凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ボディガード』主題歌が大ヒットしてメイサクになりました?!

この映画『ボディガード(The Bodyguard)』は1992年に制作され、俳優ケビン・コスナーと女性歌手ホイットニー・ヒューストンが共演し、大ヒットしたロマンティック・サスペンス映画です。

映画初出演となったヒューストン歌唱の主題歌の「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が収録され、デイヴィッド・フォスターの編曲したサントラ盤は全世界で4,200万枚を売り上げる大ヒットを記録しました。

目次

 

 

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1.紹介

ショービジネス界のトップスターと、そのボディガードとの恋を描くラヴ・ストーリーです。監督は「L.A.ストーリー 恋が降る街」のミック・ジャクソン、製作・脚本は「わが街」のローレンス・キャスダン、共同製作は「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のジム・ウィルソンと主演のケヴィン・コスナーで、撮影は「L.A.ストーリー 恋が降る街」のアンドリュー・ダン、音楽は「永遠に美しく…」のアラン・シルヴェストリが担当しました。


2.ストーリー

1)プロローグ

かつて当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンの警護を担当していたシークレット・サービスの凄腕ボディガード、フランク・ファーマー(ケビン・コスナー)は、母の葬儀のため非番にしていた日にレーガン暗殺未遂事件が発生したことから責任を感じて退職、以降は特に決まった警護対象を持たぬ個人のボディガード業を営んでいました。

そんなある日、フランクの元に今を時めくスーパースターである人気歌手で女優のレイチェル・マロン(ホイットニー・ヒューストン)のマネージャーであるビル・デヴァニー(ビル・コッブス)が訪れ、数か月前から彼女のもとに脅迫状が送りつけられ、自宅が荒らされるなどの被害が相次いだことからレイチェルの身辺警護を依頼してきました。

今まで芸能人の警護など請け負ったことのないフランクは難色を示しますが、1週間で3000ドルという破格の報酬を提示されて渋々引き受けることにしました。


2)我儘な依頼人

フランクは早速レイチェルの豪邸を訪れましたが、わがままな性格のレイチェルをはじめスタッフのあまりの危機感のなさにしびれを切らしたフランクは依頼を断ろうとしました。

ビルの懇願によって結局警護を引き受けることになったフランクは、レイチェルやスタッフの反発を買いながらも豪邸の防犯システムの充実など警備体制を強化、運転手にはカーチェイスドライビングテクニックを仕込む徹底ぶりを見せました。

 

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3)危機回避から信頼へ

ところが、より一層フランクへの反発を募らせたレイチェルは宣伝担当のサイ・スペクター(ゲイリー・ケンプ)と共に勝手にナイトクラブでの新曲発表会を強行しようとしました。

そこへ、控え室にまで脅迫状が届いたことからレイチェルは恐怖のあまり一旦は発表会を中止しようとしましたが、ファンの声援に奮起されたレイチェルは思い直して発表会をスタートさせました。

 

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しかし、興奮したファンが暴徒化し、レイチェルはあらかじめつけられていた発信機により駆け付けたフランクに救い出されました。この一件によりレイチェルは考えを改めてフランクに感謝の意を伝え、それから彼に絶大な信頼を寄せるようになっていきました。

これに面白くないレイチェルの元ボディガードのトニー(マイク・スター)は逆上してフランクに襲い掛かるも返り討ちに遭い、格の違いを見せつけられました。


3)恋慕から反発へ

レイチェルはフランクをデートに誘い、すっかり惹かれ合う仲となった二人はそのままフランクの自宅で一線を超えてしまいます。翌朝、依頼人に手を出してしまったことに深く後悔したフランクはあえてレイチェルを突き放す態度を取ってしまいます。

 

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誤解したレイチェルは当てつけのようにフランクの元同僚だったグレッグ・ポートマン(トーマス・アラナ)を誘って、無断で外出するなどの問題行動を繰り返してしまいます。

もうこれ以上レイチェルの警護は無理だと判断したフランクはビルに辞めると告げますが、その直後にレイチェルの一人息子フレッチャー(デヴォーン・ニクソン)を騙った犯人からの脅迫電話がありました。


4)顕在化した危険

強いショックを受けたレイチェルは全てのスケジュールをキャンセルし、フランクと運転手を除くスタッフ全員に休暇を出すと、結局警護を続行することにしたフランクはレイチェルとフレッチャー、そしてレイチェルの姉ニッキー(ミシェル・ラマー・リチャーズ)を連れてオレゴン州の田舎にある自身の父ハーブ(ラルフ・ウェイト)の家へと匿いました。

しかし、安心したのも束の間、フレッチャーが一人で乗ったボートが危うく爆破されそうになり、危険を感じたフランクは直ちにここから脱出するよう促しました。

 

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4)悲しい真相

ニッキーはフランクにこれまでの事の真相を打ち明けました。かつて歌手を目指していたニッキーでしたがレイチェルの方がブレイクしてしまい、嫉妬心から偶然酒場で出会った見知らぬ男にレイチェル殺害を依頼してしまったのです。自責の念に駆られたニッキーは依頼を取り消そうとするも男の連絡先さえも知らずどうすることもできなくなっていたのです。

その直後、ニッキーは侵入した何者かに射殺され、フランクはその手口からプロの犯行だと睨みました。


5)身を挺して

レイチェルは主演映画がノミネートされたことでアカデミー賞受賞式への出席を決断しました。フランクは出席を取り止めるよう忠告しますが、彼女の意志の固さを知って仲間たちと共に全力で警護体制にあたりました。

フランクは会場で別の登壇者のボディガードをしているというポートマンに会いますが、その登壇者はポートマンのことを何も知らなかったことから、フランクはポートマンこそが真犯人だと断定しました。

 

みごと主演女優賞を受賞したレイチェルがステージに上がったその時、カメラマンに変装していたポートマンはレイチェルに向けて発砲しましたが、フランクは自ら銃弾を受けてレイチェルを守り、ポートマンを射殺して事件を解決しました。


6)エピローグ

全てを終えたフランクは新しいボディガードを紹介、別の場所に引っ越すというレイチェルたちと飛行場で別れの挨拶を交わしました。一旦飛行機に乗ろうとしたレイチェルはフランクの元に駆け寄り、最後のキスを交わしました。

 

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この日を最後に二人はそれぞれの道へと分かれることとなり、レイチェルはフランクへの想いを秘めたままステージに立ち続け、そして怪我の癒えたフランクは新たな依頼主の元で警護に就いていました。

 

 

3.四方山話

1)主題歌

主題歌は映画製作の慣例と異なり、撮影現場でホイットニー・ヒューストンのツアーバンドを呼び寄せて撮影したライブ録音であり、音楽プロデューサーのクライブ・デイビスの意向で無編集・無修正でした。

なお、「I Will Always Love You」は、シンガーソングライターであるドリー・パートンが1974年に作詞作曲し、レコーディングしたカントリーの楽曲です。


2)キャスティング

絶頂期のケヴィン・コスナーと、映画初出演のホイットニー・ヒューストンの共演が話題になって、主題歌の”I Will lways Love You”は大ヒットして、興行収入は北米で約1億2200万ドル、全世界ではなんと約4億1100万ドルという結果となりました。

しかしながら、オリジナルはローレンス・カスダンスティーブ・マックイーンを主人公に想定して執筆され、1976年にスティーヴ・マックイーンダイアナ・ロスで、1979年にも彼女とライアン・オニールの主演で企画されていた作品でもあって、あろうことか、ケヴィン・コスナーは風貌からして(特にヘアスタイル)マックイーンを意識したようにも見えます。


3)ラジー賞

製作も兼ねるローレンス・カスダンの脚本は、どこかしっくりこないロマンスとサスペンスとしての緊迫感も乏しく、アラン・シルヴェストリの音楽も彼にしては平凡で、ファンならば、何をしても許せるのだろうが、ケヴィン・コスナーの決まり過ぎた演技は、見ていて気恥ずかしくなってしまいます。

そんなこんなで、第13回ゴールデンラズベリー賞(1993年)では、主演の2人をはじめ、作品賞など主要部門にノミネートされてしまいました。


4)ボディダブル

ポスターや映像ソフトのジャケットに使われている写真で、コスナーに抱きかかえられて顔をコスナーの肩に顔をうずめている女性は、ホイットニーではないボディダブル(替え玉)だとコスナーがテレビ番組「エンターテインメントウィークリー」のインタビューで語っています。撮影時にホイットニーは家に勝手に帰ってしまったとの事でした。


5)用心棒

2人がデートで見た映画は、黒澤明監督作品の『用心棒』でした。これは、タイトルをもじったものだと思われます。

 

 

4.まとめ

主題歌に拘ったこともあり、ホイットニー・ヒューストンの劇中歌は圧巻でした。また、そのオリジナルでしょうか、カントリー風の男声挿入歌も味がありました。