凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『フライト・ゲーム』「ハイジャックものにハズレなし!」の上をいく名作です!!


フライト・ゲーム(Non-Stop)』は、『アンノウン』(2011年)のリーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督が再タッグを組んだ、2014年のアメリカ合衆国のサスペンスアクション映画です。

 目次

 

 

f:id:mattyanp2016:20200623201843j:plain

 

1.ストーリー

1)概要

航空保安官のビル・マークス(リーアム・ニーソン)は、幼い娘を亡くして、妻とも離婚したことからアルコールに依存する様になっています。今回の彼の任務はニューヨークからロンドンまでの便に一般客を装い搭乗して、機内をの安全を守ることでした。
しかし、彼の乗る飛行機が上空に達した際、ビルの携帯に謎の人物からのメールが入ります。その内容とは、その人物の指定する口座に1億5000ドル送金しなければ20分ごとに乗客を殺害するというものでした。

そして犯人の予告通りに乗客が命を落としていきました。指定された口座がビル本人名義のものであったことから、ビルは周囲から疑いまでかけられてしまいます。果たして彼は真犯人を突き止めて、乗客達の無事を保つことができるのでしょうか。


2)疑わしき同僚

ビルが一番最初に疑ったのが同僚ジャック・ハモンド(アンソン・マウント)でした。専用回線にアクセスできて、「娘は元気か?」などビルのプライベートに触れることのできる人物は彼しかいません。

 

f:id:mattyanp2016:20200623200722j:plain

 

ビルはトイレでジャックに詰め寄りましたが、銃で撃たれそうになったので反射的にジャックの首を折って殺害してしまいます。残されたジャックの携帯には犯人からのメールが残されていて、実はジャックはコカインを密輸しており、それをネタに犯人に脅迫されていたのでした。


3)疑わしき乗客と機長の死

搭乗前に謎の行動をとったトム・ボーウェン(スクート・マクネイリー)は、誰かにビルに行き先を聞いたら報酬を渡すと言われたといい、その人物を探し出すためビルはトムをひき連れて機内を歩き回ります。しかしながらトムが言う人物は見つかりません。そうこうするうち、今度は乗客ではなく機長が謎の死を遂げてしまいました。

ビルはスマフォのプログラマーであるザック・ホワイト(ネイト・パーカー)に頼み、犯人がビルからのメールを受診すると着信音がなる仕掛けを用意してもらいます。

 

f:id:mattyanp2016:20200623201108j:plain

 

仕掛けつきのメールを送信すると、弁護士だという初老男性チャールズ・ウィーラー(フランク・ディール)の携帯がなりました。チャールズが犯人だと思ったビルは彼に詰め寄りますが、チャールズはこれは自分の携帯ではないと主張し、直後に泡を吹いて倒れてしまいます。


4)殺人の実行犯は?

行き詰まったビルがトイレでタバコを吸いながら酒を飲もうとしたところ、トイレに施された細工に気づきます。そこには小さな穴が空いていて、犯人はそこから吹き矢のようなもので機長に薬物を仕込んだと考えられます。

そのことからビルは、トイレを最後に使用したジェン・サマーズ(ジュリアン・ムーア)を疑います。ジェンが窓際の席にこだわり、ビルの隣に移ったのも、ビルを欺くためだったのではないかと思ったのです。

 

f:id:mattyanp2016:20200623201300j:plain

 

しかしジェンは過去に心臓が停止した経験を持っていて、胸の傷痕はその時の手術のものだったのです。彼女が窓際にこだわるのは、常に死の危険を感じていて、離陸時に窓の外を眺めていたいという思いからでした。


5)犯人の顕在化

飛行機内にビルたちが乗っている飛行機がハイジャックされたというニュースが流れました。先ほどトムの首根っこを引きずりまわしたビルの様子が動画撮影されており、それがネットにアップされたことから、ビルがハイジャック犯だと思われニュースになったのでした。

 

f:id:mattyanp2016:20200623200351j:plain

 

そのことに気づいたビルは動画を撮影した人物を特定して、何度も動画を観察します。そして、トムがビルに引き立てられる前にチャールズの前を通っていることを発見しました。真犯人はトムで、その時にチャールズに携帯を仕込んでいたのでした。しかもトムはザックと組んでいて、二人は共犯だったのです。


6)大逆転

トムの動機は9.11の事件で父親を失ったこと。その時に国民を守ってくれなかったと警官や航空保安官に恨みを抱いており、今回の犯行に至ったのでした。しかもトムはジャックのコカインの下に爆弾を仕込んでいて、乗客もろとも消し去るつもりです。しかし乗客を殺す気は無かったザックとトムは仲違いし、その隙を狙ってビルは拳銃を奪い、トムを射殺しました。

 

f:id:mattyanp2016:20200623201624j:plain



7)爆発から緊急着陸

爆弾も爆発しますがあらかじめ乗客の荷物を上に重ね、飛行機の高度を下げて気圧差を最小限にしていたため、威力を抑えることができました。後部を失いながらも飛行機はアイスランド緊急着陸し、残された乗客の命は助かって、ビルもヒーローとしてマスコミに讃えられたのでした。

 

f:id:mattyanp2016:20200623200619j:plain

 

 

2.リーアム・ニーソンのプロフィール

1)生い立ち

北アイルランドのアントリム州出身。1952年6月7日生、身長193㎝。父親のバーナード・ニーソンはカトリック系の小学校の管理人で、母親のキャサリンは調理師でした。4人兄弟の3番目で、9歳の時からボクシングをはじめ、1971年にクイーンズ大学ベルファストに入学しますが、演劇に興味を持ち中退します。ビール工場や助建築家、アマチュアのボクサーを経て、2年間ベルファストの劇団で演技を学びました。

 

2)キャリア

ダブリンのアビー・シアターの一員になり、舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、映画監督ジョン・ブアマンに見出されて、1981年に『エクスカリバー』で映画デビューを果たしました。

1993年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督映画『シンドラーのリスト』でオスカー・シンドラーを演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされ、同年には『アンナ・クリスティ』でブロードウェイデビューを果たし、トニー賞にノミネートされました。

1996年に公開の『マイケル・コリンズ』でマイケル・コリンズを演じてヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞。

1999年公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』では主役のクワイ=ガン・ジンを演じました。


3)プライベート

1994年に『ネル』で共演したナターシャ・リチャードソンと結婚し、1995年に長男(マイケル・リチャード・アントニオ)、1996年に次男(ダニエル・ジャック)が誕生しました。

妻のナターシャ・リチャードソンは、2009年3月16日にカナダ・モントリオールのスキー場でスキー中に転倒し、帰宅後、彼女は激しい頭痛を訴え、ニューヨーク市内の病院に入院しました。その後、昏睡状態になり脳死状態になり、2日後の18日、事故前の本人の希望に従い、人工呼吸器を含めた全ての生命維持装置が取り外され、彼女は45歳でニューヨーク市内の病院にて死去しました。

葬儀の時、哀しみに打ちひしがれて義母ヴァネッサ・レッドグレイヴに支えられながら歩く様子が撮影され、おしどり夫婦として有名だったため各国のメディアがこぞって報道しました。

 

f:id:mattyanp2016:20200623202011j:plain



3.まとめ

飛行中の旅客機内で、20分おきに誰かが死ぬ。そのサスペンス性の波が密室空間に言い知れぬ緊張感をみなぎらせ、なおかつ往年の航空アクションが持っていたスペクタクル性をも十二分に踏襲している本作でした。

そして、最終的にはやはりその全てを「リーアム・ニーソン」という要素が遥かに凌駕してかっさらってしまうのが何ともニクいのです。

揺らぎながらも歩を止めないニーソンのあらゆる表情、身のこなし、人間的な魅力が炸裂しました。もはや彼そのものがひとつのスタイル、ジャンルなのです。