凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ランボー 最後の戦場』20年ぶりのランボー!期待通りです!

前作の「ランボー3/怒りのアフガン」から、実に20年ぶりの続編で、「ランボー」シリーズの第4作目となります。

 

タイ北部で隠遁生活を送るベトナム戦争グリーンベレーの英雄ランボーシルヴェスター・スタローン)は、NGO職員サラ(ジュリー・ベンツ)から、迫害されているキリスト教徒のカレン族に医療物資を届けるべく、ミャンマー国境地域まで船で送ってほしいと依頼されます。

         

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ランボーは危険すぎると固辞しましたが、その熱意に打たれ結局無事に送り届けました。しかしながら、その直後にカレン族を襲い虐殺した政府軍にサラと仲間の職員は拉致されてしまいます。

 

数十年間続くミャンマーの軍事政権が、人民やカレン族を陵辱虐殺し、地雷に手足を吹っ飛ばされる様子を見てゲラゲラと笑っています。

 

救出に向かった傭兵は元SAS(英陸軍特殊部隊)隊員らの猛者連中が手も足も出ずにいるところに、世を捨てた逃げ腰のボート屋だと思っていたランボーが弓矢を手に颯爽と現れます。

 

さらにランボーは、拉致されたNGO職員を傭兵とともに救出に向かい、辛うじて助け出しますが、ボートの船着き場では、多勢の政府軍に先着のNGO職員と傭兵たちが捕まりまさに処刑されようとしていました。

 

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遅れて駆け付けたランボーは政府軍のブローニングM2機関銃を分捕り阿修羅のごとく撃ちまくります。1発2発弾を受けても何のその、まるで鬼神のようです。

 

これが、まさにランボーランボーたる登場と活躍です。そしてランボーは闘い終わり、この修羅場に背を向けて一人静かに去ってゆきます。

 

舞台設定として重要な要素なので現地に潜入した元傭兵のコメントを引用します。

 

元・傭兵であり、カレン民族解放軍に加わりビルマ(2012年現ミャンマー)からの独立闘争に参加し、ミャンマーでの実際の戦場を眼にしてきた高部正樹は、パンフレットや雑誌などで度々本作についてコメントしており、現地の惨状をリアルに再現したことを高く評価している。高部曰く、本作の残虐なシーンは決してオーバーではなく、むしろ現地では映画以上に残虐な行為が行われていると述べている。

 

スタローンはこの辺を思惑も躊躇もなく非情に描きます

 

スタローンはインタビューの中で、「ランボーシリーズ中で最も残忍な映像になったのは、‘現実’を描いたから」だと述べており、「極力(ランボーの)ヒーロー性を排除し、現実の悲惨さを訴えたかったから」だと述べている。


スタローンに気遣いや忖度は似合わないし、ましてランボーとなれば善・悪、白・黒はっきりしてこそストーリーです。冒頭でニュース映像を流してこれが悪と示して、これに立ち向かって派手にドンパチをやらかします。

 

あらゆる特撮技術を駆使して、すさまじい大殺戮を鮮明映像でこれでもかと見せます。「ランボー3/怒りのアフガン」(1988年)は1分間に1人死ぬギネス級の大虐殺映画とも言われましたが、それに勝るとも劣らない大量の死体が転がります。

 

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ランボーシリーズは、超過激な軍事アクションと思われていますが、シリーズ当初のころから意外と本物志向なところもあって、撮影に使うのはもちろん実銃で、その銃も戦場に合わせ吟味しています。もっとも傭兵が使うとすれば気に入ったものでもなんでもよく、タイ奥地ミャンマー国境周辺なら古今東西の銃砲が入り乱れ何が出てきても不思議はありません。現に第二次大戦のイギリス軍が使ったトールボーイ爆弾まで登場させています。

 

さらに、戦闘シーンでの被弾による人体損傷の表現にも本物らしさ追求の精神が生かされています。ブローニングM2という、ランボーの生まれる遥か前の古い機関銃を撃ちまくるシーンがりますが、この機関銃80年も前から対飛行機・船舶用にも使われてきたもので、至近距離で撃たれたものなら間違いなく人間の肉体は四散してしまいます。

 

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シルベスター・スタローンは自身の代表シリーズである「ランボー」を「現代の西部劇」と称しましたが、まさにおっしゃる通りです。この映画、ランボー的な古き良きアクション映画が大好きな人や、軍事マニアにとっては、20年待った甲斐があったようですね。