凸凹玉手箱

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映画『マンハント』二人がかりの銃撃アクションが凄いのです!!

この映画『マンハント(追捕)』は、2017年の中国映画。1976年に公開された西村寿行の同名小説の映画化作品、高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』をリメイクしたものです。

目次

 

 

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1.紹介

2016年3月16日、香港インターナショナル・フィルム&テレビマーケットにて、ジョン・ウー監督により、福山雅治とチャン・ハンユーのダブル主演でメイク作品の制作が発表されました。

中国映画ながら舞台は日本であり、主人公が中国人の弁護士ドゥ・チウ、真由美が中国人とのハーフだという設定以外はオリジナルと大きな変更点は見られません。なお、ドゥ・チウの漢字表記は日本版と同じ「杜丘」(モリオカ)としているのはオマージュによるものでしょうか。


2.ストーリー

1)プロローグ

大阪の超高層複合ビル、あべのハルカスに本社を構える巨大製薬会社・天神製薬は、海外でも精力的に展開しており、中国人の国際弁護士ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)は同社の顧問弁護士をしていました。そんなある日、ドゥ・チウは天神製薬社長の酒井義廣(國村隼)が息子で次期社長の宏(池内博之)が新薬開発の責任者に就任した記念のパーティーに出席しました。

 

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2)容疑者逃亡

翌朝、自宅で目覚めたドゥ・チウは、ベッドの横に同社の社長秘書・希子(TAO)の殺害された死体が横たわっていました。ドゥ・チウは駆け付けた大阪府警の浅野警部(トクナガクニハル)に自身の無実を主張しましたが聞き入れてもらえず、近くにはドゥ・チウの指紋が付いたナイフが見つかったことから、ドゥ・チウは殺人容疑者として逮捕されました。しかし、何者かにハメられたと確信したドゥ・チウはその場から逃げ出しました。

 

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事件のカギを握るのは、ドゥ・チウが事件前のパーティー会場で知り合った謎の美女、遠波真由美(チー・ウェイ)です。大阪府警刑事部捜査一課長の矢村聡刑事(福山雅治)は、部下の百田里香(桜庭ななみ)と共に逃げたドゥ・チウを追い、高速道路の建設現場で労働者に成りすましていたドゥ・チウを発見しましたが、彼は無実を訴えると隙を突いて再び逃亡しました。


3)トラップ疑念

ドゥ・チウは自力で事件の謎を暴くべく行動を開始しましたが謎の殺し屋の襲撃を受け、堂島川に飛び込んだドゥ・チウは矢村の追跡を交わして水上バイクで逃走しました。その後、ドゥ・チウは真由美と再会、彼女の経営する牧場に匿われました。真由美にはかつて天神製薬の研究員だった婚約者の北川正樹(田中圭)がいましたが、3年前に謎の死を遂げていたのです。ドゥ・チウは3年前に天神製薬の企業秘密を盗んだとされる北川の裁判を担当していたのです。

矢村はドゥ・チウの匿われている牧場を突き止め、彼に手錠をかけようとしたその時、女殺し屋のレイン(ハ・ジウォン)らが襲い掛かってきました。

ドゥ・チウと矢村は連携して何とか殺し屋の追撃から逃れましたが、矢村はレインに肩を撃たれて負傷してしまいます。一連の捜査や出来事から、事件にきな臭いものを感じ取っていた矢村はドゥ・チウの無実を確信、協力して真犯人を探すことを決めました。

 

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4)新薬の謎

北川はかつて天神製薬社長酒井の指示を受けて違法な向精神薬の開発に携わっていましたが、北川はその事実を世間に公表しようとしたことから酒井親子はレインら暗殺者を雇って北川を自殺に見せかけて殺害していたのです。
北川は向精神薬の完成のカギを握る処方コードを真由美の牧場に隠しており、ドゥ・チウは事件の真相を暴くため真由美と共に再び大阪に乗り込み、天神製薬の研究施設に潜入しましたが、そこでドゥ・チウが見たものは強制的に人体実験を課せられていたホームレスたちの姿でした。しかし、真由美はレインにさらわれてしまい、ドゥ・チウも捕らえられて完成間近の新薬の実験台にされました。


5)事件の真相

警察内部に天神製薬と繋がっている者がいることを知った矢村は、肩の怪我をおして天神製薬の研究施設に向かいました。実は矢村は数年前に最愛の妻を天神製薬の社員が運転する車に撥ねられて失っており、その事を今でも引きずっているのです。
矢村は新薬の副作用で自我を失いかけたドゥ・チウを助け、更には捕えられていた真由美も救い出しました。天神製薬の悪事に失望したレインも味方に加わり、矢村とドゥ・チウは事件解明と新薬の流失を阻止すべく酒井親子と対峙します。そして、ドゥ・チウが罪を着せられた殺人事件の真犯人は、ドゥ・チウと希子の関係を疑った宏の犯行であることが明らかになりました。

 

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6)エピローグ

激しい攻防の末にレインは命を落とし、宏も死亡して研究施設は壊滅しました。全てを失った酒井社長は自殺、やがて事件の全容は明るみとなりドゥ・チウの無実も無事証明されました。
真由美と新しい人生を送ることを決意したドゥ・チウは、とある駅で矢村の見送りを受け、それぞれの祖国の言葉で別れを告げました。

 

3.四方山話

1)ロケ地

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日本でのロケは、近鉄グループホールディングス近鉄ロケーションサービスおよび大阪ロケーション・サービス協議会が協力し、近鉄グループの施設であるあべのハルカスや旧生駒トンネル、大阪上本町駅をはじめ、阪神高速道路中之島など大阪府を中心に撮影が行われました。
その他、奈良県では宝山寺山添村カントリーパーク大川、岡山県では蒜山や同和鉱業片上鉄道吉ヶ原駅で撮影が行われました。


2)福山雅治の不幸

福山雅治という人も不思議な人で、結婚後の急降下度が半端ありません。何をしても裏目で、月9ドラマ低迷、コンサートでスタッフ怪我するわ、自宅に不法侵入されるわ、等々。彼自身が原因ではないことも多いけれど、日本を代表する「いい男」の象徴として20年間以上君臨し続けてきたスターとは思えないほど、運気と人気が急降下しています。
ラジオでの下ネタも、結婚して所帯持って子供もいて、容姿も整っているとなると、聞いていて嫌味にも聞こえるようになった男性支持者も多いとか、あくまで噂、ヤッカミとも捉えられるかも知れませんんが。
要は「俺らの憧れの兄貴」じゃ無くなっってしまい、福山雅治桑田佳祐にはなれなかったようです。とは言え、桑田佳祐は早くにメンバーを嫁にしてたし、顔で売れるタイプではありませんが。


3)失敗作?

果たしてコレが本当に『M:I-2』や『レッド・クリフ』を撮った監督の作品と言えるのでしょうか。本当に酷いありさまで、80年代後半の角川映画のような大雑把な感じです。安直でベタなストーリーに唖然呆然通り越して、開始早々に失敗したな感がしてきます。
さらに日本語、中国語、英語の不可解な交叉と稚拙なアテレコがこのB級感を助長しています。
たまにB級映画を敢えて褒め称えることで、マニアックさ、俺は分かってると「通」ぶる人もいますが、この映画を観て「やっぱジョン・ウー監督はこうでなくちゃ」とか言うのはニワカで、この程度の監督ではありません。
しかしながら、アクション映画の巨匠であるのに間違いはなく、格段に難しくなるといわれる複数で絡むアクションを素人の福山雅治を使った銃アクションだけは流石でした。そこだけに敬意を表して余りあります。

 

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4.まとめ

中国では、細かい設定や前後の矛盾を気にしない映画が良くありますが、これは典型的なタイプです。脚本も設定も、様々な矛盾やセリフなど全てが破綻しています。ジョン・ウー監督作なので最後まで観ましたが、鑑賞に耐えないものでした。
殺し屋、殺人の目的、新薬製造などサスペンスのキーワードは揃っていますが、繋がりが無茶苦茶なのでホンマかいなで最後まで観てしまい、あげくオリジナルまで観てしまいました。
そして、オリジナルの結末を観て驚愕し、この手の映画が大ヒットする国が悍ましく思いました。