凸凹玉手箱

A Post-Baiby Boomer

壮絶!アメリカ陸軍日系二世部隊のドキュメンタリー・映画・コミックス!!

 

8月は終戦の季節です。毎年8月15日に向けて先の大戦に関連の番組が組まれています。今年も『日本のいちばん長い日』『小野田少尉 帰還~戦後29年ジャングルの中で』等と、再放送を含めて幾本かの関連番組の中で、『失われた大隊を救出せよ~米国日系人部隊”英雄”たちの真実』というNHKBS1の再放送が目につき、大昔に読んだコミックス、検索中に見つけた映画と思いは広がりました。

目次

 

 

 

1.コミックス

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第二次世界大戦のある日、イギリス空軍のホーカー・タイフーン戦闘機がイタリアの連合軍最前線に故障により不時着しました。ドイツ軍に銃撃された搭乗員を救ったのは、どう見ても日本人の兵隊でしたが実のところは二世部隊で知られたアメリカ陸軍第442連隊のリッキー・熊本伍長の率いる分隊でした。

 

ここから『最前線』、後に新たに『二世部隊物語』として編集されたコミックスが始まります。『ワイルド7』などでお馴染みの望月三起也の1963年の作品です。故障不時着したタイフーンのロケット弾と20ミリ機関砲を使ってドイツ軍のパンター戦車を撃破します。この場面が印象に残っていて、第二次大戦のアメリカ軍に日系アメリカ人二世部隊が存在して、極めて勇猛果敢であったことを知らされました。

 

作者の望月三起也も前書きでいっていますが、「けっきょく二世部隊の資料が集まらず第442部隊と第100部隊の名前を使っただけのフィクションになってしまい...(後略)」なのですが、作画が詳細までよくできていて、映画のような逆転の爽快さもあるエンターテイメントになっています。

 

2.ドキュメンタリー

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2017年3月19日にNHKBS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー『失われた大隊を救出せよ~米国日系人部隊”英雄”たちの真実』で442部隊の成り立ちからその栄光と影を描いていました。

 

ここでは、第二次世界大戦中、厳しい差別にさらされた日系アメリカ人たちが「アメリカへの忠誠を示すため」に志願し編成された陸軍442連隊が、ヨーロッパ戦線で数々の勝利をとげ「英雄」と呼ばれるようになった彼らに課せられた、最も過酷な作戦がありました。

 

ヨーロッパ戦線フランスの深い森の中、ドイツ軍に包囲された211名のテキサス大隊を救出する緊急指令。無謀な作戦のために、多くの将兵が犠牲になりました。元将兵の証言や400ページにも及ぶ機密文書、緻密な考証をもとにして、迫真のドラマを交えて過酷な戦闘の全貌を再現し、さらに背景となったアメリカ政府の思惑にも触れていました。

211名のテキサス大隊を救出するのにそれを超える216名の442部隊の将兵が戦死するほどの悲惨な激戦と、当時の日系二世に対する偏見と迫害を現在に伝えようとし、時代とともに変わってきた解釈や極秘資料の開示などによりあの戦争の真実をのぞかせていました。

 

3.映画

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『二世部隊』(英題:Go for Broke!)は、1951年の作品で、製作はドア・シャアリィ、脚本と監督はロバート・ピロッシュがあたり、撮影はポール・C・ヴォーゲル)、音楽はアルバートコロンボが担当しています。

 

主演の新任小隊長役はヴァン・ジョンソン、そのほか隊員役にアキラ・福永、ジョージ・三木、ヘンリー・中村、レーン・中野などの第442連隊の元兵士達が出演しています。そのためか兵装や日系人の取り扱いが自然で違和感がなく、戦後あまり月日が経っていないこともあってか、ほとんどドキュメンタリー感覚で見ることができます。

 

アメリカ国民なのに日本人という日系二世は、アメリカ人にとってこう見える、という可笑しみが満載で、彼らの受けるカルチャーショックと、後の「見くびっていてごめんな」的な価値観の逆転が、日本人である我々にはなんとなく「それ見たことか」というような、「ざまあみろ」でもありませんが、胸がすかっとする爽快さを味わせてくれます。

 

戦闘シーンも、戦死するシーンもあることはありますが、全体的にコミカルなシーンが多く、戦争の悲惨さにあまり表現の中心を置いていないためか、どちらかというと面白く観られる映画でもあるかも知れません。

 

4.まとめ

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どのジャンルにおいても、日系アメリカ人二世部隊のお話なので当時の時代背景から偏見・迫害の事実、脱却への努力・思い、悲惨な現実と栄光・賞賛がそれぞれに描かれていて考えさせられる8月となりました。