映画『Mr.&Mrs.スミス』ブラピとアンジーのスーパースターが繰り広げるロマコメアクションです?!
この映画『Mr.&Mrs. スミス(Mr. & Mrs. Smith)』は、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの共演が話題を呼んだ、ダグ・リーマン監督のアクション映画です。
目次
1.紹介
共演作で、これをきっかけに二人がパートナーとなったため大いに話題になった。
「ボーン・アイデンティティー」(2002年)他のヒットで一躍脚光を浴びたダグ・リーマンの、無駄のない軽快な演出も注目です。
ハリウッドを代表するスーパースターの魅力的なブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの、スタイリッシュに描かれた華麗なアクションなど見所満載ですが、派手に宣伝されたアクションはそれほど新鮮味もなく平凡で、主演二人の”パートナーお披露目パーティー”的内容も今一な感じです。
とは言え、1億1000万ドルかけた超大作でもあり、北米で約1億8600万ドル、全世界では約4億7800万ドルという大ヒットとなりました。
ハンサムボーイのブラピ、タラコ唇の肉感的美人アンジーの二人のファンにはこたえられない映画ですが、そうででない場合は、悪く言えば鬱陶しいと感じてしまうかもしれません。
2.ストーリー
1)プロローグ
結婚して5~6年、カウンセリングを受けるジョン・スミス(ブラッド・ピット)とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)夫妻は、10点満点だとすると、どの程度幸せかとカウンセラーのウェクスラー博士(ウィリアム・フィクナー)に聞かれました。
ジェーンとジョンは8点と答え、セックスの頻度も聞かれて口を濁します。
その後、二人は南米コロンビアでの出会いを話し始めるのでした。
2)二人の正体
5~6年前のコロンビア、ボゴタで、アメリカ人の建築業者ジョンとコンピューター・プログラマーのジェーンは運命的に出会い、意気投合して愛し合うようになりました。
帰国した二人は、ニューヨークで、周囲の反対に耳も貸さずに結婚します。
閉じる
5~6年後。既に倦怠期を迎えていたジョンとジェーンでしたが、実は互いに隠している本当の仕事はプロの殺し屋だったのです。
ある日、それぞれの仕事を済ませた二人は、隣人マーティン・コールマン(クリス・ワイツ)に招待されていたため彼の家に向かいます。
平凡な生活を送る友人達との会話にも溶け込めないまま時間を過ごし、二人は帰宅しました。
翌日、ジョンはガレージの地下に保管してある武器を、ジェーンはオーブンに隠してある武器を準備します。
設計事務所に向かったジョンは、同僚エディ(ヴィンス・ヴォーン)にジェーンのことをからかわれます。
ジョンは部屋で、雇い主であるボス(アンジェラ・バセット)から、次のターゲットであるベンジャミン・ダンズ(アダム・ブロディ)、通称”タンク”について説明されました。
同じ頃ジェーンも、ボスのファーザー(キース・デヴィッド)から次の任務を命ぜられ、同僚のジャスミン(ケリー・ワシントン)からターゲットのタンクについて知らされるのでした。
3)予期せぬ遭遇
メキシコ国境付近で、待っていたジェーンは、現れたバギーに乗った男/ジョンが爆弾を作動させてしまったことを知ります。
爆破装置を切ったジェーンは、男が武器を持っていることを確認して銃撃しました。
防弾チョッキで難を逃れたジョンは発砲してきた場所を攻撃しますが、次の瞬間に周辺が爆破され、ジェーンはその場から逃げ去りました。
ニューヨークに戻ったジョンは、妨害者が女である可能性があることと、壊れたラップトップPCが手掛かりだとエディに伝えます。
ジェーンは作戦の失敗をファーザーに追及され、48時間以内に後始末をつけるよう命ぜられます。
焼け焦げたラップトップを仕事仲間のグウェン(ミシェル・モナハン)に調べてもらったジョンは、購入者の住所を特定してその場に向かいました。
ジョンは、その場にジェーンの名前があったことに驚き、彼女も現場の映像を解析して現場の男の正体を知りました。
4)疑惑の解明
帰宅したジョンはジェーンを警戒しながら食事を始め、2人は席を外します。
ジョンは銃を手にするものの、ジェーンが車で逃げ去ったためにそれを追いました。
ジェーンは道を塞ぐジョンに体当たりして、彼が車に乗り込んできたために飛び降ります。
エディの家に向かったジョンは、ジェーンに殺されそうになったことを伝えました。
ジャスミンに会い、ジョンが殺し屋だったことを知らせたジェーンは、愛がないなら必ず彼を殺せると言って励まされました。
互いに友人の家に泊まることになったジョンとジェーンは、複雑な思いだでした。
翌日、ジェーンはジャスミンや同僚達と自宅を調べ、その後、隣人マーティンと家に向かったジョンは、武器が持ち去られていることを知りショックを受けるのでした。
あらゆるデータからジョンの所在を調べようとしたジェーンだでしたが、”ジョン・スミス”がありふれた名前のため、彼を捜しだすことは難しいと思われます。
ところが、ジョンが本部の建物内にいることが分かり、ジェーンは彼と交信しました。
2人は牽制し合い、ジェーンはその場のデータを消去して退避しようとします。
ジョンは目の前のジェーンを撃つことができず、隣のビルに移った彼女を卑怯者呼ばわりするのでした。
ジェーンは、待っているようにと言ってその場から姿を消しました。
5)壮絶な仲違い
本部の資料の残骸から、ジェーンらの居場所を知ったジョンは、建設中のビルに向かいます。
ジョンはエレベーターに閉じ込められて爆破すると脅され、それを実行するようジェーンに言い放ちます。
エレベーターは、ケーブルが爆破で切断されて落下し、流石に動揺したジェーンはそれを確認しますが、別のエレベーターに乗っていたジョンは無事で、その場を去りました。
プロポーズの場所であるレストランにいたジェーンの前にジョンが現れ、二人は互いを警戒しながらダンスを踊り、偽りの結婚生活について語り合います。
ジェーンはその場を離れて爆破を起こした隙に姿を消し、上着に爆弾を仕掛けられていることに気づいたジョンは、それを捨ててリムジンを奪い走り去りました。
ジョンはジェーンに電話をかけ、結婚生活が仕事を優先させるために都合がよかったと彼女に言われます。
自宅に向かったジョンはジェーンの車に体当たりされ、家に入った彼女を追いました。
窓を割って家に入ったジョンは、隠してあった銃を手にしてジェーンと銃撃戦を始めます。
二人は格闘の末に銃を構えるものの、互いに撃つことはできずに愛し合ってしまうのでした。
物音に気付いたマーティンが様子を見に来るが、ジョンとジェーンは何もなかったことを伝えました。
6)狙われた二人
翌朝、エディは、各40万ドルの報酬で、ジョンとジェーンの殺害を依頼されました。
その後、2人は襲撃を受けて地下室に逃れるものの、ロボットが爆弾を運び、それが燃料に引火して大爆発を起こし家は大破します。
2人は爆破寸前に脱出して難を逃れ、マーティンの車を奪って逃走します。
互いの嘘を告白し合いながら、二人は追跡してきた車3台を振り切ります。
エディに会った2人は、ライバル組織に属している自分達が手を組んだ場合の危険性を知り、別れるしか方法がないという結論になりました。
ジャスミンの協力で、タンクの居場所を知った2人はその場に向かいます。
建物に侵入したジョンは、ジェーンの指示を待たずに強引に突入し、タンクを連れ出すことに成功します。
7)共同作業
モーテルに向かったジョンとジェーンは、タンクがなぜ命を狙われているかを問い詰めます。
ターゲットは自分ではなくジョンとジェーンであることをタンクはは白状し、競合組織の殺し屋が結婚していることが不利益となるため、二人を抹殺するのが目的だったことを話しました。
タンクのベルトの発信器で既にジョンとジェーンの居場所は知られていたため、襲撃を受ける前に2人はその場を脱出します。
逃げずに戦うことを決めた二人は、付近にあった”コストコ”に侵入しました。
二人は現れた敵と銃撃戦を繰り広げ、相手を次々と倒すものの銃弾を受けます。
防弾チョッキで銃弾を防いだ2人は、覚悟を決めて最後の攻撃を仕掛け敵を全滅させました。
7)エピローグ
ウェクスラー博士のカウンセリングを再び受けたジョンとジェーンは、夫婦仲が改善したかなどを聞かれ、彼はその通りだと答えるものの、時には殺したくなると付け加えます。
家を改築したことなども話した二人は、結婚生活は危険がつきもので、協力し合えば切り抜けられると言われました。
関係が以前より親密になったかと聞かれ、それを遮ったジョンはセックスの質問を求めました。
10点満点だと何点?という問いに、ジョンは”10点”と答えるのでした。
3.四方山話
1)同題
アルフレッド・ヒッチコックの『スミス夫妻(Mr. & Mrs. Smith)』)は、1941年にアメリカ合衆国で制作されたコメディ映画ですが、本作とは何の関係もありません。
2)よくある名前
ジョン・スミスは英語圏に非常に多い男性名で、偽名の代名詞でもあります。本作の劇中でも、「ジョン・スミス」に関する検索を命じられた部下が戸惑うシーンがあります。また、ジェーンも、ありふれた女性名です。
4.まとめ
アンジーのクールなアクションヒロインぶりといい、茶目っ気のきいたブラピの必殺仕事人ぶりといい、持ち味が存分にいかされている彼らを観ているだけでOKな気分にさせられます。
それに、派手なアクション満載のおかげで、つい忘れがちですが、これは秘密を抱えた夫婦の危機を描くロマンチックコメディです。
そんなカップルが繰り広げるスリリングなやりとりを楽しませる2人のコメディセンスは、期待以上で、アクション映画として観るか、ロマコメとして観るかで、評価は全然違ってきますが、これぞ、ザ・ハリウッド・ムービーでしょう。