1959年から1963年に日米で放映され大ヒットした同名のテレビドラマを、パラマウント映画が創立75周年記念として映画化した大作です。
財務省の捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)が、ジム・マローン(ショーン・コネリー)、オスカー・ウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)、ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)の3人の仲間と共にギャングのアル・カポネ摘発に乗り出します。1930年代のシカゴを見事に再現した美術、鮮烈なモリコーネの音楽、絶妙のキャスティングとどれをとっても一級の作品となっています。
もう、何度もテレビ放映されてきましたし、誰しも認める名作なので、ちょと穿った見方をしてみました。
この映画ケビン・コスナー演じるネスが主役なんですが、ジム・マローン役のショーン・コネリーとアル・カポネ役のロバート・デ・ニーロの存在感が凄すぎて気の毒なくらいです。ショーン・コネリーは、冒頭から死ぬ間際までネスを助ける重要な役でストーリーに重厚感を与えてくれています。
よく考えると、カポネ逮捕のカギを見つけたのは、財務省からネスのもとに送られて部下となった経理担当のオスカー・ウォレスであり、その証人となるカポネの帳簿係を見つけ出したのはマローンでした。さらに、その帳簿係を人質としたカポネの部下を狙い撃ちしたのはジョージ・ストーンでした。
ネスはウォレスとマローンを殺された私怨で、フランク・ニッティ(ビリー・ドラゴ)を屋上から突き落としただけとなると、アンタッチャブル・チームのリーダーシップも色あせてきますが、最後の最後に判事を脅して裁判を逆転させたのはサヨナラホームランでした。
それにしても、この話は事実に基づいているそうですが、禁酒法時代のアメリカでは、本当に財務省の役人がショットガンをぶっぱなしていたのでしょうか。まあ、現在の日本の麻取、厚生労働省麻薬取締部の麻薬取締官が拳銃の携帯を許されているようなものですね。
ともあれ、ショーン・コネリーは、この映画で1987年、第60回アカデミー賞助演男優賞、第45回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞しています。1996年の『ザ・ロック』のように、主役を食ってしまうような脇役がよくにあっていて、2006年の引退宣言は残念至極です。