凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

映画『ボーン・アイデンティティー』は傑作スパイ・アクションムービーです!!

この映画の主演、マット・デーモンは、1988年にジュリア・ロバーツ主演の『ミスティック・ピザ』で端役デビューし、1996年には『戦火の勇気』に湾岸戦争帰りのジャンキーの役で出演していました。

そして、ご存知1998年の『プライベート・ライアン』では主役(?)のライアン二等兵を演じていました。さらに、2001年『オーシャンズ11』で二代目のスリとして末席にいました。

この間、幼馴染のベン・アフレックと共に脚本を書き、1998年『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』として映画化され、ベン・アフレックと共にアカデミー脚本賞を受賞、マット・デーモンは、アカデミー主演男優賞にもノミネートされました。

こうして、キャリアを重ねてきましたが、2002年この『ボーン・アイデンティティー』が大ヒットし、続編3本、スピンオフ1本の人気シリーズとなり、マット・デーモンの代表作ともなりました。

 

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ジェイソン・ボーンを主人公にしたロバート・ラドラム原作の国際ポリティカル・サスペンス3部作の第1作目にあたる同名小説(邦題は『暗殺者』)を映画化したサスペンス・アクションです。ヨーロッパの各地を舞台に、記憶を失った男が、訳も解らないままに、恐るべき戦闘能力を備えた自分の正体を突き止めようと奔走しながら、次々と現われる暗殺者たちとの攻防に巻き込まれていくさまをスリリングに描きます。

この映画の背景として、アメリカCIAは、独裁国家の独裁者を暗殺することを公然と一つの国家目標としているようで、9.11テロの主謀者と目されているオサマ・ビンーラディンやイラクフセイン大統領は、その最大のターゲットであり、他にもソマリアのアイディード将軍など、その標的はたくさん存在していました。

「世界の憲兵」、「民主主義の砦」を自負するアメリカや、その情報戦を担うCIAにとっては、特殊な訓練を積んだスパイ・工作員を送り込んで、これらの標的を倒すことは絶対的な善であると信じられていように思われます。まさに、このことがこの映画を成立させ、さらにこういう現実の存在が面白いスパイ小説やスパイ映画を生む土壌にあるわけです。

この映画は、このような任務を与えられた特殊工作員ジェイソン・ボーンマット・デイモン)が、任務に失敗すれば、当然に話はややこしくなるだけでなく、さらにその男が自分に与えられた任務や、自分が取ってきた行動についての記憶を喪失していて、回復するために全力で動き回り、このことを指令した側のCIA本部のテッド・コンクリン(クリス・クーパー)が把握できていないとあれば、当然深刻な事態となってきます。

 

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ある嵐の夜、イタリアの漁船が洋上に漂う意識不明の若い男を発見します。引き上げられたその男の背中には弾痕があって、皮下にはマイクロカプセルが埋め込まれ、それにはスイスの銀行の口座番号が印されていました。

なんとか息を吹き返した男は、記憶を失って、自分の名前も分からない状態でした。数週間後に、彼は身元の唯一の手掛かりであるスイスの銀行に向かいます。その貸金庫にはジェイソン・ボーン名義を含め6ヵ国のパスポートや大金、そして拳銃が入っていました。やがて暗殺者たちに狙われ始めた彼は、偶然出会ったマリー・クルーツ(フランカ・ポテンテ)の協力を得てパリへと向かうのでした。

 

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この映画の見どころは、マット・デイモンの格闘シーンやパリ市街でのカーチェイスです。この映画の役作りのために、マット・デイモンは、筋肉を鍛え上げ、マーシャル・アーツの格闘技を学んで、無駄のないアクションになっています。また、面白いのは彼女が乗る赤のミニクーパーですが、大した馬力のない低排気量の車で、ボーンがこのミニクーパーを巧みに操って、追跡するパトカーや白バイとの間で繰り広げるカーアクション・シーンは面白くて秀逸です。

 

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ストーリーは、主人公のボーンと一緒に、展開とともに少しずつ隠れていた真実を理解する事ができ、主人公が理解した物が観客の理解となり、ボーン目線でストーリーを追えて飽きずに見ることができます。無駄に複雑化させずに単純なストーリーを少しづつ見せてくれるので、ボーンやマリーになった気分になるのがこの映画の魅力でしょう。