凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ザ・ファブル』人気コミックスの見事な実写化になりました!!

この映画『ザ・ファブル』は、南勝久による日本の漫画を原作とした、2019年の監督江口カン、主演岡田准一のアクション・コミック映画です。

目次

 

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1.紹介

共演には福士蒼汰柳楽優弥向井理安田顕佐藤浩市ら世代を超えた豪華キャストが顔をそろえ、それぞれの思惑が暗躍し交錯します。

ハリウッドで活躍するアクション監督のアラン・フィグラルズ(『ボーン・アイデンティティー』)がファイトコレオグラファーを担当。日本からは富田稔率いるアクションチームが、スタントコーディネーターとして参加、さらに現場ではアクションに精通する岡田のアイデアが随所に盛り込まれています。


2.ストーリー

1)プロローグ

ある料亭で外国人マフィアと日本ヤクザが宴会をしていました。ところが見張り役はいつの間にか銃で撃たれて死んでいて、そうとは知らず、芸子さんを呼んで煌びやかに日本刀を差し出し、外国人に渡して楽しんでいると突如、銃弾が外国人マフィアに命中し、。のあと、瞬時に人が何人も殺され、会場は騒然とするのでした。

逃げ惑う人たちも瞬時に殺されていき、そこに、ファブル(岡田准一)が顔にマスクをして全身黒に覆われて登場し、一瞬にして周りは死体だらけになりました。

惨劇の料亭でに、体の処理を請け負う会社の作業員は、真黒カンパニーの下請けのフード(福士蒼汰)と、フードの相棒コード(木村了)に襲われます。フードはそこでファブルの殺し方を見て、本当に、伝説の殺し屋ファブルが存在していることを確信し、また銃さばきの正確さや恐るべき身体能力を目の当たりにして衝撃を受けるのでした。


2)ファブルとは

子どもの頃のファブル(南出凌嘉)は極貧な生活を田舎でしていた時に、ボス(佐藤浩市)に拾ろわれ、サバイバル生活をしながら育ててもらいました。ヤクザの世界しか知らないファブルはどんどん頭角を現し、6秒もあれば簡単に人を殺すことができるようになりました。

そんなファブルを育てたボスでしたが、1年間一般社会との交流を通して普通の生活をするように、またその間は人を殺してはいけない、もし殺したら俺がお前を殺す、というミッションを与えます。

そして相棒(木村文乃)と二人で、兄と妹という設定にし、大阪の町で暮らすように送り出し、東京から大阪に向かう車の中では、ファブルは眉をトントンと叩くと大阪弁になり、テレビのお笑い番組でジャッカル富岡(宮川大輔)が出る度に笑うのでした。ファブルの相棒は毎日飲み歩く酒豪でファブルの運転手をすることになりました。

ボスから別れ際に「小鳥を焼き鳥にするのではなく、育てろ」と言われ、中型のインコを大切に育てることにし、普通の生活をしろ、と言われたものの、これまで普通の生活をしていなかったので普通がよくわからず、戸惑うことばかりでした。ベッドで寝ずにお風呂の浴槽で裸で寝たり、部屋の中ではずっと裸で過ごしていました。


3)ファブル大阪へ

ボスが偽造免許証と偽造保険証を用意して、ファブルは佐藤明「アキラ」と名乗ることに。
また、ボまたファブルの相棒は妹ヨウコ(木村文乃)として大阪で二人が生活を始めるようになりました。

大阪ではボスのツテで真黒カンパニーの海老原(安田顕)の世話になることになり、早速、海老原に「普通の人はみんな働いている。お前も働け」と言われて就活をします。しかし、面接の受け答えや履歴書を見た会社は、どこも採用しないのでした。

ある日、大阪の町をアキラとヨウコが歩いていると、通りすがりのチンピラに襲われます。ヨウコは逃がしたものの、普通の生活をするためにアキラはチンピラに負けるように痛いふりをしたり、鼻血を出したり、倒れたりします。しかし、そのときも即座に相手の利き腕や格闘技経験の有無など、戦闘能力を瞬時に見抜いてしまうのでした。

鼻血を出して倒れていると、たまたま通りすがりのミサキ(山本美月)に声をかけられます。ハンカチを出されて「使いますか?」と聞かれるが「いや。」と言ったとたんに足早に去っていかれるのでした。

そのあとも普通の生活をするために仕事を探していましたが、たまたまこの前出会ったミサキに会い、仕事を紹介してもらいました。ミサキのいるデザイン会社オクトパスの面接を受け、田高田社長(佐藤二朗)に時給800円、雑用係としてやっと採用されました。

 

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4)ファブルの普通

働き始めて少しずつ仕事や会社にも慣れてきて、会社の食事会にも行くようになります。みんなと食事をするようになって、これまで枝豆やスイカや魚を丸ごと食べたりすると周りが驚くのを見て、普通の生活をしている人と違うことを初めて知ったり、自分が極度の猫舌ということに気づいたリもしました。

また、食事中に同僚の貝沼(好井まさお)がミサキを盗撮しているのに気がついて、アキラが机の下から枝豆を貝沼に投げつけて盗撮を阻止したりもしていた。このときも絶妙な距離で盗撮のライターを直撃するのでした。
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アキラの社宅は2階で、1階は海老原の愛車のハコスカが置いてありました。海老原はハコスカに乗るのも触るのさえも禁止していました。

ある日、海老原はアキラを連れて二人のチンピラを殺すように命じた。しかし、アキラはボスとの約束があります、今はボスからもらったインコを育てている、ということを伝えて、殺すことを拒否します。アキラはどこまでもおかしいくらい真面目にボスとの約束を忠実に守ろうとするのでした。

 

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5)厄介者現る

そんなある日、海老原の部下の小島(柳楽優弥)が出所して、海老原の所に戻ってきた。真黒カンパニー会長(組長)の浜田(光石研)は祝い金として500万円を渡します。

アキラは仕事の紹介でミサキに近づいたことを海老原に謝りに行きました。そこに小島がいて、なかなか会わそうとしない小島でしたが、用件を聞いて部屋に通しました。

ところが海老原を呼んでも出て来なかったので、奥の部屋に行くとシャワーを浴びているようでしたが、声をかけても出ないので、戸を開けると海老原は倒れています。小島は戸惑っていましたがすぐにアキラは病状を察知した。そして海老原は入院することになりました。心筋梗塞で倒れていたのでした。アキラはこんなときにもすぐ相手の体の調子や病状がわかります。

小島は海老原が入院している間にかつて、300万円を貸していた風間(加藤虎ノ介)のところに行きました。風間は売春などで儲けていましたが、小島に返す気もなくのうのうと暮らしていたのです。まさか出所して帰ってきているとも思わなかったのか、小島は返せ、と恐喝したが金を返さない風間にしびれを切らし、逆上して殺してしました。

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6)ミサキの危機

その頃、アキラはアルバイトに精を出していました。ミサキは病弱な母親を支えるために、バイトの掛け持ちをしながら働いています。アキラはアルバイトも順調になっていて、雑用係でしたが、ある日、絵を描くとそのキャラクターが個性的で愛嬌があったので社内での評判もよく、社長も認めてくれて時給800円から時給900円に上げてもらえました。

そこでアキラはミサキにお礼を言うと、ミサキはアキラに自分の絵を描いて欲しいと言うのでした。そんなミサキでしたがかつてグラビアの仕事をしていたことがありました。そこに目をつけた小島は、出所してミサキに近づき、脅迫まがいのことをして付きまとっていました。

なかなか仕事を請け負わないので、母親やおばあさんの周辺にまで嫌がらせをされそうになり、身の危険を感じて小島の仕事を引き受けることに決めて小島の家に向かいました。

 

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7)海老原の依頼

海老原は入院している間も小島のことが気にかかっていました。連絡が取れないので妙に嫌な予感がして、アキラに小島を探すように頼みました。その報酬として、先に自分のお気に入りのハコスカを差し出しました。

アキラはミサキも巻き込まれたことを知り、そして助けてもらったり親切にしてもらうと、お礼をするのが普通だとバイト先で教えてもらったので、小島とミサキを救うためにも海老原に協力することにします。

ところが人を殺してはいけないというミッションがあるので、1階の倉庫で一晩中悪戦苦闘しながらもボスから「身近なものを活かせ」と言われていたことを思いだし、ヨウコの手伝いも得て、見た目は本物、中身はオモチャの拳銃を作り上げました。

そして、翌日。銃を持って小島の隠れ家に向かいます。そこにはすでにミサキも小島も拉致されて誰もいませんでした。そこでアキラは次々と拉致現場を検証していきます。小島の動きやドアチェーンが切れていることや、壁の血痕を見て小島とミサキがどのような状況だったかを推察しました。

海老原の予感通り小島はミサキを拉致していました。ところがさらに、真黒カンパニーの幹部の砂川(向井理)についていたフードが、小島とミサキをごみ処理場で拉致していました。


8)ファブル登場

小島と同じ真黒カンパニーの砂川の請け負っているごみ処理場では、砂川が会社を乗っ取ろうと思いつき、海老原が小島に風間殺害をやらせたことにしようと考えていたのです。

アキラは黒いマスクをしてファブルに変身して、ごみ処理場に向かいました。ごみ処理場では小島は椅子に縛り付けられ、今にもクレーンから落ちて命を落としそうな状況に追い込まれていました。

そしてその横でミサキは震えていました。そこに、颯爽と現れたのがファブルでした。壁をよじ登り、小島が捕まっている場所に突入しますが、いきなり銃撃を受けそうになります、扉を防弾にしてどんどんつき進んでいきます。そしてミサキを助けて安全な場所にかくまうと、小島を守りながら何十人もの敵と闘っていきます。

銃撃され、小島は椅子からクレーンが落ちて命を落としそうになったときには、危機一髪でファブルが小島を助けます。ファブルは敵を銃で撃つ訳にもいかず、足で相手を倒れさせたり、急所を微妙にずらして殴ったりしながら殺すことなく相手を倒していきました。

しかし、死んでないのでまた、起き上がってくる敵もいるなかで、さらに小島を抱き抱えながらの闘いでした。小島は危ないながらもファブルに助けられ、命からがら逃げていきました。

 

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9)やる気のフード

フードはやっと伝説のファブルに会えて、かなり興奮状態で対決に挑みます。ファブルを狙いうちすれば自分が伝説になれると思っているので、容赦なく銃で撃ってきます。ところが足を踏み外して下に落下します。落下したものの、さらに追い討ちをかけるように今度はランダムに上に向かって銃を撃ち続けます。

 

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どこに跳んでくるかわからない銃から撃たれながらもファブルは身を守り、体をかわして振り切るのでした。そしてなんとかミサキのいたところにまで戻ろうとするのですが、そこにはコードがミサキを追い詰めていました。

逃げることもできなくなり、ついにミサキは手を離してしまい、高い所から落下してしまう。と同時にちょうどそこへ危機一髪、ボスと思しき影が現れ、落下しているところを助けるのでした。

ファブルは小島を助けましたが、小島は海老原を裏切ったので海老原は無念な気持ちで、けじめとして小島を殺します。


10)エピローグ

ミサキは落下したときに気を失ったのか、気がつくと車のなかでうとうとしていました。目が覚めると横にはマスクを脱いだ海老原の部下が、アキラの家の前まで送り届けてくれました。

あまりにも激しい恐怖と不安とが交錯して、まだ悪夢を見ているようでしたが、アキラの家に入ると何もなかったかのように、朝からヨウコとアキラが酒盛りをしていました。

ミサキも一緒に飲もうよ、とヨウコに言われ、3人で宴会が始まりました。ミサキはさっきまでの出来事を二人に話すわけにもいかず、あの恐怖と今ここで楽しく過ごしている安堵感の落差があまりにも激しく、不思議に感じていました。

飲んでいると、アキラが「少し早いけど」と言って「いつか」描いて欲しいとミサキの願いのアキラのイラストをプレゼントします。ミサキはアキラの描いた絵を見て感動するのでした。

 


3.四方山話

1)ファブルの名称

原作からの繋がりから言うと、主人公のアキラは専ら「ファブル」として恐れられていますが、元々はこの名は個人の渾名ではなく、組織に対する呼び名でした。

ただし、正式名称という訳ではなく、アキラは「おまえらが勝手にそう呼んでるだけだ」と言い、ボスは「その呼び名は好きじゃない」「本来は名もなき組織だ」と語っていて、明たち構成員は単に「組織」と呼びます。


2)ファブルの大阪弁

岡田准一は、ネイティブ関西人(大阪府枚方市出身)のはずですが、ときどき外しています。関西人の中には、どうしても関西弁が抜けない人と、すんなり標準語にハマれる人がいて、岡田はどうも後者のようで、ごく若い頃から上京しているとは言え、残念なところです。


2)ミサキ役

女優、モデルとして活躍する山本美月は、漫画やアニメに造詣が深く、自他ともに認める“オタク”でもあるだけに、「基本的には、漫画やアニメの実写化にはあまり賛成ではないんですけど……」と本音を漏らしました。だからこそ、「やるからには、原作ファンに失礼がないよう、忠実にキャラクターを演じたいという気持ちが強くあるんです」と本作への決意を明かしています。           映画.com


3)ヨウコ役

「原作のキャラクターを演じるという意味では、私はヨウコみたいにセクシーじゃないですし、正直『うまく原作に寄せられるかな』という不安はありました」と振り返る木村文乃。それでも「監督のなかに、明確なヨウコ像がありましたし、いただいた台本をどれだけ表現できるかという点では、普段のお芝居と変わらない。実写化される以上は、漫画とは別物と捉えています」と、演じる姿勢にブレはなかった。  

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4.まとめ

ちょっと間抜けたユーモアと、何が何だか解らなくなるアクションが面白く、安田顕のザ・ヤクザ、柳楽優弥の極悪人が際立った映画でした。