凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『勇気ある追跡』西部劇の宝物みたいな映画です!!

この映画は、1969年のアメリカで公開されたジョン・ウェイン主演の西部劇です。古い映画ですがジョン・ウェインの西部劇を観るつもりで観て、少しも失望することなく、大きな満足を得られる映画です。

 

      f:id:mattyanp2016:20190219144352j:plain

 

特に、手綱を口に咥え、右手にライフルマンが持っていたようなループレバー付きウィンチェスターM92、左手にコルトSAAをぶっ放し、拍車をくれながら、悪党4人相手に単身突撃しました。この時ジョン・ウェイン62歳、あっぱれというほかありません。

 

f:id:mattyanp2016:20190219145442j:plain

 

また、しこたま飲んだくれて小娘のマティ・ロス(キム・ダービー)や、若手のテキサス・レインジャーのラ・ビーフグレン・キャンベル)とのやり取りは、ジョン・ウェインの年輪さえ感じられ、年齢と人柄を滲み出した演技は、アカデミー賞主演男優賞にふさわしい演技でした。

 

f:id:mattyanp2016:20190219144706j:plain
f:id:mattyanp2016:20190219144737j:plain


もっとも、このアカデミー賞主演男優賞は長年のジョン・ウェインアメリカ映画界への貢献を意味しているとも言われもしましたが、あの酔いどれじじいの演技は秀逸でこれにも参ってしまいます。

 

この映画で認められたキム・ダービー、主題歌も歌って多才なグレン・キャンベル、このあとブレイクする、カウンター・ヒーローのネッド・ペッパーを演じるロバート・デュヴァル、小悪人のムーン に扮したデニス・ホッパーなど今となっては心ときめく役者が花を添えています。

 

見入ってしまったのは、次々に写し出される北米の風景のみごとさです。西部劇なのにメサとサボテンというおきまりのウェスタンのイメージはどこにも無い舞台設定で、見るシーン見る情景、美しいロケーションの方に目が行ってしまいます。

特に印象的だったのが、白い真っ直ぐな幹を連ねたアスペン(ヤマナラシ)の森。日本の高原の美林の代表が白樺なら、北米のそれはこのアスペンの森なのだろうとちょっと感動してしまいます。

 

f:id:mattyanp2016:20190219145720j:plain

 

YouTubeに約50年前に作られたこの映画のロケ地をたずねて、ほとんど変わっていない風景を映し出しています。「John Wayne in True Grit, Then and Now, Extended Video」というのがあって、「True Grit」はこの映画の原題です。

 

ロケに使われた古い建物が残る町の様子から、その後はアスペンの森やバックの山並みを丹念に追っています。あの沢が流れるアスペンの森もほとんどそのままのようですが、なにぶんYouTubeでは映像に無理があって残念です。

 

www.youtube.com

ユーモアあり、シリアスあり、男女や年齢を越えた友情もあって、全体を通して爽やかな印象で、ジョン・ウェインが醸し出す雰囲気で充満した作品だということです。

この映画のキャッチコピーに、「本当の勇気とは何かを問いかける」というのがありました。この映画のヒロインのマティ・ロスを踏まえて、広い意味での「勇気」を考えると、全くそのとおりで、老若男女、男だけに限らず、生きていくのに必要な勇気。それが、この作品の底を流れているジョン・ウェインの「爽やかさ」に通じているのでしょう。

  f:id:mattyanp2016:20190219152010j:plain

 

近頃のジェットコースター・ムービーに慣らされた人には、たいくつで何の感情も呼び覚まさない映画かもしれませんし、ましてや、涙するような映画でもありません。しかしながら、太陽や土の匂いを感じ、静かな優しい風が吹いているような映画といえますね。