凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』さらにリアルに映像化された恐竜たちの姿が味わえます!!

 

この映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(The Lost World: Jurassic Park)』は、1997年のアメリカ映画で、監督スティーヴン・スピルバーグによる、映画『ジュラシック・パーク』の続編です。

目次

 

 

f:id:mattyanp2016:20210917132242j:plain



1.紹介

マイケル・クライトンの小説『ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-』の映画化ですが、その内容には原型をとどめないほどの大幅な変更がなされています。

そのため、映画公開の際には、原作のファンから強い批判を受けました。もっとも、本作は小説企画との同時進行で制作されており、クライトンから「私も自由に書くから、映画も自由に作っていい」と言われていたそうです。

全世界で恐竜ブームを巻き起こし、社会現象にまでなり、約9億1500万ドル(世界)という、驚異的な興行収入を記録した前作には及ばなかったものの、北米で約2億2900万ドル、全世界では約6億1500万ドルの大ヒットとなりました。


2.ストーリー

1)プロローグ

コスタリカ沖、ヌブラル島南西140キロのソルナ島で、島の浜辺でバカンスを楽しむ一家の少女キャシー・ボーマン(カミーラ・ベル)が、小型肉食恐竜コンプソグナトゥスに襲われます。

数学者イアン・マルカム(ジェフ・ゴールドブラム)は、かつて恐怖の体験をした当事者、インジェン社のジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)に呼び出される。

マルカムはハモンドの屋敷で、4年前に恐竜に襲われた同じ当事者で、ハモンドの孫達レックス・マーフィー(アリアナ・リチャーズ)と弟ティム(ジョゼフ・マゼロ)に再会しました。

その後マルカムは、インジェン社を継いだ、ハモンドの甥ピーター・ラドロー(アーリス・ハワード)に、事件を公言したことを責められました。


2)サイトB

ハモンドに面会したマルカムは、ジュラシック・パーク”サイトA”に、恐竜を供給するための遺伝子工場”サイトB”が、ソルナ島に存在していたことを知らされます。

マルカムは、そこで恐竜達が、生き延びているという事実を、ハモンドから告げられました。。

マルコムは、ドキュメンタリー映像作家のニック・ヴァン・オーウェン(ヴィンス・ヴォーン)、野外装備のエキスパートのエディ・カー(リチャード・シフ)らと共に、ハモンドに島の調査を依頼されます。

それを断固として断るマルカムでしたが、恋人の古生物学者サラ・ハーディング(ジュリアン・ムーア)が、志願して現地に向かい既に島にいることを知らされるのでした。

それを聞き動揺するマルカムは、仕方なく彼女を”救助”するために島に向かおうとします。

オーウェンとカーと合流したマルカムは、見送りに来た娘のケリー(ヴァネッサ・リー・チェスター)に、自分が旅に出ることを納得させるのに四苦八苦してしまいました。


3)島への上陸

島に向かい、危険を感じながら上陸した一行は、内陸へと進み、やがてサラの装備を発見します。

サラを捜そうとした一行は、突如現れたステゴサウルスの群れに遭遇しました。

その直後、サラと出くわしたマルカムらは、大自然の中に生息する恐竜を目撃して興奮しました。

ベース・キャンプで、誰かが火を焚いているのが分かり、戻ったマルカムは、ケリーが船に密航して付いてきてしまったことに驚かされます。

サラも島を離れる気はなく、マルカムは頭を抱えるが、そこに、インジェン社のラドロー率いるヘリコプターの大編隊が到着しました。

ラドローは、4年前の事故以来、危機に陥った会社の再建を目指し、新たなるジュラシック・パークを復活もするつもりだったのです。

 

f:id:mattyanp2016:20210917132659p:plain



4)恐竜捕獲作戦

島に到着したラドローらの一団は、ハンターのローランド・テンボ(ピート・ポスルスウェイト)やアジャイ・シドゥ(ハーヴェイ・ジェイソン)、ディーター・スターク(ピーター・ストーメア)、古生物学者ロバート・バーク(トーマス・F・ダフィ)らを伴い、パキケファロサウルスやパラサウロロフスのハンティングを始めて次々と捕獲していきました。

その後、ティラノサウルス(Tーレックス)の子供を見つけたテンボは、相棒のシドゥと、親を誘き寄せようとします。

夜になり、マルカムらはラドローらを監視していましたが、サラとオーウェンが捕らえられた恐竜達を逃がしてしまいます。

その頃、ラドローは、捕らえた恐竜を本国のサンディエゴに運び、巨大テーマパークを作ることを衛星中継を使い伝えていました。

その時、解放された恐竜達が興奮して暴れまわり、ラドローのキャンプは壊滅してしまいました。

 

f:id:mattyanp2016:20210917133735j:plain



5)T-レックス怒る

オーウェンは、囮にされていた、足を骨折したT-レックスの子供をトレーラーに運び治療します。

危険を感じたマルカムは、ケリーを連れてカーと共にゴンドラに乗り、高所に避難しました。

T-レックスが近づくことに気づいたマルカムは、 それを知らせにトレーラーに向かおうとします。

マルカムはトレーラーに戻り、現れたT-レックスの親に子供を返すものの、トレーラーは襲われて、崖から宙吊りになってしまいます。

トレーラーから、オーウェンらを助けようとしたカーでしたが、彼はT-レックスに食い殺されてしまいました。

その直後トレーラーは落下しますが、マルカムらはロープにしがみついていたために助かり、現れたテンボらに崖から引き上げられました。

装備を恐竜に破壊されたラドローは、同じく資材を失ったマルカムらと、永久発電の通信設備があるセンター・ビルに向かうことにします。

しかし、そこはヴェロキラプトルの生息地であり、マルカムは入り江に戻ることを提案するが、そこも危険地帯であり、センターに向かうしかありませんでした。

その後、スタークが、大量のコンプソグナトスに襲われて命を落とし、野営していた一行にはT-レックスが襲い掛かります。

逃げるハンター達は、草むらでヴェロキラプトルの襲撃を受けて全滅しました。

そこを無事通り抜けたマルカムらでしたが、オーウェンが先にセンターに向かい、無線で救助を要請します。

マルカムらも、センター・ビルにたどり着き、ヴェロキラプトルに襲われるものの、オーウェンが呼んだ救助隊ヘリに救われました。

 

6)T-レックス、サンディエゴに現る

その頃、ラドローはT-レックス捕獲に成功し、貨物船に乗せて本国に移送しようとします。

ラドローは、T-レックスを捕らえたテンボに感謝し、新パークで彼を雇おうとすが、相棒のシドゥを失った彼は、それを断り島を去りました。

帰国したラドローは、サンディエゴの港で新たなテーマパーク構想を発表していましたが、T-レックスを乗せた貨物船が、応答のないまま桟橋に激突してしまいました。

その場にいたマルカムが危険を感じて警告しますが、麻酔が切れたT-レックスが、貨物船から脱出して暴れ始めます。

サラは、拮抗剤を大量に打たれたというT-レックスが、錯乱状態だと知り、一緒に捕獲した子供を利用して、船に呼び戻そうとしました。

T-レックスは、のどの渇きを癒した後、空腹を満たすために住民を襲い始めます。

マルカムとサラは、郊外に作られていたジュラシック・パークに保護されていた、T-レックスの子供を車に乗せ、それを親に気づかせて貨物船に誘き寄せようとします。

船の格納庫に、T-レックスの子供を置いたマルカムとサラは、そこを脱出します。

ラドローは、格納庫の子供を取り戻そうとするが、親が現れて食い殺されてしまいました。

サラは、T-レックスの親が殺される前に麻酔を打ち、格納庫の扉は閉められました。

 

f:id:mattyanp2016:20210917134135j:plain



7)エピローグ

T-レックスは島に送り返され、マルカムとサラがようやく安堵の眠りについた頃、ハモンドが、島は人間が立ち入れない隔離状態になることを発表しました。

そして、恐竜達は、大自然の中で生息し続けるのでした。

 

 

 

3.四方山話

1)逆転の発想

メイキング映像内のスピルバーグ監督の解説によれば、ティラノザウルス2体の模型は実物大に近く大変大きく重いので、セットへ持ち込んだり移動したりが大変困難だったそうです。

そこで周囲のセットを恐竜の傍へ移動させるという逆転の発想につながりました。例えば恐竜は動かさずに滝を頭の傍に作ったり、顔の傍に襲われる車を配置したりという具合に、映像では恐竜が移動しているように見えるがセットを動かして撮影していました。

殆どの映像関係の観客が、その撮影方法に気づかなかったようで、そのせいもあってアカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされましたが、惜しくも受賞は逃しています。


2)パロディーのカメオ

ティラノサウルスがサンディエゴを襲った時に、バスが突っ込むビデオ店にはアーノルド・シュワルツェネッガーの『KING LEAR』(リア王)、ロビン・ウィリアムズの『JACK AND THE BEANSTALK』(ジャックと豆の木スピルバーグが制作してウィリアムズ出演の映画『フック』風の画風)、トム・ハンクスの『TSUNAMI SUNRISE』の映画宣伝ポスターがありました。いずれも本人が出演していない架空の映画で、パロディーです。


3)3通りの結末

撮影前に当初イスラ・ソルナ島にティラノサウルスを帰すため監督としてマルコムとサラがイスラ・ソルナ島に行くのと、ヴェロキラプトルプテラノドンの闘いと、マルコムがハモンドの葬式で賛辞を届ける3つの異なる終わりの結末がありました。


4)登場する恐竜

①コンプソグナトゥス・トリアシクス Compsognathus triassicus

f:id:mattyanp2016:20210917121326p:plain

C. triassicus は現実に存在しない架空の種です。冒頭から登場しサイトBの海岸に訪れた旅行者家族の幼い娘に襲いかかりました。

 

②ステゴサウルス Stegosaurus

f:id:mattyanp2016:20210917124926j:plain

イアン達が最初に遭遇した恐竜。群れで行動する大人しい性質の恐竜ですが、幼体を守る時には一転して尾のスパイクを武器に激しい攻撃を加えます。

 

③パラサウロロフス Parasaurolophus

f:id:mattyanp2016:20210917124736j:plain

ジュラシックパークにも登場した恐竜です。前作では遠景に僅かな時間映るだけでしたが、本作ではパキケファロサウルスと共に本作の見所の1つである捕獲シーンがありました。「エルヴィス・プレスリーのような頭」と表現されています。

 

パキケファロサウルス Pachycephalosaurus

f:id:mattyanp2016:20210917124535j:plain

頭突きでジープのドアを破壊する活躍を見せますが、劇中の様な突進による頭突きを実際に行えたかについては未だ異論も多く結論は出ていません。

 

ガリミムス Gallimimus

f:id:mattyanp2016:20210917125325j:plain

登場シーンは少ないですが、自分たちを捕獲しようとするハンターから逃げ惑っていました。

 

⑥マメンチサウルス Mamenchisaurus

f:id:mattyanp2016:20210917125529j:plain

前作のブラキオサウルスに代わって登場する大型の竜脚類。バイクに乗ったハンターの1人が本種の股の間をくぐり抜けるシーンがありました。

 

ティラノサウルス・レックス Tyrannosaurus rex

f:id:mattyanp2016:20210917125801j:plain

原作小説と同じく雄・雌・幼体の計3体の個体が登場します。前作よりも出番が大幅に増え最後までイアン達を苦しめました。親を誘き寄せるために仔が怪我をさせられたり、雄と仔が捕獲されてアメリカ本土まで運ばれるなど、劇中最も人間に振り回された恐竜でもあります。

作中終盤でソルナ島からアメリカ本土サンディエゴに貨物船「S.S.ベンチャー号」で運ばれてきましたが、航海中のいつの間にか何者かによって乗組員全員を惨殺され無人となって、港の桟橋に激突します。ブリッジの操舵手は手首だけを残して食いちぎられていました。

ローランドに麻酔薬で眠らされていて、鉄格子で体を封じられながらの輸送であったのにも関わらず、着いたときはコンテナ内部で解き放たれていました。警備員の1人が誤って蓋を開けてしまい、脱走した雄がサンディエゴで大暴れするも、仔を利用して船まで誘導され、最後は再び麻酔を撃たれて島に帰されることになりました。

 

トリケラトプス Triceratops

f:id:mattyanp2016:20210917125947p:plain

登場シーンは少ないですが、ハンターに捕獲されて檻に入れられていました。脱走後はキャンプで暴れます。

 

ヴェロキラプトル Velociraptor

f:id:mattyanp2016:20210917130131j:plain

体色が前作の灰色から黒い縦縞模様が入った茶褐色の皮膚に変更され原作により近いものになっています。今作でも鋭い爪と高い機動力を武器に人間を最も多く殺した恐竜として扱われていました。

原作小説第1作ではヴェロキラプトルや一部の小型肉食恐竜が船に密航して島から本土へ渡る描写がありますが、本作では船内を無人と化させた殺戮者が何者なのか全く説明されずにエンディングとなりました。

 

プテラノドン Pteranodon

f:id:mattyanp2016:20210917130327p:plain

ラストシーンにのみ登場。当初は最後の敵となる予定でした。

 


4.まとめ

恐竜の登場場面や数の多さで楽しませてはくれますが、前作のようなファンタジックな夢の世界の冒険の要素も影を潜め、サファリパークのような島で捕獲される恐竜達や、傲慢な人間の姿は哀れにしか見えませんでした。