『四国八十八ヶ所』車でお遍路、番外・トリビア編 ?!
四国八十八ヶ所お遍路では当然ですが日常にない文言が使われています。ここではもっともポピュラーな用語をわかりやすいように調べてみました。
阿波(発心の道場)の国 第一番札所 霊山寺(りょうぜんじ)
目次
- 1.四国遍路とは
- 2.同行二人(どうぎょうににん)
- 3.先達(せんだつ)
- 4.お遍路での納札(おさめふだ)
- 5.お線香
- 6.真言
- 7.南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)・宝号
- 8.結願・満願
- 9.お接待
- 10.有名人のお遍路さん
- 11.海外での紹介
- 12.まとめ
1.四国遍路とは
讃岐(香川県)に生まれた弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が歩いて開かれた霊場で、その道にも弘法大師にまつわる伝説が語り継がれています。
八十八という数は、煩悩の数や「米」の字を分解したもの、又は男性42歳・女性33歳・こども13歳の厄年を合わせた数などという説があります。
札所(ふだしょ)を巡礼することを「打つ」といい、これは昔の巡拝者が自分の名前を書いた木札をお寺に木札をお寺に打ち付けていたことから使われていた言葉です。
1)順打ち
一番札所より始め、八十八番札所まで番号順に巡るのを「順打ち」と言います。
2)逆打ち
逆に八十八番から一番へ反対に巡礼するのを「逆打ち」と言います。 特に「逆打ち」は4年に1度のうるう年に行うとご利益が大きいと言われています。
3)通し打ち
一から八十八札所まで一気に周ることをいいます。
4)区切り打ち
一から八十八を小分けにして周ること。一県ごとは『一国参り』といいます。
2.同行二人(どうぎょうににん)
仮に一人で四国八十八箇所を巡っても、同行二人と言って常に「お大師さん」(弘法大師)と一緒にいる想いで巡礼していことをいいます。
「同行二人」は参拝の道具にも記されていて、同行二人の巡礼者ともう一人は弘法大師以外でも、亡くなった家族や先祖、帰依する如来や菩薩などのことを想ってもよいとする教えもあります。
3.先達(せんだつ)
四国お遍路、八十ハヶ所を何度も巡業してる達人のことを「先達」といいます。
土佐(修行の道場)の国 第二十四番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)
4.お遍路での納札(おさめふだ)
1)由来
その由来としては諸説あって、その一つでは、弘法大師様に自分が巡礼していることを知らせるために、自分の住所・名前・日付を記入したお札をお寺に貼ってお知らせしたことが、納め札の起源だといわれます。
2)種類
納め札は、各札所の本堂と大師堂の2カ所の納札箱に納めます。接待を受けたときのお礼にも使用します。色は巡拝回数で決められており、1~4回は白、7回までは青(緑)、24回までは赤、49回までは銀、99回までは金、100回以上は錦となっています。
3)書き方
納め札には、住所・氏名・願い事などを記入します。札の左下(名前の下)に年齢を書く箇所があります。数え年(満年齢・実年齢に1歳加算)が基本ですが、満年齢でも問題はありません。数え年は、満年齢(日常的に使われる年齢)に1歳加えた年です。
お願い事は、一回の参拝(読経)につき一種類にしましょう。二つも三つも、自分のもあの人のもなど、欲張りは参拝の原理から逸脱します。
5.お線香
お線香が3本なのには理由があって、1本はお大師さんに、1本はお祀りされている仏様に、1本は自分のご先祖様にそれぞれお供えする行為といいます。
仏教では「三」という数字は、仏様の3種類の身のあり方(法身・報身・応身)とも言われていて重要視しています。
6.真言
真言(しんごん)とは、サンスクリット語のマントラ(मन्त्र Mantra)の訳語で、「(仏の)真実の言葉、秘密の言葉」という意です。『大日経』などの密教経典に由来しています。
空海は、真言について「真言は、不思議なものである。本尊を観想しながら唱えれば無知の闇が除かれる。わずか一字の中に千理を含む。この身のままで真理を悟ることができる。」と記しています。
仏尊ごとに真言があり、それぞれ出典となる経典が存在し、例えば同じ仏尊でも、成立の過程が異なる『大日経』 (胎蔵界) と『金剛頂経』 (金剛界) では真言が異なっています。
般若心経の最後にある「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶([tadyathā] gate gate pāragate pārasaṃgate bodhi svāhā)」も真言です。
7.南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)・宝号
『南無』は「帰依する。信じる」という意味になります。『遍照金剛』は、空海の師・恵果から灌頂を受けたときの投華得仏が大日如来で、その密号である遍照金剛が空海に授けられました。
宗派によっては「南無遍照金剛」と唱えるところもありますが、四国八十八ヶ所では「南無大師遍照金剛」と唱えます。
現在では「空海」「弘法大師」または「お大師」と呼ぶのが一般的ですが、ご本人は遍照金剛の名を好んだとみえて自身の著作にはこの名を使い、天皇に上奏する時は謙って空海と記しているという見解もあります。
8.結願・満願
八十八箇所すべてを廻りきると「結願(けちがん)」となり、どの札所から初めてもよいので88番目の札所が結願寺となります。
その証明書を任意(いずれも有料)で作ってくれる札所があり、88番の大窪寺と43番の明石寺では「結願」の証、75番の善通寺では「満願」の証、1番の霊山寺では「四国八十八ヶ所霊場満願之証」としています。
また、納経帳に、讃岐国分寺では「願行成満」、白峯寺では「大願成就」と記帳してもらえます。
その後、お礼参りとして結願寺から高野山の奥の院御廟に詣でて、全ての札所を参ることができたことを弘法大師に報告し感謝をして満願成就となりますが、これは特に定められたものでないものの、納経帳や掛軸に高野山奥の院の項があるので参拝して納経するのが一般的となっています。さらに、東寺(教王護国寺)に足を伸ばせば「成満証」を希望により(有料)作ってもらえます。
9.お接待
道中、お遍路さんに対して地元の人々から食べ物や飲み物、手ぬぐいや善根宿、ときには現金を渡す無償の提供がなされる伝統をいいます。これに対し、お遍路は持っている納札(おさめふだ)を「お接待」してくれた人に渡すことになっています。
「お接待」の心は、接待することによって功徳を積む、巡礼者もまた弘法大師のある種の化身であるという言い伝えからや、一種の代参のようなものなどさまざまあります。
伊予(菩提の道場)の国 第六十番札所 横峰寺(よこみねじ)
10.有名人のお遍路さん
1)徳光和夫
「徳さんのお遍路さん 四国八十八カ所 心の旅」というTBSの旅番組を2012年10月7日から2014年3月30日までやっていたので、わりと有名です。
2)管直人
四国霊場八十八カ所の遍路を続けてきた菅直人元首相も最後の88番札所の大窪寺まで歩き遍路を行いました。2004年7月から9年程で区切り打ちで歩き遍路を終えました。
3)大泉洋
1999年3月10日~2002年4月24日放送「水曜どうでしょう」という北海道のローカル番組でわずか3泊4日(74時間)という短時間での完全巡拝を敢行し、ロープウェーに乗れなかった21番太龍寺と66番雲辺寺、冬季通行止めの60番横峰寺と20番鶴林寺などを除きほぼ全部を巡拝しました。
しかしながら、このお遍路は山門を訪れるだけの場合もあるので、簡単にいうとインチキで4日で終了したのでした。
4)前園真聖
2017年5月 ~ 2018年5月に結願しました。NHK松山 ひめポン!「前園真聖の自転車へんろ旅」という番組で、お遍路代表として、四国遍路の旅を紹介していく企画ロケでした。
5)小島よしお & 狩野英孝
土佐の国編でも紹介していますが、
2018年4月8日~2019年3月19日、BS12トゥエルビの「小島よしお&狩野英孝のチャリお遍路」という番組でした。珍道中バラエティーですが、過酷ロケ、ベスト5に入るほど肉体的にも、精神的にも辛い、ガチお遍路のようです。
11.海外での紹介
本編でも紹介していますが、四国最南端 絶景リゾートホテル 足摺テルメの宮崎総支配人が、足摺岬の38番札所 金剛福寺の案内と共に紹介しておられます。
ニューヨークタイムズ紙がおススメ!四国八十八ヶ所霊場「岩屋寺」
ニューヨークタイムズ紙がおススメ!四国八十八ヶ所霊場「岩屋寺」 | 愛媛県 | LINEトラベルjp 旅行ガイド
米ニューヨークタイムズ「2015年に行くべき52ヶ所 – 52 Places to Go in 2015 – 」に日本では唯一四国が選ばれました。
ニューヨークタイムズ 四国 お遍路 「2015年に行くべき52ヶ所」|足摺テルメ スタッフブログ
讃岐(涅槃の道場)の国 第八十八番札所 大窪寺(おおくぼじ)
12.まとめ
『四国八十八ヶ所』車でお遍路の中で、関心事をつらつら述べたもので、比較的真面目な項目とどうでもいいような項目になりました。
無事に結願した暁には、も少し掘り下げたものに挑戦したいと思います。