラスボスを追い詰めるも、形勢が逆転し、主人公がラスボスによって命の危機に陥る」といった場面で一旦区切られてしまうような状況です。


2)評価

第66回(1993年度)アカデミー賞では視覚効果・音響編集・録音の3部門にノミネートされました。また、一方では、「最低」映画を表彰する第14回(1993年度)ゴールデンラズベリー賞でも4部門にノミネートされています。

週末興行成績で初登場から2週連続1位になり、トップ10内には6週間いました。アメリカ国内での興行収入は8400万ドルを超え、アメリカでの1993年公開作品中10位でした。

日本での配給収入は40億円を超え、1994年の年間1位となり、全世界での興行収入は2億5500万ドルを超えました。

 

3)役作り

スタローンは、『ランボー』の時にスタントなしで高いところから飛び降りてケガした時に、ケガしたことで高所恐怖症になったなったそうです。

ところが、『クリフハンガー』では高所恐怖症の克服どころか、常に高所へいかなうといけなかったので脳内は完全に恐怖という概念が麻痺していたそうです。

さらに、ぶら下がる行為が重要だったので、まず握力を鍛えるトレーニングから入り、『ロッキー』や『ランボー』の時みたいな外見における見せかけだけの美しい筋肉を作る必要はないものの、肉体をシャープに絞り込み、持久力が重要なインナー マッスルを中心にトレーニングメニューをこなしていったそうです。


4)制作

レニー・ ハーリン監督の悪趣味な残虐シーンが『クリフハンガー』の劇中にあり、それを嫌がったスタローンが自腹を切って再撮影させた話がありました。

それは、完成した初号試写で、テロリストたちがウサギを射殺する残酷なシーンのところで、カロルコの役員たちや、大手劇場チェーンの重役たちが観てゲンナリし、別に殺さなくてもいいのにわざわざそれを本編で見せる必要があるのかと圧倒的に否定する意見が多々ありました。

しかしながら、予算がないのでどうしようもないとの結論になって、スタローンの自身の支払われるギャラから10万ドル使って再撮影をやるとの申し出があり、ウサギの虐殺シーンはなくして完成させたそうです。

 

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4.まとめ

当時、40代半ば過ぎとは思えない、シルヴェスター・スタローンの逞しい肉体と、体を張った演技は見応え十分です。