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夏の風物詩「鳥人間コンテスト」と土屋太鳳の映画『トリガール!』とは?!

 

讀賣テレビ制作・日本テレビ系列で全国ネットの特別番組の夏の恒例イベント「鳥人間コンテスト2018」が7月28日、滋賀県彦根市の琵琶湖・松原水泳場で開催されましたが、台風12号の影響により、翌29日のコンテストは中止することになりました。

 

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この「鳥人間コンテスト」は1977年開始以来41回の歴史の中で中止になったのは1997年と2009年の2回でしたが、今回第41回は、28日は「滑走機部門」を、また29日に予定していた「人力プロペラ機部門」の一部も実施しましたが、天候悪化のため競技続行不能となり、人力プロペラ機部門は不成立となりました。

 

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この様に、テクノロジーと体力の競技ではありますが、アウトドアでのステージであるがため天候に大きく支配されてしまいます。毎回、様々な要因で様々なドラマが生まれていますが、この映画は、作者の中村航の母校・芝浦工業大学をモデルに、「鳥人間コンテスト」の常連である同大学の人力飛行機チームの奮闘を描く青春物語です。

 

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この映画のモデルとなった芝浦工業大学「Team Birdman Trial」は非常にユニークな設計の機体を採用していて、2人のパイロットが人力飛行機を操るタンデム形式となっています。人力飛行機のタンデム(2人漕ぎ)形式は重量(2人の体重)と出力(2人の脚力)のバランスにおいて、決して有利とは思えませんが、ドラマとしては厚みが増すことに間違いはありません。

 

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映画のストーリーは、人生を流れに流されて、なんとなく生きてきた、鳥山ゆきな(土屋太鳳)ですが、⼀浪して入った理系大学では入学早々、理系のノリにカルチャーショックを受けます。そんな時、一目惚れした高橋圭先輩(高杉真宙)に「いいカラダしてるね」とややこしい殺し文句で誘われるまま、フラフラとサークルに入部しました。

 

そのサークルこそ、毎年、2人乗り人力飛行機で「鳥人間コンテスト」を目指す人力飛行機サークル(T.B.T)でした。憧れの圭先輩と二人でパイロットとして大空にはばたくはずが、圭先輩の事故負傷から、硬派もどきのくせに、メンタル最弱の坂場大志先輩(間宮祥太朗)とコンビを組むことになってドキドキ・ドタバタ劇が始まります。

 

この人力飛行機サークル(T.B.T)でこだわったタンデム形式となると、出力は2人分のパワーで増しますが、体重も2人分になり、その分浮力を増すために機体も大きくしなければならず、構造も強化しなければなりません。重量と出力のバランスについてはそれぞれに様々な問題とドラマが想定できますが、映画においては、機体のメカのお話にはあまり触れずもっぱらパイロットをめぐる三角・四角のお話となっています。

 

さらに、この手のテーマのお話によくある感動系のお話かと思ったらどちらかといえばギャグ系のお話といってもかまわないでしょう。

 

人力飛行機パイロットに要求される能力は様々ありますが、特に「体力」と「体重」の2つが大きなウェイトを占めます。人力プロペラ機の重さはパイロットの体重を含めると浮くか浮かないかシビアなところで設計されるので、体重の軽さが重要なのは言うまでもありません。

 

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また、コックピットはパイロットの体形に合わせて作られるので、小柄な人のほうが歓迎されます。この辺がゆきなが圭先輩に「いいカラダしてるね」と口説かれた所以です。

 

しかし、単に体型だけ絞ればよいわけではありません。ペダルを漕ぎ続けるには、想像を絶する筋力・持久力・精神力が必要になります。そのため、パイロットには運動神経や基礎体力といったポテンシャルのある人が選ばれ、本番間際までトレーニングマシンや本格的なロードレース用自転車で鍛えるケースが多くなり、映画でも多くのシーンが登場します。

 

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ゆきなの高校3年間で片道20キロをママチャリで通学した実績が基本となり、坂場先輩のメンタル最弱が薬味となって面白いドラマとなっています。

 

飛行機オタクには物足りなく受け入れがたいかも知れませんが、間宮祥太朗の半ケツ、土屋太鳳のキレッキレのダンスなども見られ単純にオモシロイ映画なのです。