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映画『キングコング: 髑髏島の巨神』全編クライマックス!最新VFX満載で描くアドベンチャー超大作です!!

 

この映画『キングコング: 髑髏島の巨神』(Kong: Skull Island)は、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督による2017年3月公開のアメリカ合衆国の怪獣映画で、キングコングの映画としては通算8作目になります。

目次

 

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1.制作

レジェンダリー・ピクチャーズは2014年7月にサンディエゴ・コミコンにて『Skull Island』と題したキングコングのオリジン・ストーリーの企画を発表し、2016年11月4日にユニバーサル・スタジオ配給で公開予定であることを公表しました。
レジェンダリーはジョー・コーニッシュに監督のオファーを出し、一方では以前に『キング・コング』を監督したピーター・ジャクソンギレルモ・デル・トロを提案しました。

2014年9月、スタジオはジョーダン・ヴォート=ロバーツが監督を務めることを発表しました。彼は本作を「モンスターが出てくるベトナム戦争映画」と語っており、『地獄の黙示録』をイメージした映像が含まれています。また、時代設定は1973年となっていて、その理由について「テクノロジーがまだここまで進んでいなくて、科学と神話の境目がはっきりしていない時代だった」ためと述べています。

撮影前に脚本は複数の脚本家たちの関与を受けました。キングコングゴジラの連続した世界観が求められたため、『GODZILLA ゴジラ』のマックス・ボレンスタインが初稿を書き、次いでジョン・ゲイティンズが第2稿執筆のため雇われました。2015年8月、ダン・ギルロイがボレンスタインとゲイティンズの脚本に協力していることが明らかとなりました。2015年8月18日、デレク・コノリーが書き直しのためにさらに雇われたことが明らかとなりました。

2014年12月12日、スタジオは映画を『Kong: Skull Island』に改題したことを発表しました。2015年9月10日に、レジェンダリーは『Kong: Skull Island』の配給をユニバーサルからワーナー・ブラザースに変更し、彼らはキングコングゴジラマッシュアップの計画を立て始めました。その後、脚本では2014年の映画『GODZILLA ゴジラ』に登場した秘密機関モナークが参照されることが明かされました。

主要撮影は2015年10月19日に始まり、2016年3月18日に完了しました。撮影は主にベトナム北部、ハワイ州オワフ島、オーストラリアのゴールドコーストで行われ、ロケ地にはホノルル・チャイナタウン、クアロア・ランチ、ワイカナエ・バレーが含まれました。2016年1月半ばには、オーストラリアクイーンズランド州ゴールドコーストで行われました。


2.公開

日本では、2017年3月25日の公開に先駆けて同年2月28日にワーナー・プラザース映画試写室で日本最速試写会が開催されました。

北米興行収入は1億6,810万ドルと制作費に届きませんでしたが、その他の地域で3億9,810万ドルの興行収入を記録し、世界全体で5億6,620万ドルを記録しています。北米では公開第1週で4,000〜5,000万ドルの興行収入を記録すると予想されていましたが、実際には、第1週で予想の35%増の6,100万ドルの収益を上げています。この記録は、ピーター・ジャクソン版の『キング・コング』の5,010万ドルを上回りましたが、2014年の『GODZILLA ゴジラ』の9,300万ドルには及びませんでした。


3.ストーリー

1)プロローグ

1944年、太平洋戦争中の南太平洋戦域での空戦で、とある島に墜落したアメリカ兵マーロウは、同じく墜落した日本兵イカリから逃れるため島の奥地に入り込み、追って来たイカリと戦う。止めを刺されそうになったマーロウでしたが、突然そこに巨大な猿の様な生物が姿を現しました。


2)髑髏島への調査隊

1973年、アメリカがベトナム戦争からの撤退を宣言した日、特務研究機関モナークの一員であるウィリアム・“ビル”・ランダ(ジョン・グッドマン)は、ランドサットが発見した未知の島・髑髏島への地質調査の件でアル・ウィリス上院議員リチャード・ジェンキンス)を説き伏せました。

 

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ランダは護衛の部隊を派遣するようにも要請し、ベトナムから帰還予定だったプレストン・パッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)の部隊が同行することになりました。また、元イギリス特殊空挺部隊隊員のジェームズ・コンラッドトム・ヒドルストン)を島の案内役として雇い入れました。ランダたちの行動を知った戦場カメラマンのメイソン・ウィーバーブリー・ラーソン)も調査隊に加わり、一行は髑髏島に向けて出発しました。


3)コング現る

髑髏島の周囲は暴風雨に覆われて船での接近は不可能な状態でしたが、ランダたちはパッカード部隊のヘリコプター数機に乗り換え島へと向かいました。暴風雨を突破して島に乗り込んだ調査隊は、地質調査の名目で眼下の地にサイズミック爆弾を次々と投下していきましたが、その騒ぎを聞き付けたコングが姿を現し、怒り狂うコングによりヘリコプター部隊は全滅して調査隊は散り散りとなりました。
コンラッドウィーバーたちは島を脱出するために船から来るヘリコプターとの合流地点である島北部に向かい、パッカードは部下を殺したコングを抹殺する武器を手に入れるため、救出も兼ねて部下のジャック・チャップマン少佐(トビー・ケベル)が落ちた島西部に向かうのでした。


4)先住者との出会い

コンラッドたちは北に向かって進む中、島民であるイーウィス族と遭遇し、その際に太平洋戦争以来島に取り残されていたハンク・マーロウ中尉(ジョン・C・ライリー)と出会いました。マーロウの招きでイーウィス族の集落を訪れたコンラッドたちは、彼らが聖廟として使っている廃船に案内され、そこでコングが島の守護神であることを聞かされるのでした。
コンラッドたちは合流地点に向かおうとするのですが、マーロウに「徒歩で向かっても間に合わない」と忠告され、彼が脱出用に作っていた再生小型船グレイ・フォックス号を整備して共に合流地点へ向かうことにしました。

 

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コンラッドやマーロウがグレイ・フォックス号の整備を進める中、ウィーバーは集落の外で撃墜されたヘリコプターの下敷きになっていたスケル・バッファローを助けようとしました。そこにコングが現れてスケル・バッファローを助け、彼女に敵意がないことを判断したコングはその場を立ち去るのでした。


5)スカル・クローラーの襲撃

コンラッドたちは整備が完了したグレイ・フォックス号に乗り込み出発します。その途中でパッカードやランダたちと合流しますが、島から脱出しようとしていたコンラッドは部下のチャップマン救出を主張するパッカードに押し切られ、共にチャップマンのいる西部の山に向かうことになりました。

 

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しかしながら、西部の山は島の怪物たちの棲み処となっており、コンラッドたちは島で最も凶悪な生物であるスカル・クローラーに襲われました。ランダをはじめ多数の犠牲者が出たものの、何とかスカル・クローラーを撃退した一行でしたが、直前にスカル・クローラーが吐き出したチャップマンの認識票が巻き付いた頭蓋骨を目の当たりにして彼が死んだと判明しました。

 

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しかし、それでもパッカードはコングへの復讐を理由に西部へ進むと断言し、コンラッドやコング抹殺に反対のマーロウたちと対立しました。最終的にコンラッドたち民間人はグレイ・フォックス号に戻り、パッカードたち軍人はコングを攻撃することに決まり、一行は二手に分かれることになりました。


6)復習のパッカード大佐

コンラッドウィーバーグレイ・フォックス号を探すため山に向かい、そこでコングと出会います。ウィーバーと触れたコングは敵意の無い二人を残してその場を立ち去ろうとしますが、パッカードがサイズミック爆弾を爆発させたため怒り出し、パッカードたちの元に向かいました。
コンラッドウィーバーはマーロウと共にパッカードを止めるためコングの後を追いました。パッカードは誘い込んだコングを火攻めにし、弱って倒れ込んだコングを爆薬で吹き飛ばそうとしますが、それを阻止しようと現れたコンラッドたちと対峙し状況は一触即発となりました。
三人の説得にパッカード以外の兵士たちは説き伏せられるが、そこに大型のスカル・クローラーが出現し、コンラッド達がその場から逃げていく中、コングは一人になってもその場から逃げようとせず自身を抹殺しようとしたパッカードを葬り、スカル・クローラーに立ち向かうのでした。


7)コングの逆襲

夜が明け、コンラッドたちは先にグレイ・フォックス号に乗り込んだブルックスとサンの元に合流しようとしますが、スカル・クローラーに追い付かれてしまいます。
そこに、後を追ってきたコングに攻撃を仕掛けられ、再び2体は戦いを開始しました。

コンラッドたちもコングを援護し、コングは廃船のスクリューを武器にスカル・クローラーを倒して、戦いの衝撃で川に投げ出されたウィーバーを助け出すと、姿を消しました。コンラッドたちは無事に合流地点に到着し、救助隊のヘリコプターに救出され、髑髏島から脱出することができました。


8)モナークへの招聘

アメリカに帰国後、マーロウは出征以来生き別れとなっていた妻子と無事に再会を果たしました。一方、コンラッドウィーバーモナークに招かれ、ブルックス、サンと再会して調査への協力を依頼されました。ブルックスは「王はコングだけではない」と語り、モナークが集めた古代生物が描かれた壁画の資料や日本列島周辺の地図及び原水爆実験のキノコ雲の写真を見せるのでした。


4.コングのプロフィール

体長:31.6メートル
体重:158トン

髑髏島の生態系の頂点に君臨する超大型類人猿となります。しかし、種としてはスカル・クローラーとの生存競争に敗れており、本作に登場したコングが最後の生き残りとなっています。コングの両親を殺害したスカル・クローラーをはじめ、島の調和を乱す生物には容赦しませんが、基本的には博愛精神の強い温厚な性格で、スカル・クローラーの脅威から守られている島民イーウィス族からは神として崇められています。マーロウは「この島の王」と呼称しています。
このコングはまだ若いオスであり、さらに巨大に成長することがマーロウの台詞から示唆されています。

 

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本作のコングの体長については、監督のロバーツは「将来的にゴジラと対決させるため」という理由のほか、「見上げたときに『神だ』と思うサイズを意識しているんだよ。」と述べています。また、モーションキャプチャを用いていることについては、「コングの動きをどうするのか、試行錯誤の中で使っているに過ぎない」と語っており、主にCGアニメーションで作られています。


5.批評

Rotten Tomatoesには287件のレビューが寄せられ、平均評価6.5/10点、支持率76%となっており、「爽やかな目の保養、強い演技力、テンポの良いストーリーを提供する『キングコング: 髑髏島の巨神』は、古典的なオリジナル作品とマッチすることなく、怪獣映画の中で地位を確立した」と批評しています。

シカゴ・トリビューンのマイケル・フィリップスは4つ星満点中3ツ星半の評価を与え、「私はヴォート=ロバーツの最初の映画で、高揚する精神と巧みな演出を見ました。本当に良い映画を見に行きました」と批評しました。

Uproxxのマイク・ライアンは、「この映画は私が見たいと思っていた内容とは違いましたが、それでも楽しむことが出来る内容でした。ほんの少しだけ、映画に狂気を抱いていたかった」と批評しています。

ハリウッド・リポーターのトッド・マッカーシーは、「必要な要素が理想的な割合で組み込まれています。これは、こうした内容の映画では滅多に見られないことです」と批評しました。

Nerdist News(英語版)のカイル・アンダーソンは、「完璧な映画ではないことは確かであり、多くのキャラクターもスケッチのように感じられます。しかし、この映画は最初から最後まで楽しむことが出来ます」と批評しています。

本作のプレゼンテーションに参加した樋口真嗣は、本作のコングについて「33年のオリジナル版キングコングのような人形劇の動きに近く、ピーター・ジャクソン版で描かれたような巨大なゴリラではなく、どちらかといえばリック・ベイカー(1976年版コングのスーツアクター)っぽい。『キングコング2』で見せた人形のようなキングコングに近い」と語り、作品の内容を「正統派の怪獣映画という予感がします」とコメントしています。

 

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6.まとめ

スカル・クローラーの気色の悪い姿と、コングの優しく慈愛に満ちた目が印象に残るまさに怪獣映画でした。