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映画『ターミネーター3』ハイパーSFアクション第3弾!究極の女性型ターミネーター出現!!

この映画『ターミネーター3(Terminator 3: Rise of the Machines)』は、シリーズの第3作(T3)にあたる2003年に公開されたアメリカのSF映画です。

目次

 


1.紹介

前作の2倍、2億ドルの製作費をかけた超大作で、派手なアクションはあるものの、全作のような斬新なアイデアや革新的な技術は物足りなくはありますが、シリーズの根強い人気を証明している北米興行収入は約1億5000万ドル、全世界では約4億3300万ドルの大ヒットとなりました。

主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは、50代の半を過ぎ、12年のブランクがあったにも拘らず、前作と変わらない体型と容姿で登場して、野暮ったいギャグを飛ばしながら、相変わらず大奮闘を見せて暴れ回ります。

 

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2.ストーリー

1)プロローグ

T-1000ターミネーターとの死闘から10年後のロサンゼルスで、1997年に起きるはずだった審判の日は、ジョンの母、サラ・コナーの活躍により回避され、ジョン・コナー(ニック・スタール)は、生きる目的を知らないまま、各地を放浪していました。

すでに母サラ・コナーは白血病で他界しており、ジョン・コナーは自暴自棄な生活を送っていました。ケイト・ブリュースター(クレア・デインズ)はフィアンセとの結婚準備に取り掛かります。


2)ターミネーター出現

その頃、ある砂漠に近い場所で、青い電気が走り、裸の男T-850(アーノルド・シュワルツェネッガー)が現れます。
彼はダンスクラブへ入り、ダンサーの服を奪って、ロサンゼルスの街へ行きました。

同じ頃、ロサンゼルスの服飾店のショーウィンドウで、青い電気が発生し、裸の女性T-X(クリスタナ・ローケン)が現れます。
近くを通りかかった女性の服と車を奪って、自身のデータベースを照合、データに侵入し、ある人物を探して殺していきます。


3)攻防開始

そのデータには、ケイト・ブリュースターも含まれており、女ターミネーターはケイトの勤務する動物ケアセンターに向かいます。ジョンはバイクで転倒し、痛み止めを得るため、動物ケアセンターにたどり着きます。ケイトが朝の出勤のために中へ入ると、盗みを働いているジョンを見つけ、動物の檻の中へ閉じ込めました。

ターミネーターは、動物ケアセンターの中へ入り、ケイトを探し、偶然、床に落ちていたジョンの血を確認して、ここにジョンが隠れていることを確信し、ケイトを外に引き連れ、ジョンはどこだと尋ねます。そこへトラックが現れ、女ターミネーターを吹き飛ばしました。

トラックから出てきたのは、大柄の男で、ケイトを背負い、同じようにジョンはどこにいるかを尋ねました。ジョンは自力で檻を脱出し、廊下に出たところで、大柄の男と出くわします。彼が見たのは幼いころ見たのと同じ姿をしたターミネーターでした。

ターミネーターはジョンを車に入れて、早く運転しろと言います。女ターミネーターが近づいたので、ショットガンで応戦しますが、男のターミネーターを吹き飛ばしてしまいます。

ターミネーターは、パトカーをハッキングして、ジョンの乗る車を数台の無人車で追跡させ、女ターミネーターはトラックに乗り追いかけてきます。男のターミネーターも起き上がり、彼も警察バイクで追跡をしましす。彼らの街を破壊するカーチェイスののち、大柄の男ターミネーターはジョンの車に乗り移り、運転をしました。


4)進化したターミネーター

男のターミネーターは、自分がT-850型ターミネーターであることと、相手は新型のT-Xターミネーターで、勝てるかどうかわからないと言います。ジョンは貨物室へ移って、ケイトと話します。そこでケイトは、男が幼なじみのジョンであることを知り、ジョンも状況を説明しました。

彼らはガソリンスタンドへ立ち寄り、食料を補給後に、サラ・コナーの墓地へと向かいます。新型のT-Xターミネーターは、ケイトのフィアンセ・スコット(マーク・ファミリエッティ)を殺し、スコットに変身したまま刑事の車に乗り、墓地へ向かいます。

墓地についたジョン達は、T-850ターミネーターがサラ・コナーの棺を壊したので、その中に大量の銃などの武器があることを知ります。サラ・コナーは来るべき日のために備えていたのです。

 

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墓地では大勢の警察官が包囲し、そこへT-Xターミネーターも姿を現し、T-850ターミネーターと応戦します。ジョン達は霊柩車で脱出し、キャンピングカーに乗り変えます。


5)T-850の苦悩

T-850ターミネーターは、T-Xターミネータースカイネット関係者すべてを抹殺しようとしていること、それはケイトの父ロバート(デヴィッド・アンドリュース)も含まれていることを知り、彼らは父ロバートを救うため空軍基地へ急ぎます。

 

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ケイトの父は軍のシステムをスカイネットに接続させることに成功します。しかしウイルスに潜入されてしまいました。ケイトらが基地へ着き、父ロバートと会ったのも束の間で、T-Xターミネーターが襲撃、基地にあるすべての実験用マシンにウイルスを注入し、マシンは人々を襲い始めます。

T-850とT-Xターミネーターは戦い、T-850は、T-Xターミネーターにチップのデータを書き換えられて、本来のジョン・コナー抹殺指令が復旧してしまい、ジョンに襲いかかります。しかし、T-850はなんとか自身を制御し、上書きされたデータを打ち破ってジョンを逃がすことができました。

 

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6)エピローグ

ジョンとケイトは、父ロバートの飛行機に乗り核シェルターへと向かいます。核シェルターへ着いた矢先、T-Xターミネーターが彼らを襲いますが、直後にヘリコプターでT-850も到着し、T-Xターミネーターとの必死の応戦により、T-850はシェルターのハッチが閉まるのを防ぎました。

ジョンとケイトがシェルターの中へ入るのを見届けると、T-850はT-Xターミネーターの口に水素電池を突っ込んで、自らを犠牲にして破壊するのでした。

ジョンらがシェルターの中へ入って、そこで見たのは、使い物にならない旧式のコンピューターがある部屋でした。

世界中から発射された核ミサイルは各地の都市を破壊していきました。それはまさに「審判の日」だったのです。

T-850の使命とは、ジョンとケイトを「審判の日」から生き延びさせる事だったので、戦いは今始まったばかりなのでした。

 

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4.四方山話

1)キャスティング

①T-850

シュワルツェネッガーは当初は出演しないと発言していましたが、最終的に出演を決めました。彼は今作のために前作及び一作目とほぼ同じ体形に鍛えなおしました。裸のシュワルツェネッガーが服を奪う恒例のシーンがあるのは現時点では本作が最後になります。

シュワルツェネッガーが出演しない場合の脚本も用意されていました。シュワルツェネッガーはその後『T3』のゲームでも2回声優として出演をしています。

②ジョン

前作でジョンを演じたエドワード・ファーロングには製作側から続投が望まれており、当初は出演すると報道されていましたが薬物問題のために降板しました。

シェーン・ウェストやジェイク・ギレンホール、ローガン・マーシャル=グリーンなど多数の代役候補の中からニック・スタールが抜擢されました。

③サラ

多くの報道で「サラ役のリンダ・ハミルトンが回想シーンに登場する」という情報が流れました。当初は彼女にも出演依頼がなされ台本を渡しましたが「この脚本にはドラマがない」との理由から降板しました。

④ケイト

ケイト・ブリュースター役はソフィア・ブッシュが選ばれていましたが、モストウ監督から「若すぎる」と判断され、クレア・デインズへ替えられました。

⑤ドクター・シルバーマン

アール・ボーエン演じるドクター・シルバーマンは本作にも登場しました。ボーエンはシュワルツェネッガーと同じく3作連続出演ですが、同一人物の役で登場しているのは彼だけです。


2)シュワルツェネッガーとは

「一緒に演技をしていて、ものすごく楽しいんだ。リハーサルを重ねて、どんどんいろんなことを試していくし、まわりにも気を使う。彼ほどの成功をおさめた人が、あれほど勤勉に仕事をする姿を見て、刺激になったよ。ほんとうに楽しかったな」

     ジョン・コナー役ニック・スタールのインタビューより    映画.com

3)T-Xの役作り

クリスタナ・ローケンは、栄養士について、筋肉を15ポンドつけ、とにかく徹底的にトレーニングを行い、体を一回り大きくしました。

武器のトレーニング、ウェイトトレーニングイスラエルの格闘技であるクラブマガ、さらに、非人間的な表情をするために、顔の表情に関して、特別なコーチングを受けました。


4)決め台詞

T-850がT-Xを破壊したときの決め台詞は「You are terminated.(抹殺完了)(お前を抹殺する)」でした。
これについて、シュワルツェネッガーは「後世に残るような決め台詞をスタッフと相談しながら考えた。色々な台詞を試したが、これ以上の物はなかった」と語っていましたが、この台詞は奇しくも、第一作目でサラがT-800をプレス機で潰すときのものと同じでした。

 

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4.まとめ

本作は、T-Xの辻褄の合わない身体の作りと戦い方が、T-1000の作り込みと比較して、設定が曖昧に感じます。
ただ最後の審判の日の演出は、その後のターミネーターの世界観を壊さないストーリー展開と、ジョン・コナーのその後を期待させる締めくくりは、素晴らしいものでした。