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映画『ぼくらの七日間戦争』何といっても宮沢りえの映画デビュー作品です!!

 

この映画『ぼくらの七日間戦争』は、1985年4月に発行された宗田理の文庫書き下ろし小説を原作として角川映画が映画化し、監督は菅原比呂志で1988年8月13日から東宝系劇場にて公開されました。
当時15歳の宮沢りえの映画デビュー作品となりました。

目次

 

 

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1.制作

主たる撮影は東京大泉の東映東京撮影所です。廃工場のシーンは千葉県館山市の平久里川河口の近くにある、市民運動場の道路を挟んだ向かいにあったボウリング場跡地で撮影されました。建物はその後取り壊されたため、現存していません。

主役の11人の生徒たちは一般公募で1万を超える候補者から選抜されました。学校や廃工場のシーンでは、多くのエキストラが募集されて撮影に参加しました。警官役のエキストラには撮影スタッフも参加しています。

本作には防衛庁(当時)は撮影協力はしておらず、登場した戦車は1979年の映画『戦国自衛隊』で製作された61式戦車を模したレプリカです。この車両は映画マニアの間で「角川61式」「戦国61式」の名で呼ばれており、『戦国自衛隊』や本作以外でも、数々の作品に出演した経歴を持っています。

なお、生徒達が立て籠った廃工場の地下に自衛隊の戦車があった理由は作中でも明確になっていません。廃墟が関東財務局の管理する国有地であることだけが劇中から読み取れます。


2.ストーリー

ある日、校則に反発した青葉中学の一年・菊地英治(菊池健一郎)ら男子生徒8人が失跡しました。彼は自衛隊の廃工場に立てこもっていましたが、学校側は体面を取りつくろうばかりでした。

 

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そのうち、中山ひとみ(宮沢りえ)ら女生徒3人も加わり、11人での自炊生活が始まりました。しかし、居場所がバレて教師や親が説得にやってきて、その場はなんとか追い返しましたが、子供たちはバリケードをつくり武装を始めました。

 

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体育教師の酒井敦(倉田保昭)らはエンジン・カッターで工場のシャッターを壊して侵入。ひとみらは地下からついに戦車まで持ち出しました。学校側も機動隊の出動を要請しましたが、どさくさに紛れ、ひとみらはマンホールから外に脱出するのでした。


3.原作との差異

管理教育に抑圧された中学生が、学校教師や大人に「戦争」を挑む概略はそのままではありますが、原作にはない戦車なども登場する一方、原作のポイントとなっている「全共闘関連の説明」「柿沼直樹の誘拐事件」「外部との通信・外出による各種工作」「学校教師に対する社会的攻撃」等が削除され、立てこもる生徒が「クラスの男子ほぼ全員」から「クラスの一部生徒」に変更されています。
尺の問題で削除し派手な廃工場での攻防に重点が置かれたのかも知れませんが、その分戦車の重み以上に内容が軽薄なものにしてしまっています。

 

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4.まとめ

先生は生徒を殴る蹴る、しかしいい時代でもあります。中学生も自分達でなんかやってやろうって元気がいい。いつから、大人も子供も誰かにお伺いをたてないと何もできない今の姿勢になってしまったのでしょう。

内容は大筋で細かい設定もむちゃくちゃで、80年代の何でもあり感がなつかしいのですが、今、夜9時に見る映画としては(?)がついてしまうのは、この手の映画ではしかたがありません。

みどころは、宮沢りえ15歳です。