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映画『プレシディオの男たち』軍事基地で起きたサスペンス?!

 
 

この映画『プレシディオの男たち(The Presidio)』は、監督はピーター・ハイアムズ、出演はショーン・コネリーとマーク・ハーモン、メグ・ライアンなど、1988年のアメリカ合衆国のサスペンス映画です。

目次

 

 

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1.紹介

元上司と部下、親子の確執、親友の裏切り、ロマンスとアクション、そして修復される親子愛など、娯楽の要素がきっちりと盛り込まれている作品です。
和解はするだろうという結果は見えているものの、それを美化し過ぎて描いていない微妙な描写が、なんとも玄人受けしそうな作品です。

しかし、サスペンスとしての盛り上がりは、『カプリコン・1』のピーター・ハイアムズにしては平均点といったところで、主演のショーン・コネリーの渋さばかりが際立ってしまっている感じはしてしまいます。


2.ストーリー

1)プロローグ

事件は、サンフランシスコ、プレシディオ軍事基地で起きました。パトロール中のMPパティ・ジーン・リンチ(ジャネット・ゴールドスタイン)が射殺されたのです。
連絡を受けたサンフランシスコ市警のジェイ・オースティン(マーク・ハーモン)は、憲兵隊長のアラン・コールドウェル中佐(ショーン・コネリー)と現場で顔を合わせす。
オースティンは元MPで、殺されたリンチはその頃の相棒であり、かつて彼女が絡んだ事件で上司のコールドウェルに反発し、軍を辞めた経緯がありました。

コールドウェルは、この事件の指揮権が自分にあることをオースティンに伝え、それに従うように忠告しました。

 

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2)出逢い

翌日、コールドウェルの家を訪ねたオースティンは、彼の娘ドナ(メグ・ライアン)に迎えられ、2人は軽い会話を交わしました。

オースティンは、犯行に使われた銃が、トカレフTT-33だったことを、帰宅したコールドウェルに伝え基地に向かいます。

 

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その後、かつてオースティンとトラブルを起こしたことがある、ポール・ローレンス大佐(ダナ・グラッドストーン)がその銃を所有していることが分かりました。

最初からそれを知っていたコールドウェルに、オースティンは噛み付きますが、コールドウェルは、重ねて基地内での主導権が自分にあることをオースティン主張し、彼の言葉を撥ね退けるのでした。


3)因縁

その後、一目でドナに惹かれたオースティンは彼女と親交を深めてゆきます。

それを知ったコールドウェルは、ドナに小言を言い始め、実は自分の部下だったオースティンとの、確執の原因を語り始めました。

かつて、オースティンの相棒だった殺されたリンチを、酔った上官のローレンスが侮辱し、オースティンがローレンスを殴り営倉に入れた事件で、コールドウェルがローレンス側につきました。

そのため、オースティンはそれを根に持っていたのでした。

ドナは、自分が利用されていると言う、父コールドウェルの言葉を聞き入れません。

オースティンに会ったドナは、その件を正直に話す彼に惹かれ、そして二人は愛し合うのでした。


4)旧友

翌日、ローレンスの元を訪れたコールドウェルとオースティンは、彼が銃を手放していることを知り、トカレフの弾丸を調べることにしました。

オースティンと待ち合わせるため、コールドウェルは戦争博物館に勤める友人で、退役軍人であるロス・マクルーア曹長(ジャック・ウォーデン)に、今回の事件についてを話しました。

その後、コールドウェルとオースティンは、犯人が犯行に使った盗難車の所有者で、実業家のアーサー・ピール(マーク・ブラム)に面会します。

車のことで簡単な質問をした二人は、その後、バーでドナのことについて話し合い、オースティンは真剣に考えていることをコールドウェルに伝えました。


5)見えてきた関係

オースティンは、犯行の弾丸とローレンスのトカレフの物が弾道テストで一致したことで、彼をチャイナタウンで逮捕しようとします。

逃亡したローレンスは、通りがかりの車に轢き殺されてしまい、駆けつけたコールドウェルは、オースティンの単独行動を非難しました。

コールドウェルは、ピールのオフィスにあった、サイゴンのあるクラブのコースターから、彼がCIAに属していたことを調べ上げていました。

そしてコールドウェルは、ローレンスとピールが、ベトナムで共に行動していたこともオースティンに伝えました。

事件現場の観葉植物の鉢に、水が溜まっていたいたことを思い出したオースティンは、コールドウェルと共に飲料水会社を訪ね、現場に水を配達した男を突き止めます。

その男の家に向かったオースティンは、入り口に止まっていた車が、ローレンスを轢いた車だということに気づきました。


6)告白

軍のパーティーにオースティンを呼んだドナは、彼の気分を害してしまい帰宅します。

父コールドウェルの責任で、母親が自殺したと思い込んでいるドナが、彼への腹いせで起こしたことでした。

 

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2人はお互いに傷つき、コールドウェルはマクルーアの元で愚痴をこぼします。

ドナはオースティンのアパートに行き、彼に謝罪して自分をさらけ出し、彼に愛を告げるのでした。


7)最後の登場人物

翌日、オースティンは、コールドウェルにドナを愛していることを告げ、轢き逃げ犯と水の配達人が同じだということも伝えました。

そして、ピールがその飲料水会社のオーナーだということを、コールドウェルはオースティンに知らせます。

水の配達人を追った二人は、基地内でフィリピンから届いた水を受け取ったことを確認します。

その水に秘密が隠されていると確信したオースティンでしたが、コールドウェルは、さらに共犯者がいると考えました。

飲料水会社に戻った二人は、そこに、ローレンスと同じ時期にベトナムにいたマクルーアが現れたことに驚いてしまいます。


8)終焉の時

ピールらは、ダイヤを水に隠しフィリピンから密輸していたのですが、ジョンソン大統領から勲章も受けたマクルーアは、闇取引に手を染めているのをローレンスに知られ、名前が汚れるのを恐れて、仕方なくそれに関与していたのでした。

マクルーアは、今回の事件で密輸に加担することに嫌気が差し、ピールらと縁を切ろうとします。

背後から襲われたマクルーアは気を失い殺されそうになるが、彼の危機を察知したコールドウェルとオースティンが建物に押し入りました。

二人は密輸されたダイヤを見つけ、その後、双方は銃撃戦となり、マクルーアが犠牲になりながらコールドウェルに銃を渡します。

コールドウェルとオースティンはピールらを倒し、マクルーアの軍歴を汚さぬよう彼を葬ろうとしました。


9)エピローグ

マクルーアを埋葬する際、コールドウェルは、悲しみを堪えながら彼との想い出などを述べました。

そしてコールドウェルは、わだかまりの消えたオースティンとドナと共に、その場を立ち去るのでした。

 


3.四方山話

1)ショーン・コネリー

前年の『アンタッチャブル』(1987年)によりアカデミー助演賞を獲得して、ジェームズ・ボンドの呪縛を脱し、大袈裟に言えばカムバックを果たして以後、話題作に軒並み出演し、初期時代を上回る活躍を見せるショーン・コネリーは、圧倒的な存在感を示し、頑固な憲兵隊長を熱演していました。


2)メグ・ライアン

1986年公開の『トップガン』に出演して注目を浴び、1989年公開のビリー・クリスタルと共演した『恋人たちの予感』の大ヒットによって人気を決定付け、それ以降も、トム・ハンクスとの共演で『めぐり逢えたら』(1993年)や『ユー・ガット・メール』(1998年)などのロマンティック・コメディに主演しヒットを飛ばし、「ロマンティック・コメディの女王」と呼ばれ人気を博ました。また、この3作品ではゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされています。
しかしながら、作品選びの悪さが有名で、これまで『ゴースト/ニューヨークの幻』、『プリティ・ウーマン』、『誘う女』、『羊たちの沈黙』などのオファーを断っています。


3)マーク・ハーモン

アメリカンフットボールの伝説的選手トム・ハーモンと女優エリス・ノックスの長男として生まれ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)在学中はアメリカンフットボールクォーターバックとして活躍。大学では情報学を専攻し首席で卒業しました。
俳優になってしばらくは芽が出ず、B級映画やテレビのソープオペラを主な活躍の場としていたが、本作の『プレシディオの男たち』で演技力を評価され、30歳を過ぎてからスターダムを駆け上がりました。
米「ピープル」誌で「最もセクシーな男」に選ばれたこともありますが、単なる二枚目俳優ではなく、数々のゴールデングローブ賞エミー賞ノミネートの経歴を誇る演技派として知られています。

 

 

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4.まとめ

軍事基地で起きた事件で、特殊なサスペンスを期待しましたが、なんのなんのこれは、立派なホームドラマでした。
それにしても、どうしてメグ・ライアンはこんなにキュートなのに好き嫌いが分かれるのでしょう。