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映画『ダークナイト』最強のバットマンシリーズです!!

ダークナイト・トリロジー(The dark knight trilogy)という言葉があって、クリストファー・ノーラン監督により製作された、一連のバットマンシリーズ3部作のことをいいます。歴代のバットマン映画において、最も評価されている3部作といっていいかも知れません。

目次

 

 

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1.背景

バットマンについては、DCコミックスの出版するアメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーローです。コミック、映画、ドラマ、アニメ作品と1939年より多くの作品が出現しており、少し先輩のスーパーマン(1936年)に勝るとも劣らない人気を誇っています。

そして、バットマンやスーパーマンに限らず、こうした実績のある人気キャラクターを巡って、リメイクという名の下に、柳の下、焼き直しが現出してきます。

映画のシリーズ作品においては、ほとんどの作品はスタッフやキャストを大幅に変更しており、時系列は最も初期の段階から始まることが定番でありますが、過去作品では再現できなかった表現を現代の技術で演出・解釈し再構築したりします。これがリブート作品です。

また、同名キャラクターや同名作品であっても、異なるコンセプトで再スタートさせることがあって、その場合、過去作品を知る世代と、リブート作品で初めて体験する世代との間に、作品に対する認識の隔たりが生じてくることもあります。

一方、新しいファンを獲得し、興行収入を向上させることを狙ってリブートさせることがあります。リブートは「停滞する」ようになったシリーズを救済する試みであると言え、ファン層をリニューアルすることになります。

 

2.発展

リブートは、シリーズにとって核となる要素とコンセプトを整理することで、あらゆる「不可欠でない要素」を取り除くことを可能にし、シリーズをやり直す手法といえます。リブート作品は、シリーズの初期タイトルをあまり知らない消費者にも簡単に触れることができることになる訳です。

確立された作品のリブートは商業的なリスクが少なく、スタジオ側にとって「安全な」プロジェクトとされますが、何らかの理由で新たなコンセプトが観客に受け入れられず、評論家からの評価は得られても、興行収入で成功したとは言えない場合もままあります。

このシリーズは、シリーズものによくある製作費は順に上がりますが、興行収入は減ってゆくというパターンは当てはまらず、第1作目のヒットを受けて第2作の『ダークナイト』では大爆発しています。

                   製作費   興行収入    公開年

第1作 バットマン ビギンズ    $150,000,000  $372,710,015  2005年

第2作 ダークナイト        $185,000,000  $1,001,921,825  2008年

第3作 ダークナイト ライジング  $250,000,000  $1,084,939,099  2012年


3.バットマン ビギンズ 

 

監督・脚本のクリストファー・ノーランと共同脚本のデヴィッド・S・ゴイヤーによる『バットマン ビギンズ』への取組みは、ダークでより現実的なトーンで、ヒューマニティとリアリズムに基づいた映画にすることを目指して2003年初めに開始されました。

撮影は主にイングランドとシカゴで行われて、従来のスタントやスケールモデルに依存し、CGIの使用は最小限に抑えられました。バットマンクリスチャン・ベールが演じ、またヴィランは、ラーズ・アル・グール(ヘンリー・デュカード)をリーアム・ニーソンスケアクロウキリアン・マーフィーが演じました。さらにバットマンの恋人としてケイティ・ホームズ演じるレイチェル・ドーズが登場しました。 

そして、ゲイリー・オールドマンが、希少な味方のジェームズ・“ジム”・ゴードン警部を演じています。

またこの映画で新しいバットモービル(タンブラー)とバットスーツ)が作られました。『バットマン ビギンズ』は商業、批評的に成功し、2005年6月15日に北米の3858館で公開され、公開初週末に約4800万ドルの興行収入を上げ、最終的に世界興行収入は約3億7000万ドルに達しました。 

アカデミー賞では撮影賞にノミネートされ、批評家は恐怖が映画全体に共通するテーマであると指摘し、以前の『バットマン』映画と比べて暗めのトーンを持っていると述べています。また、『バットマン ビギンズ』はハリウッドに「リブート」という概念を普及させたといえるでしょう。

 

4.ダークナイト 

 

クリストファー・ノーランが再度監督を務め、さらに弟のジョナサンと共同で脚本を執筆しました。『ダークナイト』でもクリスチャン・ベールバットマンブルース・ウェイン)を演じ、さらにヒース・レジャーがジョーカー、アーロン・エッカートがハービー・デント(トゥーフェイス)を務めました。

主要撮影は2007年4月にシカゴで始まり、そのほかにパインウッド・スタジオや香港がロケ地となりました。

ヒース・レジャーは『ダークナイト』の撮影が完了した後の2008年1月22日、睡眠薬の過剰摂取により死亡しましたが、ワーナー・ブラザースは、レジャー演じるジョーカーのスクリーン・ショットを強調する宣伝用ウェブサイトや予告編を作成し、バイラル・マーケティングを行いました。それがあってかどうか極めつけの悪役ジョーカーが大ヒットの要因であったことに間違いありません。

加えて、顔の半分を火傷で損なったハービーの復讐行動もインパクトがありました。
ダークナイト』はオーストラリアで2008年7月16日、北アメリカで7月18日に公開され、好意的な北米での興行収入は5億ドルを超え、全世界では10億ドルを突破し、その他数々の興行記録を打ち立てました。

第81回アカデミー賞では8部門でノミネートされ、音響編集賞助演男優賞(ヒース・レシャーは死去後)を受賞しました。

 

5.ダークナイト ライジング 

 

ダークナイト ライジング』はノーランの『バットマン』三部作の完結を目的として、2008年12月までにおおまかなストーリーのアウトラインを完成させました。2010年2月、デヴィッド・S・ゴイヤージョナサン・ノーランは脚本の開発を始めましたが、ゴイヤーが『マン・オブ・スティール』に取り掛かるために本作から離れると、ジョナサンは兄とゴイヤーによる原案の脚本化を開始しました。

脚本の構想は、1859年に出版されたチャールズ・ディケンズの長編小説『二都物語』が、元になっているそうです。

新キャストにはトム・ハーディのベイン、アン・ハサウェイのセリーナ・カイルが加わり、さらにジョセフ・ゴードン=レヴィットがジョン・ブレイク、 ジュノー・テンプルが「ストリート・スマート・ゴッサム・ガール」と説明された役にキャスティングされています。

撮影は2011年5月に始まり、11月完了を予定していました。ノーランは3D映画にしないものの、画質とスケールの向上のためにIMAXフォーマットを採用し、前2作と一貫性を保ちつつ技術面にも力を入ることを考えていました。2012年7月20日公開され、日本では同年7月28日に公開されています。

最終的なアメリカ合衆国とカナダでの興行成績は4億4800万ドルと、前作の5億3300万ドルを越えられなかったものの、海外でのセールスが好調で、全世界興行成績は前作の10億400万ドルを超える10億8000万ドルを記録しました。

 

6.まとめ

ダークナイト ライジング』でバットマンの実写映画作品としては累計で第7作品目となりますが、「リブート」が見事に当たったシリーズでしょう。過去の作品がアドバンテージとなり現代及び近未来をアタッチメントして大成功させました。