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映画『ダーティハリー5』ハリーよさらば!シリーズ最終作です!!

この映画『ダーティハリー5(The Dead Pool)』は、1988年に公開された、クリント・イーストウッド主演のダーティハリーシリーズ第五弾です。

目次

 

 

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 1.紹介

もはや、クリント・イーストウッド、そして”ハリー・キャラハン”の存在のみが、初期作品の余韻を残す内容であるものの、年齢を重ね、さらに過熱気味の主人公の荒っぽい行動など、見せ場も多い作品でもあります。

60歳に近づいてもイーストウッドは、ギャングの襲撃にも全く動じない、相変わらずのタフ振りで、自分が刑務所に放り込んだ、マフィアのボスに脅しをかける場面などは痛快です。

それに加え、公開当時は若手だったパトリシア・クラークソンリーアム・ニーソン、そしてわずかな出演ながら印象に残るジム・キャリーの出演は、今見ると実に興味深いものです。


2.ストーリー

1)プロローグ

大都会・サンフランシスコ市警察の「ダーティハリー」ことハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)は、シスコのカジノ王ルー・ジァネロ(アンソニー・チャルノータ)を、裏切った自らの側近シレラを殺害した容疑と違法賭博への関与で逮捕しました。
裁判でジェネロは有罪判決を下され、その模様は、TVレポーターのサマンサ・ウォーカー(パトリシア・クラークソン)により、テレビニュースで報道されました。ハリーは一躍、時の人となりました。
そのニュースをある男が、じっと見つめていました。その男は、何名かの人物の名前が書かれたリストに、ハリーの名前を書き加えました。


2)新しい相棒

ハリーはその夜、覆面パトカーで走っていると、ジァネロの部下たちの急襲に遭い、車は大破されましたが、愛用のマグナムで彼らをあっさりと片づけました。この事件をいち早く知り、TVレポーターのサマンサ・ウォーカーが、ハリーにコメントをもらおうとしますが、ハリーは何も答えず、パトカーに乗って去っていきました。

翌日、ハリーは、昨夜の派手な銃撃戦と覆面パトカーを1か月で3台も壊したことで、上司のドネリー部長(マイケル・カリー)とアッカーマン課長(マイケル・グッドウィン)に非難されました。大物を捕まえて、思わぬ形で有名人となったハリーは、署のイメージアップと新人募集に使えると言われ、マスコミへは協力的な態度をとってほしいと言われました。

そして、ハリーは、自分の相棒は次々に死んでいったので、相棒を嫌がりましたが、上司の命令で新しい相棒としてアジア系のアル・クワン(エヴァン・C・キム)がつけられました。


3)起こった殺人事件

早速、殺人事件が起きました。ハリーはクワンと共に、現場に急行しました。殺害されたのは、低予算で制作中のホラー映画に出演中だったヤク中の人気ロック・アーティストのジョニー・スクエアーズ(ジム・キャリー)でした。彼はトレーラー内で致死量のヤクを打たれ殺されていました。クワンは「殺人課はかっこいい。有名人と会える。…有名人は2人道連れにする」とハリーに言いました。

その映画の撮影現場は、精肉工場内の冷凍庫の中で行われていました。第一発見者はその映画監督のピーター・スワン(リーアム・ニーソン)と助監督でした。ハリーはスワンに事情聴取をすると、彼は「生きている姿を見たのは30分ほど前で、発見したときは一人だった。ヤクは本人の問題だ。撮影に影響がない限り、気にしない。奴はロックスターだ。ヤクについて歌って有名になった。ジョニーの名前でチケットは売れる。音楽ビデオはいい宣伝になる。何か分かったら、真っ先に連絡する」と答えました。

ハリーがクワンにジョニー関係者全員を洗えと指示していたとき、TVレポーターのサマンサがハリーにコメントを求めに来ました。嫌々ながらもハリーは「まだ捜査中です。今の段階では何も…」と答えると、サマンサはジョニーの恋人スザンヌ・デイトンが現れたので、さっさと彼女の方に行き、泣き叫ぶ彼女から強引にコメントを撮ろうとしました。その様子に見かねたハリーは、強引に間に割り込み、テレビカメラを取り上げると、それを放り投げて壊しました。

 

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4)謎のリスト

ある男の部屋、そこには「背徳は密の味」「悪魔のいない地獄」「死者の影」と書かれたホラー映画のポスターなどが壁一面に貼られていました。その男は、「監督」と文字の入った椅子に座り、「ホテル・サタン」のスタッフジャケットを着て、何やらタイプを打っていました。そこにはタイプで打たれた人物たちの名前のリストがあり、そのジョニー・スクエアーズの文字の横にペンで「永眠」と書き込みました。

そして、その紙をタイプ打ちしていた封筒に入れると、もう一通の封筒をタイプにセットし、打ち込み始めました。TVニュースではサマンサがジョニー死亡のレポートをしていました。男はテレビのスイッチを切ると、タイプし終えた封筒を抜き出しました。その封筒の宛名は「サマンサ・ウォーカー」でした。

ハリーは、クワンとチャイナタウンに聞き込みに回っていました。すると突然、レストランから一人の男が銃声と共にガラスを突き破って倒れてきました。ハリーはクワンに応援を要請すると、単身、現場の裏手に駆け込みました。それは4人のチンピラの強盗事件でした。ハリーは店の裏手から入り、客のふりをして、静かに席に座りました。ハリーは「お前の運は尽きた」と言うと、犯人たちを銃で次々に撃ち殺しました。

しかし、犯人の一人を取り逃がしてしまいましたが、相棒・クアンが素手で犯人を倒し、逮捕しました。クアンは最初に打たれて殺された人物から、一枚のリストを発見しました。クアンは、ハリーに「ディーン・マディソンだ。…彼はあんたを知っていた。このリストがポケットに」と言うと、そのリストの紙を渡しました。

そのリストにはプロフットボール選手やカーレーサーなどの有名人の名前の下に、ハリーの名前も記されていました。そして、殺されたジョニーの名の横には「永眠」と書かれていました。


5)サマンサからの条件

署に戻ったハリーは、ジョニー殺害現場でテレビカメラを壊した件で、署に賠償金請求が来たこと、なぜマスコミに協力的態度で臨めないのかなどで責められました。ハリーは「捜査の邪魔をするから」と反論しますが、上司は無視しました。そこへあのサマンサがやって来ました。

彼女は、テレビカメラは壊されたが証拠の録画テープは無事で、告訴の取り下げを考えていることを条件に、ハリーと夕食をすることを提案してきました。ハリーは応じざるを得ませんでした。

2人はあるレストランで夕食を共にしました。サマンサはハリーに、ジョニー殺害事件での自分のやり方は行き過ぎだったと謝ってきました。そんなサマンサにハリーは、「警官は好きですか」と尋ねると、彼女は「交通違反で捕まったとき以外はね」と冗談交じりに答えました。サマンサはハリーにカメラ破壊の告訴取り下げの見返りとして、ハリーの密着取材を申し入れてきました。

ハリーは彼女に「君たちが興味があるのは死と暴力だけだ。視聴率アップを狙う報道陣も気に食わん」と言います。彼女は「それは私の目指す報道じゃないわ」と反論しましたが、ハリーは席を立って出ていきました。


6)デッド・プール

署でクワンとトレーニングをして一汗かいたハリーは、サマンサのTVニュースを観ました。サマンサは独自の調査で「“ホテル・サタン”のスワン監督とスタッフは、“デッド・プール”というゲームに興じていました。

プレーヤーそれぞれが8名の有名人を選び、決められた日までに、死ぬかを争います。リストの有名人が多く死んだ者が勝ち。…スワン監督のリストにジョニーの名がありました。スワン監督はノーコメント。映画の経理担当のディーン・マディソンも参加していたもよう。マディソンは昨日、チャイナタウンで撃たれて死にました」と報道しました。

ハリーはこの報道を観て、クワンと共に、スワンにリストのことを訊くため、撃ち殺されたマディソンの葬儀に行きました。

 

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スワンはハリーに「撮影スタッフは皆、知っていることだ。単なるゲームだから言わなかった。…人は死と暴力が大好きだ。だから俺の映画も売れる。逃避だ。恐怖からの解放だ。このゲームも同じだよ。映画もゲームも本気に取らない。…俺はやってない。制作アシスタントには話を聞いたのか?…ジョニーはヤク中だった。それで死を予測した。年寄りが危険な職業に就く。有名人を選んだにすぎない」と答えました。

ハリーは彼に「リストに載るのは気分が悪い。(立場が逆なら…)お前をリストに載せる。…ゲームをしたけりゃ。ルールを覚えろ」と言って、その場を立ち去りました。


7)和解

ハリーはサマンサに会って情報のネタ元などを訊くため、テレビ局のスタジオに行きました。サマンサはハリーに「証言は取れてるの、監督のアシスタントと特殊効果担当よ。新聞がかぎつけてたから、発表を急いだの。(情報は)手紙よ。リストのコピーとルールの説明付き」とネタ元を話しました。

ハリーは「もう始まってるな。メディア戦争が。新聞にリストが載れば、捜査に支障が出る。報道は事実を誇張し、歪曲して流す。無駄に人を傷つける。競争を忘れて、報道の責任について考えろ」と言うと、サマンサからリストをもらい、その場を立ち去りました。

 

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ハリーはサマンサに「借りができた」と言い、彼女とその夜、夕食を共にしました。サマンサはテレビ局に入り、ここまで来るまで、いろいろなことをしてきたと、ハリーに話しました。そして、サマンサは「まだ(あなたの密着取材は)諦めていないわ。きっと誤解していると思う。分かってもらいたい」とハリーに言うと、ハリーは「考えとく」と答えると、彼女をエスコートして、レストランを出ました。

打ち解け始めた二人を、二人の男が待ち伏せしていました。二人がエレベータに乗るやいなや、二人めがけて、男たちはマシンガンで発砲してきました。ハリーはサマンサを庇い、エレベータを降りると、銃を抜いて男たちを追いかけました。ハリーは逃げる二人を、簡単に片づけました。

現場にクアンたちがやってきました。クアンはハリーに「ジェネロはあんたのことが嫌いらしい」と言うと、ハリーは震えるサマンサの元に行きました。サマンサは「幾ら貰っても割に合わない職業ね」とハリーに言うと、駆けつけたマスコミを見て、「私の同業者たち。ニュースになりたくない」と言いました。ハリーは彼女を連れて現場から立ち去りました。


8)ブラフ

ある日、ハリーは刑務所に行き、以前検挙した大柄な筋肉質の男・ヒックスにタバコ1カートンを与え、立っていてくれるだけでいいと頼み、ジェネロに会いにいきました。

 

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ハリーがジェネロの所に行くと、彼は「“デッド・プール”でビビったか。俺も聞いたよ。いい知らせはすぐ来る。今日のヒーローは、明日は死人だ。」と悪態をついてきました。ハリーはジェネロを監房から引きずり出すと、立っているヒックスを見せ、「止めさせろ。…仕事をしろ。“郵便配達”の仕事だ。分かるか。郵便を確実に配達しろ。…あいつは3人殺した。奴は俺のペンパルだ。週に1回、手紙を送る。病気のお袋さんの様子を知らせてやるんだ。もし、俺に何かあって、手紙が途絶えたら、…奴はお前を八つ裂きにするだろう」と脅して、出ていきました。

その日、スワンは港で映画の撮影をしていました。そこにマスコミの記者たちが集まってきているのを見て、スワンは彼らに「“デッド・プール”はすべきではなかった。…これまでの事は忘れて、映画の撮影に専念するつもりです。…映画は絶対にやめない」と言うと、撮影現場に戻っていきました。後ろでハリーはスワンを見張っていました。


9)真犯人

その日の夜、映画評論家のモリー・フィッシャーはデスクで原稿をタイプしていました。何か背中が寒いので、隣の部屋に行くと、ガラス戸が開いていました。彼女がそれを閉めた瞬間、ある男に口を塞がれ、ナイフで脅され、ソファーに倒されました。

その男は彼女に「夜はゆっくり時間が流れる。俺の映画と同じ、夢の世界だ。…心温まる批評か…笑える。俺の映画が好きか?…“死者の影”、“悪魔のいない地獄”、“切り裂き魔の夜”」とナイフをソファーに突き刺しながら問い詰めると、フィッシャーは「ピーター・スワン」と答えました。

その男は「俺の映画は?正直な意見を聞かせてくれ」と言うと、彼女が震えながら「好きよ」と答えると、男は「嘘つきめ!」と言って、彼女を刺し殺しました。

翌日、現場検証に来たハリーとクアンは、“デッド・プール”を見つけました。彼女もスワンのリストにありました。署に戻ったハリーとクアンは署長に「テレビ局に送られたリストと同じ字体だ」と彼女の家にあったリストを渡し、「昨夜、隣人が男を目撃…30代半ば、黒いジャケット着用」と報告すると、署長は「スワンを拘束しろ」と命じてきました。

ハリーは「何か変だ」と直感を言うと、署長は二人を怒り始めました。その時、ハリーへの電話が入ってきました。ハリーは電話を取ると、署長に「犯人を捕まえに」と言い、クアンと共に現場に向かいました。

ハリーたちが現場に着くと、ガス・ウィラーという男がガソリンを全身に浴び、発煙筒を持って、「俺が殺人犯だ。テレビに映せ」と要求していました。ハリーはサマンサが来ていたので、サマンサをリポーターに、自分はカメラマンに変装して、男に近づきました。男は自殺して、ただ単にニュースに出て目立ちたかっただけでした。

サマンサは「誰も死ぬところは見ない。カメラを止めるから…話は聞くわ。でも自殺を映したりしない」と男にきっぱりと告げました。ハリーもカメラを肩から下ろしました。ハリーは「全部ぶち壊しだ」と嘆く男に、「火をよこせ。ニュースになった」と言うと、男は発煙筒をハリーに渡そうとしました。

しかし、その瞬間、男が捨てたもう1本の発煙筒からガソリンに引火し、男は火だるまになりました。ハリーは男に飛びつき、消防士が駆けつけ、火を消し、茶番劇は終わりました。「私のせいだわ」と自分を責めるサマンサに、ハリーは「事故だよ。…勇気がいることだ。独占取材を棒に振るのは」と言って慰めました。


10)スタッフジャンバーの男

ハリーは、ピーター・スワンに会いに行きました。スワンは自分にアリバイがあることを主張しました。ハリーは「誰かがあんたをハメようとしている」と告げました。スワンは「皆に憎まれている。信じないなら秘書に会え、警告や脅しなどの手紙を見せてくれる」と答えました。ハリーはクアンに秘書に会うように指示しました。

ハリーは「スタッフジャンバーを持っているのは、過去の撮影スタッフの可能性もある。君と君の映画から殺人のヒントを得てる」という自分の推理をスワンに告げました。
そのスタッフジャンバーを着た男が、電器屋でコイルなど何やら買い物をしていきました。

ある日、評論家であり司会者でもあったロッカーが、テニスをしに車で出かけようとしていたとき、後ろからリモコン・カーが彼の車の下に走ってきて止まり、彼は車ごと爆破され殺されました。現場検証に来たハリーとクアンは、おもちゃの車の車輪のようなものを見つけました。

この司会者殺害事件でマスコミに囲まれたスワンは、サマンサの「“デッド・プール”との関係は?“悪魔のいない地獄”では毒殺、2作目では刺殺、ですから新作の内容は新作の内容と一連の殺人は関連を?」という質問に対して、「“デッド・プール”との関係はない。大げさに報道しすぎだ。聞きたいなら警察に行け。キャラハン刑事と話せ。俺は無関係だ」と言い、立ち去りました。この様子をテレビで観ていた犯人の男は、ハリーに対して異常なまでの憎しみを持ちました。


11)真犯人

ある日、ハリーとクアンがジョギングをしていると、クアンが途中でバテてしまい、家に帰りました。その時、ハリーは1台の車が自分を尾行していることに気がつきました。ハリーはわざと人けのない場所に行くと、身を隠しました。尾行していた車はハリーを見失い、二人の男たちが出てきました。ハリーは静かに男たちの背後から声をかけ、二人を殴り倒しました。すると、二人はジェネロに雇われ、ハリーのボディーガードをやっていると言いました。

その日、ハリーとクアンは、スワンの秘書から受け取った手紙の字体とリストの字体が同じであったハーラン・ルーク(デヴィッド・ハント)という人物に注目しました。二人はスワンの所に行き、彼の事を訊くと、スワンは「俺の出る映画祭やセミナーに必ずいた。俺の映画や俺のことを何でも知っている。ちょっと不気味な奴だ。シナリオを持ち込んで恐怖映画を撮れとしつこかった。最後は法的手段に訴えたよ。1年以上、姿は見てないし、何も言ってこない」と言いました。

署に戻ったハリーはクアンに、スワンの弁護士に電話し、陸運局にも当たるように指示しました。そして、ハリーが席につくと、机の上に一通の封筒がありました。その中には“デッド・プール”のリストが入っていました。そのリストには自分の名前があり、その横には“永眠”と手書きで書かれていました。ついに犯人の男はハリーへ宣戦布告をしました。クアンはハリーの身を案じ、いつも自分と一緒にいるように言いましたが、ハリーはサマンサの車に乗り、サマンサの家に行き、一夜を共に過ごしました。


12)リモコン・カー

翌朝、クアンはハリーを迎えに行きました。ハリーは、道路で子供たちがリモコン・カーで遊んでいるのに目が留まりました。ハリーの運転でクアンは、ルークを診た精神分析医の所に向かいました。ハリーの車の跡を、1台のリモコン・カーが追い、信号機の前でハリーの車の下を追い越して止まりました。

ハリーは直感的にリモコン・カーに爆弾がしかけられ、それに追われていることに気がつきました。ハリーはリモコン・カーを何とか振り切ろうとしましたが、行き止まりの道に入ってしまいました。ハリーたちの車にリモコン・カーが迫ってきました。ハリーは一か八かでリモコン・カーが車の下に入った瞬間、急バックしましたが、車のフロント部分は爆破され、クアンは重傷を負いました。

 

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ハリーはルークの精神分析医のフリードマン医師に話を聞きました。医師によると、ルークは1年前に統合失調症と診断され、ひどい自己嫌悪で自分の人格を失い、本や映画などの登場人物を自分だと思い込み、またその人物に対して愛憎の感情を持つようでした。

ハリーがルークの家に行くと、爆弾づくりができる完璧な状態でした。そして、部屋にはピーター・スワンのオンパレード状態でした。ハリーは、犯人はハーラン・ルークと確信しました。そして、“デッド・プール”のリストに“サマンサ・ウォーカー”と手書きで書かれていました。

次のターゲットはサマンサと気付いたハリーは、さらに探すと給与明細が出てきました。それは“サンダウン警備会社”というロケの警備をしている会社で、ルークが偽名で働いたものでした。ハリーは車でルークの行きそうな場所に向かいました。


13)拉致

その頃、サマンサの元に一本の電話がかかってきました。それはピーター・スワンからの独占インタビューの誘いの電話でした。サマンサはカメラマンと共にワゴン車に乗り、スワンの独占インタビューに行こうとしたとき、ルークはカメラマンをナイフで殺害し、ある場所に彼女をさらっていきました。

ルークは、サマンサをスワンが映画で使っていた椅子に座らせ、カメラを回しました。ルークは彼女にナイフを突き立て、「お前が望んでいたことだ。独占インタビューだ。奴の映画は全部、俺の悪夢なんだ。ただじゃ済まない。償わせる」と言うと、音楽をかけ、「俺は奴の“デッド・プール”を盗んだ。実行してやる。奴の名前を借りてな」と再びサマンサを脅しました。しかし、彼はサマンサから思いもよらない抵抗をくらいました。

 

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14)運が尽きた

そこへ、ハリーがマグナムを構えてやってきました。驚いたルークはサマンサを盾にしました。ハリーはドアに鍵をかけ、退路を斜断しました。ルークはサマンサの首にナイフを突き立て、執拗にハリーに銃を手放し、蹴るように求めました。ハリーは仕方なく銃を手放し、ルークの方に蹴りました。ルークがしゃがんで銃を奪おうとしたとき、ハリーは手近にあった鉄棒をカメラに向けて投げ、カメラを倒しました。

ルークはそれに気を取られ瞬間、サマンサは逃げ、ハリーも蒸気を利用して隠れました。逃げるサマンサを、ハリーは確保しました。二人は上へと逃げました。ハリーは小部屋にサマンサを隠すと、自分が囮になり、ルークをある場所へとおびき寄せました。ルークはハリーを見失い、戸惑っていると、背後からハリーが、スワンが映画で使っていた捕鯨砲を持って現れてきました。


15)エピローグ

そこはスワンが映画ロケをしていた場所でした。ハリーはルークに「意味が分かるか。運が尽きた」と言うと、ルーク目掛けて発射しました。ルークは銛に串刺しにされ、後ろの壁に突き刺さりました。ハリーは、死んだルークから44マグナムを取ると、サマンサを連れて、集まる警察やマスコミの中を二人だけで去っていきました。

 

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3.四方山話

1)リーアム・ニーソン

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シンドラーのリスト』(1993年)『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)とお馴染みのリーアム・ニーソンですが、当時、36歳、既にキャリア十分ではあった彼を初めて注目したのは本作で、演技よりも、線はまだ細いが、長身のイーストウッド(193cm)とほぼ同じ体格だったことなどが、当時、妙に印象に残ります。


2)ジム・キャリー

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『マスク』(1994年)『トゥルーマン・ショー』(1998年)でお馴染みのジム・キャリーはメイクをしているので、今見ても気づかない人がいるかもしれませんが、その後の彼の活躍を思うと、ジャンキーのロックアーティストの演技は、そのキャラクターを窺い知れる演技を見せています。


3)ダーティーハリー誕生秘話

ダーティハリー』シリーズは本作の第五作で終了していますが、成り立ちについて、この『ダーティハリー』のオリジナル脚本の映画化権は、はじめ、ユニバーサル映画が持っていて、ポール・ニューマン主演で映画化が予定されていました。ところが、彼が「乱暴すぎる」と断わったところから映画化権はワーナー・ブラザースに売られ、フランク・シナトラジョン・ウェインが主役にオファーされましたが彼らも断りました。
そのあとで出演を依頼されたイーストウッドは監督をドン・シーゲルにすることを条件に承諾し、ユニバーサルと契約していたシーゲルは、ワーナーに貸し出されて22年ぶりにワーナーで映画を撮ることになりました。

ジョン・ウェインは法律の枠を踏み越え、憎悪を糧として悪党を追いつめていくハリーのアクの強さを嫌って出演を断りましたが、あとになって後悔した、という話が残っています。

 

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4.まとめ

シリーズ5作のうち、4作目は、時代がかわりキャラハンも変わらざるえなく、キャラハンを終わらせるためのレクイエム的存在で、第5作は、イーストウッドが後輩のために一肌脱いで付き合ったっていう程度の作品かも知れません。
当時、映画は読み切り小説的だったので、シリーズ化されるものは当時は珍しく、それだけ人気があったということになります。