凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ランボー/怒りの脱出』舞台を「故郷」のベトナムに移してさらにパワーアップした続編です!!

この映画『ランボー/怒りの脱出(Rambo: First Blood Part II)』は、シルべスター・スタローンが主演したアメリカ合衆国のアクション映画。『ランボー(First Blood)』の続編にあたり、1985年に公開されるや、世界各地で大ヒットしました。本国アメリカでは1億5千万ドルを稼ぎ出し、その年の全米興行収入2位を記録しました。ちなみに、 1位は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、3位は同じくスタローン主演の『ロッキー4/炎の友情』でした。

本作は1985年度のゴールデンラズベリー賞ラジー賞)にて4部門を受賞しました。

目次

 

 

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1.ラジー賞について

1)スタローンとラジー賞

毎年アカデミー賞授賞式の前夜に年間「最低」の映画を選んで表彰します。この賞自体が一種のユーモアで、本当にくだらない作品を選ぶ場合もありますが、文字通りの「最低」というより、異色性の強い映画や役者を逆説的に選ぶことも多いのです。

本作は「最低作品賞」「最低監督賞」「主演男優賞」(もちろんシルべスター・スタローン)、それに「最低脚本賞」にはシルべスター・スタローンと共同執筆した若き日のジェームズ・キャメロンの名がありました。スタローン39歳、キャメロン31歳でした。

スタローンはこの快挙をきっかけに、ラズベリー賞の常連となり、同賞設立10周年を記念する「10年間最低男優賞」にまで輝く。それを勲章のように、彼の「ロッキー」と「ランボー」を主軸にした、アクション映画という得意技一筋は「エクスペンタブル」に至るまで、衰えることを知りません。

 

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2)ラジー賞とは

1981年に、映画広報宣伝者のジョン・ウィルソンが「Razzie Award(ラジー賞)」を創設しました。授賞式に出てくるサンタさんのような白ヒゲで恰幅のいいおじさんがジョン・ウィルソンです。

現在では、ゴールデンラズベリー賞財団という大仰な名称の団体が運営しており、1,000人以上の有権者によった投票で決定しています。この財団、新規で入会するには40ドル(約4,280円)が必要で、継続の場合も25ドル(約2,675円)かかるとのことです。権利としては投票権だけのようです。公式サイトではTシャツも売ってます。

ブーイングを意味する「Razz」が賞名の語源なのですが、トロフィーに金色のラズベリー(Razz)を乗っけていることで「ゴールデンラズベリー賞」と呼ばれるようになり、この名称が定着しました。

最多受賞者はシルヴェスター・スタローンとマドンナですが、スタローンは10年間(1981~1990年)の最低男優賞と20世紀最低主演男優賞の称号も授与されています。


2.ストーリー

1)プロローグ

ジョン・ランボーシルベスター・スタローン)は刑務所に収監され、鉱石所で働かされていました。そこに、元上官のサミュエル・トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が訪ねてきます。
トラウトマン大佐は極東での機密作戦に参加して、刑務所を出る気はないかランボーに尋ねました。ベトナムで捕虜になっている兵士の調査なのですが、目的地が過去にランボーが脱走した捕虜収容所の近くにあるためでした。
危険な任務のため、軍務に暫時復帰して、成功すれば特赦になるといいます。ランボーは悩んだ末、受けることを決めたのでした。


2)作戦本部へ

タイ作戦本部。兵士のエリクソン(マーティン・コーヴ)はベトナムで伝説の男と呼ばれているランボーと仕事ができることを光栄に思い、ランボーに声を掛けますがそっけない対応をされます。作戦指揮官のマードック司令官(チャールズ・ネイピア)はランボーの経歴を読み上げながら、大した働きだと褒めました。ランボーは医療及びヘリの操縦資格があり、59名の敵兵を倒して叙勲を多数貰っていました。

マードック将軍は自分のことを知らないランボーに、自らの経歴を話しました。66年にコン・ツム作戦で海兵隊を指揮し、多くの部下を失っていて、そのため、兵士に冷たい国の対応に不満を抱いていることは分かっていると、ランボーの気持ちに理解を示しました。

しかし、軍隊を動かすためには、捕虜が生存している証拠が必要で、ランボーの任務は、収容所に潜入して捕虜の写真を撮ることでした。マードック司令官は決して敵と戦ってはいけないと注意しました。ランボーは写真を撮るだけで救助できないことに不満を抱きますが、マードック司令官に念を押され、頷いて了承しました。


3)作戦開始

ランボーの任務のために最新鋭の機器が用意されていましたが、ランボーは自分の頭脳と肉体が大事だと考えていました。マードック司令官はそんなランボーに不安を抱きますが、トラウトマン大佐にランボー以外の適任者はいないと言われました。

ランボーは飛行機に乗り込む間際、トラウトマン大佐にマードック司令官が信用できないことを伝えました。コン・ツムで戦闘はなく、海兵隊を指揮したのは真っ赤な嘘だったのです。
ランボーが乗った飛行機が飛び立った後、マードック司令官はトラウトマン大佐に、捕虜の発見ができるとは思っていないことを話し、。戦争の尻拭い役として、探していることをパフォーマンスとして国に見せているにすぎなかったのです。

ランボーが飛行機から飛び降りようとしたとき、ベルトが飛行機の金具に引っ掛かって外れなくなりました。ランボーは自らベルトを切り離して飛び降りました。マードック司令官はランボーが死んでしまったと決めつけますが、トラウトマン大佐はランボーが生きていると確信していて、トラウトマン大佐は36時間後に救出する約束だとマードック司令官に詰め寄りました。


4)案内人と合流

ランボーはコンパスを頼りに、森の中を走っていました。すると、不審な人影を見つけたので、ナイフで襲い掛かったところ、その人影は女性で、案内役として雇われていたコー・バオ(ジュリア・ニクソン)でした。ランボーはバオと共に密輸業者の船に乗り込みました。

 

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バオはランボーになぜこの任務を引き受けたのか質問しました。ランボーは話をはぐらかそうとしましたが、バオが熱心に聞いてくるため、戦争への非難の矛先が帰還兵に向けられ、居場所を失くしたことを話しました。
そして、今度は、ランボーがなぜこの仕事を引き受けたのか、バオに同じ質問を返しました。バオは殺された父が情報活動をしており、自分が同じ仕事を引き継いだことを話しました。


5)救出作戦

ランボーからの連絡がないため、トラウトマン大佐は救出チームを派遣しようとしました。だが、マードック将軍はそれを渋り、トラウトマン大佐が自ら同行するなら派遣しようと、馬鹿にした態度で言いまいした。トラウトマン大佐はマードック司令官の顔を睨みつけました。

ランボーは命令を無視して捕虜の兵士を救助するため、闇夜に紛れて収容所に忍び込みました。磔にされていた兵士を救い、見張りや追ってきた兵士をナイフや弓矢で殺しました。他にも捕まっている兵士がいましたが、とりあえずいったん逃げることにしました。

ランボー達はベトナム兵に追いつかれる前に、何とか船に乗って逃げることに成功しますが、船員に裏切られていて、近くにベトナム兵の船が近づいて来ていました。ランボーは次々と船員を殺し、バオと捕虜の兵士を川に逃がしました。そして、船の積み荷にあったロケットランチャーを使い、ベトナム兵の船を爆破しました。

 

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ランボーはバオと別れ、捕虜の兵士と救助に指定された場所まで向かいましたが、ベトナム兵に追いかけられ、攻撃を受けました。それをヘリコプターに乗って救助に来ていたトラウトマン大佐が見つけ、ヘリコプターからベトナム兵を攻撃し、救助しようとしました。しかし、マードック司令官が作戦の中止を指示し、トラウトマン大佐は横に乗っていた兵士に銃を突きつけられ、どうすることもできずにヘリコプターは帰還しました。ランボーは戻っていくヘリコプターを、絶望的な顔で見あげ、やがてベトナム兵につかまってしまいました。


6)残酷な企て

トラウトマン大佐は基地に戻ると、マードック司令官を非難しました。マードック司令官は収容所が無人だったらそれを証明して議会を納得させ、ランボーがしくじって捕虜になれば存在ごと抹殺する気で、捕虜が写っている写真があれば、揉み消す気でいたのでした。だが、それをマードック司令官は自分ではなく国の意思だと、トラウトマン大佐の話を一蹴しました。

結局、アメリカは初めから捕虜を救う気がなかったのです。ベトナムは捕虜を解放するのに45億ドルを要求していました。アメリカは敵国にお金を払って、軍備を強化させる訳にはいかなかったのです。マードック司令官は今の2人の会話をなかったことにしようと諭すが、トラウトマン大佐はランボーの存在によって今に後悔することになるぞと忠告しました。


7)捕虜ランボー

ランボーベトナム軍に捕まり、拷問を受けまし。そこに、ソ連軍の軍事顧問団のパドフスキー中佐(スティーブン・バーコフ)がやって来きました。パドフスキー中佐は基地に連絡を取って居場所を言えとランボーを脅しましたが、ランボーがそれを拒否したため、電気を使って拷問しました。

 

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ランボーは他の捕虜を生贄に取られ、基地に連絡を入れさせられました。そして、マードック将軍に殺しに行くことを告げ、油断していた周りの兵士達をマイクで殴って倒しました。そこに、ランボーを救出に来ていたバオが現れ、ランボーは危機一髪、バオと共に逃げ出しました。


8)最後の決戦

バオはランボーに、一緒にアメリカに連れて行って欲しいと頼み、ランボーもそれを受け入れますが、少し目を離した隙に、バオがベトナム兵に撃たれてしまいました。ランボーはバオを埋葬し、形見のネックレスを首につけて立ち上がりました。

ランボーベトナム兵士達の追跡を掻い潜り、ヘリコプターを奪い取ると、収容所を襲撃して捕虜達を救出しました。そして、パドフスキー中佐の乗ったハインド攻撃ヘリの追撃を辛くも撃退し、基地へと戻ったのでした。

 

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ランボーはマシンガンを基地指令室に撃ち込み、ナイフを持ってマードック司令官の元に向かいました。マードック司令官は指令を受ける側なのだと必死に言い訳をしますが、ランボーの怒りが収まることはありませんでした。ランボーマードック司令官の顔の横にナイフを突き刺し、殺されたくなければ他の収容所の捕虜達を救出しろと脅したのでした。


9)エピローグ

トラウトマン大佐は軍に戻って来いとランボーに声を掛けますが、ランボーはバオが亡くなった悲しみから抜け出せずにいました。トラウトマン大佐から間違った戦争だったが国を憎むなと諭されますが、ランボーは国を憎んでなどいず、捕虜の兵士達と同じように、ただ国に対しての忠義臣が報われることを望んでいたのでした。ランボーは基地に背を向け、1人で去っていきました。

 

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3.まとめ

スタローンの映画には、迷いというものがなく、ためらいというものがありません。ある意味無邪気ですらあります。スタローンを知るのはスタローンであり、スタローンを生かすのはスタローンなのです。ラジー賞に見るように、一画を占めること、徹することが成功に繋がっているのでしょう。