凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『夕陽のガンマン』マカロニ・イーストウッドの第2作です!!

 

1965年のイタリア制作の西部劇で、監督はセルジオ・レオーネ、主演はクリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフが共演みたいに出演しています。日本とアメリカでは1967年に公開され、マカロニ・ウェスタン「ドル箱三部作」の第2作目に当たります。

 

    f:id:mattyanp2016:20191114215332j:plain

 

レオーネが、『荒野の用心棒』のイタリアでの大ヒットで実力を認められ、前作を大幅に上回る予算を与えられて製作した作品であって、本作品でレオーネは独自の演出スタイルを確立、名実共にマカロニ・ウェスタンの巨匠と目されるようになりました。

このマカロニ・ウェスタンと呼ばれる西部劇は、1960年代から1970年代前半に作られたイタリア製西部劇を表す和製英語で、大半のものは当時のユーゴスラビアやスペインで撮影されました。

イギリス・アメリカ・イタリアなどでは、これらの西部劇をスパゲッティ・ウェスタンと呼んでいて、マカロニ・ウェスタンという呼称は、セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』が日本に1965年に公開された際に、映画評論家の淀川長治が「スパゲッティでは細くて貧弱そうだ」ということで「マカロニ」と呼び変えたと言われています。

日本の造語であってマカロニ・ウェスタンという言葉は他国では通用しないとも言われますが、イギリスの映画評論家であるクリストファー・フレイリングが2006年に出した著書によると、実際には本国イタリアでもマカロニ・ウェスタンと呼ばれているといい、韓国ではマカロニとスパゲッティの両方の呼称が使われており、より多く用いられているのは「マカロニ・ウェスタン」なようです。

スパゲッティ・ウェスタン」という名称はやや蔑称的だそうでドイツでは「イタロ・ウェスタン」という呼称が正式なようです。俳優などイタリア人以外が多く関与しているものは「ユーロ・ウェスタン」と呼ばれることもあります。

イタリア製らしく、随所にユーモアを入れていて、イーストウッドとヴァン・クリーフがたがいの足を踏んで睨み合ったり、鉄道会社に土地を売らなかった老人の家の横を汽車が轟音と埃を立てて通過するなど、他愛もないなくてもいいような話を差し込んでいます。

 

f:id:mattyanp2016:20191114215840j:plain

 

物語は、賞金稼ぎであるダグラス・モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)は、1,000ドルの賞金首を仕留めますが、保安官事務所で1万ドルの賞金が賭けられたインディオジャン・マリア・ヴォロンテ)一味が近くにいることを小耳にはさみます。

一方、2,000ドルの賞金首を仕留めた賞金稼ぎのモンコ(クリント・イーストウッド)もまたインディオ一味を狙っており、モーティマー大佐はモンコと組んで一味の賞金を山分けすることにしました。一味は、顔馴染みの悪党のグロッギー(ルイジ・ピスティッリ)と共にエルパソ銀行を襲撃しようと企んでいたのでした。

 

f:id:mattyanp2016:20191114220206j:plain

 

モーティマー大佐はインディオの情報を得るため、モンコを一味に潜入させようとし、モンコは刑務所から一味の仲間を脱獄させた恩を売って一味に加わります。保安官をまくために、インディオは、モンコたちに別の銀行を襲撃するように命令しますが、モンコは途中で彼の手下を殺し、保安官たちにエルパソ銀行が襲撃されることを知らせます。しかし、インディオは、保安官たちが到着する前に銀行の金庫を奪って逃走していました。

作戦が失敗したことで、モンコはモーティマー大佐と手を切ろうとしますが、モーティマー大佐はモンコを説得して、インディオを誘い込んで挟み撃ちにしようと持ちかけます。モンコはモーティマーを出し抜くために、インディオを違う場所に誘い込もうとするが、警戒心の強いインディオは別の方角に逃亡する。しかし、そこには二人の考えを見抜いていたモーティマー大佐がいました。

モンコとモーティマー大佐は一味から金を奪い取ろうとしますが、正体がバレて捕まってリンチを受けてしまいます。インディオは二人を殺し銀行襲撃犯に仕立て上げようとしますが、その夜に彼の命を受けたニーニョ(マリオ・ブレガ)によって二人は逃がされます。

f:id:mattyanp2016:20191114220533j:plain

 

インディオは手下たちに二人を追わせて金を独り占めしようとしますが、グロッギーに見抜かれてしまい、ニーニョは殺されてしまいます。追跡した手下たち二人は全員返り討ちにあい、インディオはモーティマー大佐から勝負を挑まれます。実はモーティマー大佐の妹夫婦はインディオに殺されていて、彼は復讐のためにインディオを追っているのでした。

インディオは不意を突いてモーティマー大佐を殺そうとしますがモンコに阻止され、一騎打ちの末にモーティマー大佐に射殺されます。復讐を果たしたモーティマー大佐は、モンコに一味の賞金を全て譲り、その場を立ち去って行きます。

 

f:id:mattyanp2016:20191114215049j:plain

 

生き残っていたグロッギーも、モンコは射殺して、インディオ一味の合計2万7000ドルの死体を乗せた荷馬車と共に去っていくのでした。尚、エル・パソの銀行から奪った5万ドル以上の金については、モンコがどうしたかは語られていないようでした。