映画『天使にラブ・ソングを…』爆笑・大感激のミュージカル・コメディーです!!
この映画『天使にラブ・ソングを…(Sister Act)』は、1992年製作のアメリカのミュージカル映画です。アメリカでは6ヶ月を記録する大ヒットロングランとなり、主演のウーピー・ゴールドバーグの人気を不動のものにしました。
目次
1.評価
大人気ミュージカル映画で尼僧院が発端となれば、まず浮かんでくるのが『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)です。あちらは尼僧見習い、本作はマフィアの愛人とまったく出自は180度違いますが、どちらも自由奔放で憎めなく、周りに笑顔と感動を振りまいていきます。
ミュージカル映画の人気ランキングには必ず上位に入ってくる『サウンド・オブ・ミュージック』はともかく、本作は、ほとんどのランキングに姿が見当たりません。
確かにこれといったオリジナル楽曲が見当たらないので、ミュージカル作品としてのインパクトがないのかもしれませんが、モータウン風のアレンジが絶妙、かつ感動的で、どの名作ミュージカル映画と並べても遜色ないものです。
2.絶賛
この作品の感動を、「映画.com」であまりに直接的ではありますが、率直に伝えているレビューがありましたので、紹介します。
5.0心が折れそうな時は!これを観よう!
2019年6月26日 PCから投稿
脚本が良い!セリフが良い!歌が超絶うますぎる、演技が素晴らしい!
どんなに心が沈んだ時も、死にたいくらい悲惨な境遇に打ちひしがれようとも、これを観れば、死なないで、立ち直れて生きていけそうな気がする!
修道院の皆んなが素晴らしい!それぞれが希望と自分のアイデンティティを見つめ明るく、我が道を歩いて行くのだ!
肌の色も関係なく、生まれ育ちも関係無きゃ、信心さえもどうでも良い。
出会いの素晴らしさ、どこでも、いつでも、遅すぎる事はない!どんなに後戻りが出来ないと、もうおしまいだと感じても、人生を投げたりしない。
そんな気持ちを持たせてくれる、稀有な、映画です。
全ての皆んなにラブソングを!
男女、人種、生まれ育ちも、家系も、DNA、動物も、生物も、宇宙も地球も関係無きゃ、みんなで幸せになろう!
3.ストーリー
1)目撃
ネバダ州リノのナイトクラブ「ムーンライトラウンジ」のクラブ歌手デロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は、ネバダ一帯に縄張りを持つ大物マフィアのボス、ヴィンス(ハーヴェイ・カイテル)の愛人でした。ある日、ヴィンスが裏切り者を始末する現場を目撃したため命を狙われことになりました。
2)証人保護プログラム
彼女は、重要参考人として警察に保護され、ヴィンスの裁判の日までカトリック系の聖キャサリン修道院に匿われることになりました。尼僧として振舞うことを余儀なくされたデロリスは堅苦しい生活に辟易していました。
3)聖歌隊
やがて聖歌隊の指揮者を任され、俄然、歌手としての本領を発揮します。自身のノウハウから下手糞な聖歌隊を鍛え上げ、退屈な聖歌をモータウンの楽曲の替え歌にアレンジして派手なパフォーマンスを繰り広げ、保守的で厳格な修道院長(マギー・スミス)との対立をよそに、一躍町中の人気者になりました。そして、最初は疎んじていた修道院のシスターたちと、歌を通じて徐々に友情を育み、固い絆で結ばれていくのでした。
4)発覚
しかしながら、平穏な日々も束の間、警察内部の情報が漏れたことでローマ法王を迎えたミサの前日にデロリスがさらわれてしまいます。誘拐の現場に居合わせたために巻き添えでさらわれてしまい、デロリスの機転で逃げ出したシスター・ロバートの報告でデロリスの素性に対する疑いが持ち上がります。
修道院長の口から彼女の本当の素性を知らされた修道院のシスターたちは動揺しますが、シスター・ロバート(ウェンディ・マッケナ)の勇気ある進言をきっかけに、例え本物の尼僧でなくとも自分たちを教え導き、歌うことの楽しさや素晴らしさを教えてくれたデロリスを救うべく、一丸となってヴィンスのアジトであるリノのムーンライトラウンジへ乗り込んでいくのでした。
5)大演壇
仲間たちの活躍によりデロリスは無事救い出されて、ヴィンスは逮捕されました。デロリスは仲間たちに心からの感謝の意を述べて修道院長とも和解し、ローマ法王の御前でのコンサートを大成功に導くのででした。
4.みどころ
1)「ヘイル・ホーリークイーン」
デロリスが尼僧院の聖歌隊をはじめて指揮するシーンの歌で、この楽曲は、キリスト教聖歌におけるアンティフォナ(交唱)の一つ。「サルヴェ・レジーナ(Salve regina)」とも題されます。
アンティフォナ(交唱)とは、合唱を2つに分けて交互に歌う歌い方の聖歌のことで、カトリック教会及び正教会で現在も一般的に行なわれています。
見習いシスター「メアリー・ロバート」役のウェンディ・マッケナ(Wendy Makkena)が歌ったパートが印象的ですが、実際には他の歌手(アンドレア・ロビンソン)による吹き替えです。
シーン
和訳
2)「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」
エンディングでローマ教皇を前に、ラブソングが神を称える歌として感動的に捧げられます。
もとは、フランク・プゥルセルとポール・モーリアが1961年にJ.W.ストール(=プゥルセル)およびデル・ローマ(=モーリア)の変名で発表したインストゥメンタルであって、翌62年に欧州ではペトゥラ・クラークでヒットをし、日本とアメリカではペギー・マーチの「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」として大ヒットしました。
5.まとめ
本作公開の翌年、1993年に続編『天使にラブ・ソングを2』が出、さらに、映画公開から19年後の2011年に本作がブロードウェイミュージカル化されました。
2015年、2018年に『天使にラブ・ソングを3』の製作が噂されましたが、まだ実現されていないようです。
主演のウーピー・ゴールドバーグは、女優、コメディエンヌ、歌手として、「エミー賞」、「グラミー賞」、「アカデミー賞」、「トニー賞」の4つの賞をすべて受賞してる偉大な歌手です!!